読みたくなかった古本屋の漫画を読んだ日
起きれない。
いや、起きてもすぐ出れない。
年中無休、定休日がない。
もう限界だ。
古本屋はこうして、たまに休んでしまう。
予定があって休む日はある。
でも今日は違う。
ベッドでまどろんで、むにゃむにゃして、動けない。
気づけば2時。
臨時休業だ。
それならばと…慌てて外に出る。
ずっと食べたかったラーメンを初めて食べた。
1000円で食べ放題。3杯も食べてしまった。

それから高円寺唯一の本屋、ブックスオオトリへ。
久しぶりに書店で漫画を買った。
気になっていたが読んでいなかった。
むしろ深層心理で、避けていたというべきか。
なんと、古本屋の漫画なのだ。
見たいような、見たくないような。
自分がいる業界の話は、どうしても絶妙な気分になる。

もし読んでも、
ここで書くなら、褒めるしかない。
褒めれなかったら書かない。
それなら、読まない。
そんな子供みたいな心理の推移だ。
そして今、こうして書いている。
1巻の最後。
おそらく読み切りの原型なんだろう。
なるほど。
うーんと唸った。
人が変わる瞬間は「深くて重い一歩」だ。
つい、自分の独立開業を思い出しニヤニヤしてしまった。
全体的に余白がきれいで、
どこか大人の漫画だった。
静かな古本屋ネタで、話を書き続ける。
それはきっと、かなり大変だ。
そして第1巻から、
青木まりこが出てきた。
書店に行くとトイレに行きたくなる、あの現象。
インクの匂いなのか、紙の匂いなのか。
特にデパートの書店で、モゾモゾしてしまう。
不思議なものだ。
当店はトイレは貸していない。
というより、備品を置いたり貸せる状態ではない。
ある時、7時半を過ぎ、人も途切れて閉店作業もほぼ終わり。
電気を消そうとした、その時だった。
トイレからガチャ、と音がして人が出てきた。
耳を疑ったが、振り向くと無人のはずの店内に人がいた。
借ります、とも聞いていないし貸してない。
そもそもこの外観で、トイレだとわかるのか。

20代後半の男性に絞り出すように
「貸してないんですけど」と言うのが精一杯だった。
店主もパニックなのである。
「……あっ…はい…」
と絶妙になんとも言えない返答がくる。
もし電気を消していたら
店に閉じ込めていたかもしれない。
こんな個人店で勝手にトイレに見えないトイレを使う。
怖い。その心理が不気味だ
やりとり自体が恐怖なので言葉少なに退店を促した。
ルパン三世なら残った店内で金を強奪する展開だが、そんなものはない。
ここは古本屋だ。
トイレ話でそんなことを思い出した。
今どき、古本屋なんて成立していない。
だから来る人も、どこか成立していない人ばかりなのだ。
そして、この漫画を読むために入った喫茶店。
しばらくすると隣の席に来た人に声をかけられた。
よく見たら、店のお客さんのアメリカ人だった。
古本屋の漫画を、
古本屋の客でアメリカ人漫画家が隣にいる喫茶店で読む。

セレンディピティ。
偶然の出会いは商品だけじゃない。
ちょっとした出来事のために古本屋を続けている。
☆郵送着払い買取、寄贈や相談はお気軽に↓☆
❤のイイネ押すと画像メッセージか見れます。原動力なのでオシテネ><
ブックマートホームページ↓中野区 練馬区の古本 CD 玩具 出張買取
いいなと思ったら応援しよう!
本が消えていく現場にいます。
この変化を記録として残したい。
もし価値を感じたら、チップで応援してもらえると嬉しいです。