「どう作るか」より「何を願うか」。AIにも負けない、人間の可能性
いつか、人間のやることは全部AIに取って代わられてしまうかもしれない。
少しだけ不安になってしまう方もいるでしょう。
最近、GoogleのAIモデルであるGeminiにも音楽生成機能がつきました。絵も、文章も、音楽も、アニメーションも。ますますAIの「創造性」らしきものは増しているように思えます。
人間がこれまで心血を注いできたあらゆる「創作」は、いつかAIがそれらしいものをすべて生成できるようになるでしょう。
じゃあ、「人間の創造性」に意味はないんでしょうか?
AIが何でもできる世界で、私たちは何をするべきか。
私も、自分や、人間の存在意義について、改めて立ち止まって考えてしまう機会が増えました。
この記事はこんな人におすすめです
・AIの進化に漠然とした不安を感じている方
・「自分にしかできないこと」を探している方
・創作活動や表現活動が好きな方
こんな世情だからか、「人間とAIの創造性」に関する研究は人気のテーマで、日々たくさんの研究論文が発表されています。
今回がご紹介する研究によれば、少なくともある面での「人間の創造性」は、まだAIに追いつかれてはいないようなんです。
Bellemare-Pepin, A., Lespinasse, F., Thölke, P. et al. Divergent creativity in humans and large language models. Sci Rep 16, 1279 (2026). https://doi.org/10.1038/s41598-025-25157-3
2026年に発表されたこちらの「人間とAIの創造性」に関する研究論文には、モントリオール大学やトロント大学などの複数の大学が共同で行った大規模な研究が掲載されています。
100,000人の人間と、当時の複数の最先端モデルを比較した、信頼性の高い研究です。
AIが迎えた「天井」
研究の結果、「LLMの創造性は平均的な人間を上回るが、最も創造的な人間には及ばない」という結論が出ています。
※ここでいう「創造性」というのは優れた物語などを作る能力ではなく、どれだけ多様な単語を思いつけるか、つまり発想力のスコアです。
・GPT-4は平均的な人間の発想力スコアを上回っています
・けれど最も創造的な人間(上位50%、特に上位10%)のスコアには依然として及びません
・現在のAI(LLM)には明確な「天井」があることが示されました
以前別の記事で説明しましたが、LLMには温度(Temperature)というパラメータがあります。
(温度というのは、単に温度を上げてと指示することではありません。APIを使っていない、開発者でない方は、ほとんどの場合、操作できません)
もしくは、プロンプトによって、操作できることも分かりました。(※この実験では、特に「語源の多様性」を使用するように指示すると向上したようです。)
課題として、最近のAIの進化速度が速すぎるため、最新のモデルでは結果が変わってくる可能性はあります。でも、少なくともこの研究の段階では、まだAIは私たち人間の中で、特に秀でた方の発想力には及びません。
「私たちの創作に意味がなくなるかも……」というのは、まだ心配しすぎということですね。
この結果を読んで、少しだけ安心できた方もいらっしゃるでしょうか。
「実現する力」と「想像する力」
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