「しょうがない」を「ginger」と訳す翻訳アプリに絶望した私、国産AI「PLaMo」に希望を託す。
英語の文章を読んだり書いたりする機会が多い人にとって、翻訳サービスはもはや欠かせないインフラです。
みなさんも、日々多かれ少なかれ、翻訳サービスを使うのではないでしょうか?
私もその一人で、日々、英語の小説やコミュニティ投稿を読み書きするために、様々な翻訳サービスのお世話になっています。
ですが、最近どうも納得いかない。特に、翻訳サービス界の雄であるDeepLの品質に疑問符が浮かぶことが増えました。
何より看過できないのが、代名詞を勝手に決めつける問題です。
日本語は、文脈で性別が分かれば主語の「彼」や「彼女」を省略することが多い言語。この文化的な背景が、翻訳を狂わせる原因になっています。
例えば、こんな一文。
マツは涙をぬぐい、立ち上がった。
「希望はすぐそこにある。行こう」
日本語って不思議なもので、「マツ」の性別が分からなくても、成立するんですよね。
これをDeepLで英訳すると、こうなります。
Pine wiped away his tears and stood up.
Hope is right there," he said. Let's go."
なんでしょう、これは。
勝手に男性(his/he)にされているのは、まあ百歩譲るとして……。
人名の「マツ」を「Pine(松の木)」と訳さないでほしい。
話になりません。ダブルクオートの位置も変だし。
さらに先日、極めつけの「迷翻訳」に出会ってしまいました。「しょうがない人だな」という、少し呆れつつも愛情の含まれるニュアンスの言葉が、こう訳されたのです。
「He is a totally ginger person.」
思わず頭を抱えます。
何を言っているのでしょうか。
「ginger」は「生姜」。俗語では赤毛の人を指す言葉です。文脈とは全く、これっぽっちも関係ありません。
日本語を理解していない人が調整を担当しているのではないかと、本気で疑うレベルです。
そのくせしばらくの間「ネイティブが書いたように自然に訳せる」とページ上部に書いてありました。皮肉としか言いようがありません。DeepLさん、最近迷走気味です。
もちろん、他の選択肢もあります。Google翻訳です。
先ほどの例文をGoogle翻訳にかけると、こうなります。
Matsu wiped away her tears and stood up. "Hope is right there. Let's go."
こちらは、人名をきちんと「Matsu」と認識しています。まだ妥当な翻訳です。(勝手に女性にされていますが……)
体感として、最近はGoogle翻訳の方がDeepLより優秀だと感じることもしばしば。
でも、もっと「自然な翻訳」をしてくれる、気の利いたサービスが欲しい。そんな長年のニーズに、ついに光が差したのかもしれません。
希望の光、国産AI「PLaMo」
国産のAI(LLM)、PLaMoの登場です。
現在、デモ版が公開されており、なんと5000字まで無料で、スラスラと翻訳してくれます。なんと太っ腹。
期待を込めて、先ほどの例文をPLaMoに翻訳させてみましょう。
Matsu wiped his tears and stood up.
"Hope is right around the corner. Let's go."
代名詞の問題は残っています。これはもう、日本語の特性上、今後の技術革新に期待するしかありません。
しかし、注目すべきはセリフの部分です。
Google翻訳の「Hope is right there.」は、かなり直訳的で、少し素っ気ない印象でした。
一方、PLaMoの「Hope is right around the corner.」は、「希望はすぐそこの角を曲がったところにある」という、少し文学的で、より自然なニュアンスを感じさせます。
私は英語のネイティブではないので、あくまで印象に過ぎませんが、希望は感じます。
もちろん、Google翻訳も優秀です。実際、一番使っているのはGoogle翻訳かもしれません。しかし、私たちが求めているのは、時に無機質な正確さよりも、心に寄り添う自然な言葉ではないでしょうか。
このニーズに、PLaMoは応えてくれる。そんな気がしてなりません。
もし今後、人名や専門用語を登録できる機能が実装されれば、もう言うことなし。
PLaMoは今、どちらかというと企業向けのサービス提供を目指しているようですが、心の底から願います。
どうか、一般向けにもサービスを展開して、ポストDeepLの座を掴み取ってほしい。
今はデモ版が無料で使えます。
もし、あなたが普段から翻訳の必要性を感じているなら、ぜひ一度、この国産AIの実力を試してみてほしいのです。
AI技術でも後塵を拝している日本。でも、負けじと頑張っている日本の技術への、ささやかな応援にもなるはず。
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