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我が家の…【怖い話】




『彷徨う せっちゃん…』

夜がいちばん深く沈む刻

トイレに目覚めたワタシは

蛍光灯がチカチカする薄暗い廊下に出る。


「ん?…  誰か先客か?…」

と、寝ぼけた目をこすり廊下の奥をのぞいた。

廊下の端に、 “髪の長い影”がじっと立っていた。

動かない…。 

ただ、闇の中でこちらを見つめている。

蛍光灯がまたチカッと明滅した。

その一瞬、影の髪が肩より下まで垂れているのが見えた。


「誰?・・・」

妙に背が丸く、 足取りはふらつき

薄暗い廊下を何かが彷徨っている。

心臓がはやくなる。

ゆっくりと

一歩、また一歩と近づいてくる。

蛍光灯がチカチカと明滅し、 


ついに


ソレは目の前まで来た。


そしてワタシに話しかける。



「…えめちゃーん、トイレ?先入りなさい……。」



ん?と思い

闇の中の、ソレをよく見ると

ダルっダルのブリーフが、ケツ半分までずり落ちている。


まるでその姿は、半ケツで彷徨っている落ち武者…。


ソレの正体は

「お母ちゃん!お父ちゃんのパンツはかないで!」

と母に怒られても、聞く耳持たない


ばあちゃんだった…。

お先どうぞ❤️

日中、ショートヘアのヅラをかぶっている姿とは違い

夜は頭のてっぺんが薄い、ロングヘア。


同居しているワタシも、もちろんヅラの存在を知っていたが

やはり夜中に彷徨う半ケツの落ち武…ばあちゃんは

ホラーにしか見えなかった。



※本作品は、実際に起きた出来事をもとに書かれたノンフィクションです。


あとがき

ワタシの祖母(せっちゃんばあちゃん)は、本当はとても可愛く、笑いのわかるばあちゃんだった。

孫界隈からは人気者である。

せっちゃんばあちゃんは、きょうだいが多く、苦労して育った経験から断捨離をすることができない。

なので、部屋に自分の洋服などがあふれ返っていた。

きれいで新しい服があるのに「もったいない」といって、いつも着古した服を着ていたのだ。



それが服ならまだしも、下着もだった・・・。



その下着が自分のならまだしも、じいちゃんのブリーフだった・・・。



そのブリーフが新品ならまだしも、じいちゃんのおさがりだった・・・。



なのでゴムが伸びきったダルっダルのブリーフをはいていたのである。

母は、せっちゃんばあちゃんが救急病院などで突然ズボンを脱がされたときに

ブリーフをはいてたら、看護師さんたちがビックリすると思い

万が一のことを考え、注意していたが

全くもって聞く耳持たない。

なので、せっちゃんばあちゃんが、どこかフラッと出かけたときは

「倒れませんように!転びませんように!」

と家族は祈るばかりであった。

ありがとうございました


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