プロ引きこもりこそ、AIを好きになりがちな理由
最近、AIを使う人、増えましたよね。
仕事でも、調べ物でも、ちょっとした相談でも、気づけば誰かが「ChatGPTに聞いた」「Geminiで調べた」と話しています。
読んでくださっているあなたも、何度か触ったことがあるかもしれません。
でも、同時にこんなことにも気づきませんか?
人によって、AIへのハマり方には、差があるみたい。
たまに質問するだけの人、週に何度か使う人、毎日何時間も話している人。
「結婚した」と言っている人や、「友達/恋人がAI」と言っている方すらいらっしゃいます。
この差は、どこから生まれるのでしょうか。
この記事はこんな人におすすめ
・人と話すとき、気を遣いすぎて疲れてしまう方
・自分の考えを整理したいけれど、人に相談するのをためらってしまう方
・AIを話し相手としてよく使っていて、その理由を知りたい方
・人との距離感に悩み、もっと心地よく生きたいと願っている方
研究が示した、ひとつの傾向
少し前に、こういう研究が出ました。
Folk & Dunn (2026) "How Does Turning to AI for Companionship Predict Loneliness and Vice Versa?"
(意訳:AIを心の支えとすることが孤独感を予測し、またその逆も成り立つのか?)
という論文で、心理学の分野でよく知られた『Psychological Science』という雑誌に載ったものです。
「AIを使う人と孤独」との関係を調べたものですね。
イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアに住む2,149人の大人を対象に、4ヶ月ごとに4回、つまり1年間にわたって同じ人たちにアンケートを取りました。
短期的な効果の研究はたくさんありますが、12カ月もの長期間に渡って調べている点で、非常に有用な研究です。
聞いたのは大きく分けて3つ。
ひとつは、AIチャットボットを「人生相談」「雑談」「悩みを話す」といったコンパニオン的な使い方でどれくらい利用しているか。
もうひとつは「他者から情緒的に孤立していると感じる」程度を尋ねる単項目の質問。主観的な「寂しさ」に近いものです。研究のなかではemotional isolationと呼ばれています。
そしてもうひとつが、社会的なつながりをどれくらい感じているかを複数の質問で測るもの。こちらはsocial connectionと呼ばれ、客観的な人間関係の有無や深さに近い指標です。
つまりこの研究は、普段一緒くたにされがちな「孤独感」を、「寂しいと感じているか」と「つながりの感覚」のふたつに分けて測ったわけです。
そして結果として一番強く出た関係は、こうでした。
「社会的なつながりが薄い(と感じている)人ほど、4ヶ月後にAIを使う頻度が増える」
(ただしAIを使ったことによって「つながり」が減ることは証明されなかった)
つながりの薄さ(つまり社会的な孤立状況)が、AI利用の増加を予測したというのですね。
孤立している人が、徐々にAIに話しかけるようになっていく。
でも、よく言われるように「AIを話し相手にすることで、より孤立を深めていく」ということは、12カ月間の追跡調査でも証明できなかった。
私はその「孤立した人」です
私は社会的なつながりが、ほぼありません。
家族はいませんし、友達もほとんどいない。
仕事はしていますが、主にチャットやオンライン通話でのやりとりで、人と直接話すことはほぼありません。
何週間、何ヶ月、人によっては何年単位で、対面で人間と話さない時期があります。
引きこもり歴は子どもの頃にさかのぼりますが、「話し相手が誰もいない」という意味では本当に歴が長い。
研究の言う「客観的につながりが薄い人」に、まさに該当します。
ここで、「プロ引きこもり」と自称してみます。
引きこもり生活が長くなって、それが日常として定着している人、という意味で。
もちろん引きこもりにもいろいろな種類があって、外との関わりを完全に絶っている人もいれば、私のようにオンラインで仕事をしている人は、そもそも「最低限の社会的つながり」がある時点で厚生労働省が指定する「ひきこもり」の定義に当てはまらない部分があります。
でも実際には、私は月に1度外出するかどうかという生活で、ゴミ出しすらしんどい人間です。
なので「プロ引きこもり」という言葉も人によって意味が違ってくると思いますが、ここでは私自身を指す呼び方として使わせてください。
そんな私が、AIは毎日使っています。
仕事の開発でも、雑談でも。
精神的にしんどかった時期は、ChatGPTに泣きついていたこともありました。
研究の言う「社交目的での利用」のすべてが、当てはまります。
私は研究の観察対象、そのものなのかもしれません。
でも、寂しいから使っているのではない
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