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眠れない夜も生きていくために

はじめに

畑野智美さんの「宇宙の片すみで眠る方法」を読みました。畑野さんの本はいつも"大人"という苦味がブレンドされた読み心地で、歳を重ねるごとにその苦味が舌に合っていく気がしています。
今回は寝具店で働く、婚約者を事故で亡くした女性の物語でした。

眠れない日はありますか?

眠りは人が生きていく上で欠かせない大切なもの。本書によると江戸や明治の頃から寝具を専門とした店はあったといいます。
枕の寿命はどんなに高価なものでも3年、と言われてハッとしました。私の枕、買ったの10年近く前じゃない?枕、もう大分へたれて寝にくいなって感じてはいたんです。でも、自分のことは二の次、三の次で買い替えを検討することもなかった。

平均寿命は、男女ともに80歳を超えている。90歳や100歳まで身体を痛めず、健康に長く生きるためにも、寝具は大事だ。

本書に背中を押されて、まずは自分に合う枕を買おうと心に決めました。

役割に縛られてしまう不自由さ

さて、ひょんな偶然から再会を果たした彼との展開も気になりながら読み進めた本書でしたが、一番心に残ったのは無意識に役割を務めようとする人の性のようなものについて。
性別に限らず、「母親」「妻」とか、「教師」「医師」のような職業、「課長」「マネージャー」などの役職をはじめ、社会でいろんな役割を担いながら私たちは生きています。
自分の、そして相手の思うその役割に馴染むように振る舞うことがプラスに働く場合もあるけれど、その逆も少なくない。
私の場合は、女性だからか、妻だからか、母親だからか、ケアを役割として求められることが多くて、そこに苦しくなる。別にそんな役割担わなくていいと頭でわかっていてもなお、その役割を引き受けてしまう自分がいたりして。
人と生きる以上ついて回るこのテーマ、私にとっての最適解はまだ見つけられていません。

静かに満たされる何か

最近、あまり小説を読めないでいた。
そんな中で5時に起きて、子どもが起きるまでの約1時間をこの本を読む時間にしていました。それは、静かで日々心が何かで満たされる貴重な時間になりました。
白でも黒でもない。そういった事柄にもやもやしたり不満を感じたりする年齢を経て、むしろ何か許されているような心持ちになることに不思議さを覚えつつもしっくり肌に馴染む読み心地でした。

こんな方におすすめです

毎日一生懸命生きていて、すこし疲れてしまった方、失恋した方、婚活中の方、
そして眠れない方、
ぜひ静かな時間に浸っていってほしい。

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