【創作大賞感想】『公務員の加賀美』
アルロン様の『公務員の加賀美』を拝読しました。
アルロン様を知ったのは昨年の創作大賞のときでした。アルロン様の「1話目の記事を読んで感想を書いてくださる」という素晴らしい企画に応募したことがきっかけでした。私が初めて「感想文」を頂けた機会になりました。
その時、奇遇にもアルロン様が新卒で公務員になられたことを知りました。この度そんな経歴をお持ちのアルロン様の小説を拝読することができ嬉しいです。
恵黒町を舞台に描かれた若き公務員のヒューマンドラマ小説です。読みやすくあっという間に目次17個並んでいる内、上から6個目まで読み進めていました。
新人職員として福祉課に配属された主人公。恵黒町保健福祉センターに勤務し働き始め早々、業務に追われます。それに加え4月中旬には恵黒町独自の給付措置・福祉特別給付金も開始しました。
5月になり少しは落ち着くかと思った矢先、理不尽な要求をする名物じいさんの来庁。
外部対応でも大変な中、組織内では主人公が福祉課全体の資料データをまとめて「提出」したというだけで福祉課全体としてデータのフォントサイズを統一して再提出するという依頼まで…。
頼みやすい、頼んだら良い感じにやってくれる、休日出勤もできそうと、一年も勤めていない主人公には各種依頼が集まります。
主人公はどの業務にも一生懸命ですが数字で評価されづらくそれ故評価が曖昧になりがちだったり、中には評価の対象にもされない業務も見受けられたりと心苦しくなりました。
そんなとき、主人公の周りには、大変さや理不尽さ、主人公の一生懸命さを分かってくれる人たちもいて良かったです。主人公の人柄のよさがそういう人たちを自然に呼び寄せているのかなとも思いました。
主人公が好きな戦隊ものの「スターグリーン」。私は戦隊シリーズに疎いのですがグリーンの良さに気づかれました。
全話を通して情景はもちろんのこと、どの登場人物も印象的で顔立ちや雰囲気まで頭の中に浮かんでくるようでした。展開も工夫されていて「え?!」「ん!?」と読み進めるところもありました。
舞台となっている2011年といえば私の住んでいたところでもガラケーからスマホへの移行期だったなと懐かしく思い出したりしました。
本当に素敵な作品をありがとうございました!
