手のひらの砂
ある日、雲の隙間から
白く澄んだ光が
すうっと降りてきた。
その光に包まれて
大きな両手が
何かを救うように
そっと差し出された。
困っている人
迷っている人
誰かの手を借りたい人たちが
両手で白い砂をすくうように
その大きな両手の中へ
そっと受け止められ
柔らかな
ぬくもりの中にいた

「ああ………
ここは心地いいなあ
やっとたどり着いた
ここなら安心できる」
手のひらに残った人たちは
大きな両手の中で
しっかりと
守られていた
けれど
その大きな両手のすき間から
白い砂が
さら
さら
…………
さら
さら
…………………
こぼれていった
「ねぇ、僕たちはどこへ行くの?」
「僕たちは守られないの」
「置いていかないで」
「どうして?
僕たちだけこぼれてしまったの」
それは、取りこぼされてしまった人
たちの声だった
指の隙間から
こぼれていく
白い砂を
私はただ美しいとは
思えずにいた
子供の 頃から
ずっと そう感じていた
あの砂の
一粒
一粒は
誰かの
痛みのよう
声にならなかった
小さな叫びのようにきこえて
その声を
私は
はるか 遠い昔から
ずっと
そうずっと
感じていたんだな
…………
………
私は
こぼれてしまったあなたを
暖かな光で
そっと くるみ
頬を寄せるように
抱きしめたい
忘れてなんかいないから
おちていくあなたを
ただ見ているだけではいたくない
だから
その下に
大きな器
を用意しよう
落ちてしまった
全ての砂を
受けとるために
取りこぼされてしまった
あなたの傷ついた心が
もう一度
柔らかく
潤うように
…………✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨
その時
空は静かに晴れ渡り
澄んだ光が
さぁっと差し込んできた
光は
遠くの景色の
すみずみまで照らし
世界は
さっきまでとは
違う色を
まとって静かに
輝き始めた…
落ちてきた
砂も
傷ついた心も
そっと 受けとめてくれた 🍀
そして、 私は
ようやく
ここからまた
歩いていける気がした…
幸せになれるよ
きっと

