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逃げ方はどうやって学んだらいいの?

私たちはいつも「頑張る」ことを求められて、「頑張る方法」を教えられます。

でも、「よい逃げ方」はどこで誰が教えてくれるんでしょう?

本屋さんに行けば、「こう努力すれば報われる」といった書籍が並びます。
「逃げたら負けだ」という言葉が私たちの意識の奥にすりこまれていて、「逃げる」ことに罪悪感を覚えます。

もちろん、ただなんでもかんでも逃げればいいわけじゃないんです。

でも、
「何があろうと頑張り続ける」ことも、
「なんでもかんでも逃げる」のも、
どっちも極端すぎませんか?

私たちの人生の目的は、多くの場合、「倒れるまで頑張り続ける」ことでも「すべての苦痛を避ける」ことでもないはずですよね。

人によって違うのはもちろんですが、大きなくくりで言えば、私たちは自分や、大切な人を幸せにすることが人生の目的なんだと思います。

その上で、目の前のことだけじゃなくて、人生全体を通して今「頑張ること」あるいは「逃げること」がプラスになるかマイナスになるか。

これ以上続けても大丈夫なのか、これ以上はつぶれてしまうのか。
どこが「限界」なのか。
見極める技術。

これって誰も教えてくれません。

でも、人間の限界は、個人差はあれど学術的にはだいたい「この辺だろう」という基準がありますね。

私も以前、システムの保守の仕事をしていた頃は、昼夜問わず深夜にも電話がかかってきて、障害対応しないといけないのに、翌朝も普通に出社して……とかをやっていたのですが、あれは限界を超えていました。

そして体や心を壊して、何か月、何年と休むことになります……。

その影響はいまだに消えていません。

それなのに、どうして続けてしまったのか。

私だって自分に限界があると知識では分かっていましたが、いざというとき「きっぱりと逃げる」のは実は難しいことなんです。

「その時が来たら考えればいっか」と思っていると、いざという時には、自信も思考力も失っています。だから冷静に考えられないし、「やっぱり今逃げるのは……」「せめてこの案件が片付いてから……」そんな風に迷ってしまいます。

始めたことをやめるのにはまた別種のエネルギーがいるから、疲れていると、むしろ惰性で続けてしまうんです。

「逃げる」を計画する

背水の陣と言う言葉がありますよね。
確かに、「逃げ場がない」なら命がけで頑張るしかない。事実です。

でもこれを裏返すと、「逃げ場がある」なら、頑張りすぎて、つぶれずに済むということでもあるんですよね。

だからこそ、「どこまで頑張れるか」を最初から決めておいて、そこを超えたら助けを求めて負担を調整するか、いっそ逃げる。

いざとなった時の逃げ方、逃げ道も考えておく。

例えば仕事なら、平均睡眠時間が6時間を切り、それが1か月以上も続くようなら、体調不良を訴えて休む。稼働の調整を依頼する。無理なら退職。その時のために数カ月分の生活費は貯めておく。

そして基準を超えたら「でもなぁ……」と思わず、実行する。

そういう風に何か始める時には、「逃げる」時のこともあらかじめ考えておくのが、「よい逃げ方」なんだと思います。

事業だって失敗した時の計画は、あらかじめ立てるものですよね。

私たちだって一人ひとりがそうしていい。

一見ネガティブに思えますけど、より良い人生を追求するためには、「どう努力していこうか」という計画と同じくらい「どう逃げようか」という計画も必要です。

私たちは長い人生の幸せを目指して良いし、そのために最も効果的であろう選択肢を取っていい。
それは「頑張る」だけではないですよね。

「やめる」
「変える」
「断る」

それは悪いことじゃないんです。

もし、あと3年ですべてが終わるならその3年にすべてを費やしてかまわないかもしれませんが、まだ数十年生きなければならないのに、その3年で自分を燃やし尽くしたら、そのあとどうしたらいいのでしょう?

だから、こういう方向の努力だって、適切に行えば、私たちの長い人生にとってポジティブにはたらきます。

私自身がこれまでの人生で何度も「つぶれて」しまったからこそ、多くの方が、つぶれてしまう前に「逃げる」という選択肢も思い出せますように。

心から願っています。


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