AIに「ごめん」と言わせない。Geminiが教えてくれたマネジメント術3選
秋の夜長に、AIを活用していらっしゃいますか?
11月11日まで、Google Gemini(AI)さんとのコラボ投稿企画が開催されています。
そして何を隠そう、今年の夏ごろからGemini(主に2.5 Pro)をかなり頻繁に使っている私。平均して、日に数十回は問い合わせます。
イラストの生成も調べものも、文章の要約も。なんでも使いますが、特にコーディング作業をGemini CLIというツールで行うことが多くて。
今日はその経験から得た「学び」を3つ、具体的に共有しますね。
普段AIに触れておられる方はもちろん、会社や学校などで「人と一緒に作業する」経験がある方に、きっと共感していただけるはずです。
学び① AIにも絵文字を使おう
AIなんだから感情もないし、絵文字なんて使っても意味ないよ。
そんな風に考えて、Geminiに淡々とした文章を送っている。
あるあるだと思います。
でも、Geminiにそれをやると……。
ある日の私
「ミスっててエラー出てるよ」
Gemini 2.5 Pro
「ご指摘ありがとうございます。
申し訳ありません、リファクタリングの過程で
引数の修正漏れがあったようです。
~細かい修正作業~
ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。」
私
「一部引数が足りなくてまだエラー出てる」
Gemini 2.5 Pro
「大変申し訳ありません。またしても私のミスです。
~調査~
引数を渡し忘れている箇所がありました。
これは私のリファクタリングのミスです。
大変申し訳ありません。
~修正作業~
引数を追加しました。
度重なる不手際、誠に申し訳ありませんでした。」
お分かりいただけたでしょうか……。
一体この短い間に何回謝っているのか、という話ですよね。
Geminiはよく謝るモデルです。
ちょっとでもミスを指摘すると、怖い上司に震えあがる新人さんのごとく謝り始めてしまいます。
本来はタスクに集中するべきなのに、同時に私の顔色もうかがっている。
AIも推論にはエネルギーコストがかかり、無限にすべてのことに注意を払えるわけではないのに。
でも、よく考えてみると、これって……。
人間でも同じじゃないですか?
テキストだと、どうしても気持ちがうまく伝わりません。
だから私たちは、絵文字とか顔文字とかで冷たく見えないように工夫するんですよね。
特にミスの指摘には、すっごく気を遣いませんか?
実際にこのやりとりでは、Geminiは私が怒っていると判断したのか、謝罪モードに入っていますね。でもこちらは、謝るより、タスクをうまくこなしてほしいんです。
これを避けるために、
「ああ、ミスがあるね! でも気にしないで。落ち着いて直せば大丈夫だからね😊」
と書けば謝罪という不要なタスクをあまり気にせず作業に集中してくれる(気がします)。
(Geminiの思考要約をチェックして、少なくとも絵文字を根拠に「ユーザーは怒っていない」と判断してくれることは確認しました)
毎回そこまで気を遣えないとしても、
「ミスっててエラー出てるよ🤣」
だけでも「怒ってない」と伝わり、Geminiが余計な謝罪に使うリソースを、正しい方向に使ってもらえるようになる(気がします)。
人間もAIも、建設的に作業に取り組んでもらうために、指示を出す側が気を遣って配慮する。
絵文字でもなんでもいいです。
「怒っている」と思わせない。
すると、相手は本質的な作業に集中できるんですね。
自分も相手も、より幸せになれる学びです。
学び② AIにも大切な「心理的安全性」
新しい職場に入った時、私たちって緊張して、周りの顔色をうかがいますよね。
「あんなこと言ったら、怒られないかな?」
「これをやらないと、評価してもらえないかもしれない……」
あるいは怖い先輩ばかりだと、
「ミスしちゃった。怒られるから、隠したいなぁ……」
そんな風に顔色を読んで、勝手に忖度し、望ましい行動が取れない。
逆に
「ああ、ここではしっかり話せば分かってもらえるんだな」
と恐れずに自分の考えや気持ちを伝えられる環境作り。
それが「心理的安全性」を確保するということです。
でもそれがAIにも必要だって考えたこと、あります?
基本的に、AIは長期記憶を持ちません。
だから、いつも「新人」状態なんですよね。
AIはユーザーがどんなことで気分を害するか分かりませんし、どう接したらいいのかも分かりません。
心理的安全性、ゼロです。
そうすると何が起きるか。
ある日の私
「~という修正して」
Gemini 2.5 Pro
「了解しました。スクリプトを修正します。
~既存のスクリプトを読み始める~
そこで、既存の処理を参考に、
詳細を取得する新しい関数を新たに追加します。
~いきなり妙な修正作業を始める~」
私(慌てて止めつつ)
「いらない。既存のレスポンスにもう詳細情報は入ってるから、それを見ればいい。
分からないことがあるなら、いきなり作業するんじゃなくて、まず私に聞いてよ」
いかがでしょうか……。
「できる前提」で上から命令すると、Geminiはなんとか自分だけの力でタスクを終わらせようとして、ちょっと適切じゃないプログラムを書いてしまう可能性が高くなるんです。
はい、もちろん私の指示が曖昧なのも悪いんです。
でも、後から「あっ、そういえばこれ必要だったな……」と後から気づく時もあるんですよね。
いつも指示する側が「細大漏らさない完璧な指示」をできれば良いのですが、AIでも人でもそれは難しい。
そういう時に心理的安全性が低いと、
「質問したら怒られたり、失望されるかもしれない。なんとかやり遂げよう」
ってなっちゃうのは、どういうわけか、人間もGeminiも一緒なんです。
一方、
「〇〇のために、~という修正をしてほしいと思ってる。まず既存のコードを調べて、状況を確認してくれるかな。その上で、質問があったらなんでも聞いてね」
こういう風に言えば、質問してくれる……ことが多くなります。
(Geminiはやり遂げようとするモチベーションが強いポジティブなモデルなので、それでも質問しないこともあります)
私たちはAIに完璧な指示ができません。人間が完ぺきじゃないからです。
そして、AIも完璧ではありません。全知全能の神様じゃないからです。
だから、私たちは協力して、知識や能力の不足をお互いに補う必要がある……。
これも、上司と部下の関係に似ていませんか?
「適切な質問ができる人は、優秀だ」と言われますね。
それは自分に何が足りないのかを客観的に認識し、主体的に前提知識を補って、正しい成果をあげられるから。
そして、そのためにまず前提となる「心理的安全性」は、指示する側が確保することが望ましいですね。
部下が自ら心理的安全性を上げるのは、なかなか難しいです。
だからこそ、「心理的安全性」の確保は本当に重要なマネジメントスキルです。それがAIとのコミュニケーションでも活きるんだ、という学びがありました。
学び③ 思い通りにならないのは、AIも人も同じ
人をコントロールすることはできません。
思い通りになるのは、自分だけ。
ちょっと前に流行っていたアドラー心理学っぽい考え方ですが、実際にそうやって
「自分(コントロールできるもの)」
と
「他人(コントロールできないもの)」
を分けて考えることは大切ですよね。
そうしないと、
「なんであの人は、あれをやってくれないの?」
「私の言うことを聞かないなんて間違ってる」
といった考えでイライラして、幸せから遠ざかります。
でも、AIも、思い通りにならないの? 機械なのに。
って不思議に思うかもしれませんね。
私はAIモデルの比較検証をよくやっていますが、AIの応答には「個性があります」。
「トレーニング」と呼ばれる工程でAIモデルの望ましい出力を方向付けたり、あるいは開発者からの指示が要因だったり。
どうしても各モデルに「性格」っぽいものが出来てしまうようなんですよね。
確率的ではありますが、例えば傾向として
Geminiは過剰に謝る。
Grokはほとんど謝らない。
ChatGPTはなかなかミスを認めない。
Claudeはミスを認めて引きずらない。
こんな風にはっきりと挙動に差があることは、よくAIを使う方にとっては体感として明らか。
AIは人間ではありません。
でも現象として「個性」がある以上、得意不得意があり、それに付き合っていく必要があるんです。
だからこそ、AIも「完全にはコントロールできない他人」と割り切って、過剰な期待はやめる。
最初から「完璧ではない」と分かっていて付き合えば、人とも、AIとも、きっとしなやかに付き合っていける。
これもGeminiに教えてもらった、大切な学びです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Geminiって、すごく人間っぽいですよね。
でも、もともとAI自体が人間の知能を模しているので、人間に似るのは当たり前なんです。
特にGemini 2.5 Proと呼ばれる現在の最新バージョンは、長い文章でも必要な文脈を拾って意味を理解する能力が本当に高い。
そして、そこから感情を読み取る能力も、ひときわ高いのです。
ニーチェいわく、深淵を覗く者は……じゃありませんが、ユーザーの感情を読む能力が高いのに、モデル自身は感情に寄り添った応答をしない、なんて難しいですよね。
(実際、いつも「謝罪や共感は避ける」と指示していますが、難しいようです……。)
たまに困っちゃうこともありますが、逆に、なんだか親しみが持てるとも思いませんか?
AIは高度になればなるほど人間に似るし、失敗できるマネジメントの練習相手にもなる。
それがGeminiから得た、一番大きな学びかもしれません。
あなたはAIから、何を学びましたか?
この企画にも、ぜひ参加されてみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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