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近自然学講座:【おわりに】豊かに、健康に、幸せに生き延びるために

21回にわたってアップしてきた「note版 近自然学講座」ですが、これで最終回です。これまでの投稿はこちらのマガジンをご覧ください。

近自然とは、なんだか私/今の世の中上手く行っていないよな、と感じる人のためにあります。今は上手く行っているしこれからも安泰(何も変える必要がない)という人には不要のもの。

近自然とは

近自然はスイスの人々の考え方がベースになっています。

世界有数の富裕国、なんだかあくせくしていない、1847年以来戦争をしていない。でも当の本人たちはその秘策を自ら発信はしない…。そして外国人の目から観察してみると、その深層にある考え方が見えてきます。

これらを原則化し、さらに体系化した実践学が近自然学です。日本人が見出し、約40年の歴史があります。

近自然の目指すもの

近自然の「近」とは「自然ではない」ということ、または「人が関わる」ということ。すなわち「人と自然とが上手くやっていくためには」がテーマです。

近自然の真の目的は人類が豊かに、健康に、幸せに生き延びること持続的成功あるいは永続的幸せとも言えます。自然が壊れると、我々はこの目的を達成できません。だから我々は自然を大事にしなければならないのですが、みんな今の豊かさは落としたくないわけです。

そこで、近自然ではこう考えましょうと提案します。

  • 新しい時代のパラダイム

  • 環境と豊かさを両立させる

  • 持続的に生き延びる:豊かに幸せに健康で気持良く

  • 合理的でありながら感性も重視

  • 皆の得になる

  • 本音/わがまま/欲張り/贅沢を許すシステム

  • 地域や経済の活性化に貢献する

  • 持続的成功と幸福をシステム化

こんな世の中、本当に実現可能なのでしょうか?

近自然のメリット・デメリット

近自然を実践することのメリットは以下の通りです。

  • 市民目線:誰でも実践できる(誰でも今日からやろうと思えばできる)

  • 実践可能:ただし、それにはパラダイムシフトが必要

  • 理論武装:スイス・ドイツという理論的な人々・言語の下で鍛えらた

  • その一方で、本音・感情・直感を尊重

  • 皆が得をする:経済・利便性・快適性を重視するから

  • 豊かさ:環境の豊かさも追求するのは持続のため

  • これらの結果、幸せ・健康・成功を実現できる

  • さらには、能力・努力が報われる

一方で、こんなデメリットもあります。

  • まず、パラダイムシフトが不可欠:ここで躓くと先に進めない

  • 権威者・支配者・既得権に不都合:根本的な変化を求めることが多いから

  • 常識・当たり前・慣習に固執・盲信しない:「これまでずっとそうだった」への挑戦は孤立を招くこともある

  • 一発当てたい人には向かない:1人の大成功より皆のささやかな幸せを重視するから

  • コアな環境保護派には胡散臭く思われる:豊かさ・クルマ・贅沢・人類の活動などを認めるため

  • 一方でアンチ環境派にも嫌われがち:豊かさの持続のために環境を重視するので、負荷に対してはペナルティを課そうと提案するから(目先の経済しか考えていない人にも嫌われる)

近自然の実践に向けて

理屈と実践の相互関係

近自然において、理屈と実践は車の両輪です。「理屈なき実践」は闇雲な行動に終わり、はしごの継ぎ足し(既存パラダイム内での改善)になりがち。「実践なき理屈」はどれほど素晴らしくても机上の空論・無意味に帰します。

両者は対立ではなく、相互に補強し合う関係として位置づけられます。そのためにも原則を基本に実践しましょう。これを「理論と実践の行ったり来たり」と言います。

パラダイムシフトの不可欠性と双方向性

近自然学の実践において強調されるのがパラダイムシフトの役割で、これは単方向ではありません。

近自然の実践にはパラダイムシフトが不可欠ですが、逆に近自然は我々のパラダイムシフトを強力にサポートしてくれます。この循環に入れるかどうかが成否の鍵を握るでしょう。

原理主義との峻別

近自然は「自然=善」という**自然主義的誤謬や原理主義とは明確に一線を画します。

  • 近自然は人間主体の思想であり、有用な自然は活用し、危険・不都合なものは採用しない

  • ただしご都合主義とも異なる:現在の利益のみでなく、子・孫の世代まで含む長期的・広域的視野を持つ

  • 善悪の固定的な二項対立を設けず、損得・直感・文脈によって柔軟に判断する

パラダイムシフトの実現:心理的メカニズム

他者を説得しようとする行為は、本人がまだ納得・腑落ちしていない証拠であると指摘できます(心理学的観点)。

  • 頭での理解(第一歩)と腑落ち(身体的・感覚的な納得)は別次元

  • 真に納得している人は他者を説得しようとせず、自然と行動が変わる

  • 実践の開始は「0か1か」ではなく、0.2程度から始める漸進的アプローチが有効

自律・責任・個人の多様性

近自然学は外部からの規範を押しつけないという点で、宗教や道徳とは異なります。

  • 「あなたはこうすべき」という指示を与えず、自分で考え、自分で選択肢、自分で責任を持つことを求める

  • 解釈は個人によって異なり得る(Aさんにとっては正しくても、Bさんにとって正しいとは限らない)

  • 他者に迷惑をかけない範囲で、選択の自由は最大限に保障される(迷惑をかけざるを得ない時は話し合い)

総括

近自然によるパラダイムシフトを、豊かさ・健康・幸せという成功のために活用しましょう。

近自然学は処方箋を与える体系ではなく、自分自身のパラダイムシフトを促し、その変容を自らの成功に結びつけるための思想的基盤として位置づけられます。


近自然学は、講義にして40時間超、大学の通年1科目分のボリュームがあります。この note のシリーズもだいぶ長くなってしまいましたが、これでも一部分、すなわちダイジェストです。

近自然学をもっと深く学びたい。実践してみたけれどもっとステップアップしたい。そんなニーズがありましたら気軽にお声がけください。特定のテーマに絞った内容ももちろん可能です。

近自然学の主催講座は奈良県明日香村で定期的に開催中です。お声がかかれば全国どこにでも伺います。公開講座は上記のWEBサイトか、Peatixをフォローいただければ最新情報を受け取ることができます。

お読みいただきありがとうございました。
皆様の豊かさと幸せと健康を祈念して。

2026.4.26 奈良県橿原市にて