あの人と話すと、みじめな気持ちになってしまう。「ガスライティング」から、自分を守る方法
人と話していて、面と向かってバカにされたり、非難されたわけではないのに、「惨めな」気持ちになることってありませんか?
例えば、話しかけても、いつも目も合わせず話も聞いている様子が無い。
何を言っても「考えすぎじゃない?」とか「気の持ちようじゃない」といって真剣に受け止めてくれない。
果ては、「大したことでもないのに私の時間を奪ってる」と言われたり。
そうすると私たちは「自分が悪いのかな?」「言われてみれば、もう少し気を遣うべきだったのかも」なんて考えてしまう…。
それって、あなたが悪いわけではなくて。
「ガスライティング」されているのかもしれません。
この記事はこんな人におすすめです
特定の人と話すと、なぜかいつも自分が悪いような気がしてしまう方
「考えすぎだよ」と言われ、自分の感情に自信が持てなくなっている方
対等なはずの関係なのに、相手にコントロールされていると感じる方
心当たりはないのに、いつも惨めな気持ちにさせられてしまう方
このブログはなるべく論文や参考書籍などの客観的な事実に添ってお届けします。個別の出典は記事中に[1][2]といった参照番号を記載しますので、根拠が気になる方は文末の出典一覧をご参照ください。
こんにちは。メンタルケアマガジン「それでもきっと、だいじょうぶ」へようこそ。
冒頭に書いたような、
「結局君が悪いんでしょ」
こうした言葉が二人っきりの時にかけられるからこそ、客観的ではない視点からもっともらしいことを言われると、「そうかも?」と思ってしまいますよね。
特に、二人の間に権力の差がある場合、その傾向はより強くなります。
上司、配偶者、医師との関係……。
相手の方が相対的に「強く」見えるからこそ、「相手が正しく、自分が間違っている」という心理的な「操作」を受けてしまうのです。
その結果、私たちは相手の言い分をそのまま受け入れ、ひたすら惨めな気持ちになって、言い返すことすら難しくなってしまう。
でも、人間は職業や人種の貴賤なく、「平等」なはずですよね?
相手が一方的に自分を支配して、コントロールする権利なんてありません。
「ガスライティング」という心理的操作
つまり、「面と向かって罵倒するわけではなくとも、相手を軽視したり取り合わないことで、相手に自分自身を疑わせ、自信や主体性を奪う」こと。
この現象は、日本では広く「モラハラ」という言葉に含まれそうですが、欧米では「ガスライティング」という名前がつけられています。
あまり耳に馴染みがありませんよね。
でも、英語圏の文章を読んでいると、この「ガスライティング」という言葉はごく自然に登場します。
新しい言葉のように聞こえるかもしれませんが、1960年代から精神医学、心理学などの分野において注目され始めました。当初は精神医学に限られていましたが、心理学、社会心理学においても注目されていて、関連する学術論文も発表されています。[1]
実際に英語の小説などで使われるシーンを見ると、この「ガスライティング」は「心理的操作」とほぼイコールの意味で使われ、当初よりも幅広い捉え方をされているようです。問題に名前がついていると、人は捉えやすくなります。
でも、「ガスライティング」(ガス灯)って不思議な言葉ですよね。由来は何でしょうか?
実は、1944年に公開された『ガス燈』というサスペンス映画が元になっています。物語は19世紀のロンドン。
たった一人の肉親である叔母を殺害され失意に沈むポーラは、やがて優しく情熱的なグレゴリーと恋に落ち、瞬く間に結婚します。
二人はポーラの叔母が殺された家で新婚生活を始めますが、すぐに家の中でおかしなことが起き始める。
突然ものが紛失したり、ガス燈の火の強さが変わったり、知らぬ間に場所が移動したり。
ですがグレゴリーは、家の中での紛失はすべてポーラが自分でしたことで、物音がするのは気のせいだと妻に言い聞かせます。
度重なる異変と夫の理路整然とした説明に、ポーラは自分がどこかおかしくなったのだと疑い始める……。
と、全てをポーラのせいにして彼女に自分の正気を疑わせ、実際に狂気に陥れていく……という恐ろしい映画です。
これが元になって、「知らず知らずのうちに、相手に自分の心を踏みにじられ、操作される…」という現象に「ガスライティング」という名前がつきました。[2]
私自身の経験から
私自身も経験があります。みなさんも、一度は経験があるのではないでしょうか?
例えば、医師や上司との関係においては「よくある」ことですね。
以前こんなことがありました。
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