NHK的サイバーパンク「電脳コイル」
聞けば、「響け!ユーフォニアム」第3期の放送はNHKみたいだね。
最近は「進撃の巨人」、「ラブライブ!スーパースター」、「弱虫ペダル」「TIGER&BUNNY」など、途中からNHKが割り込むようにしてシリーズを引き継ぐパターンが見受けられる。
確か、「オトナプリキュア」もNHKだったよね。
一番おいしいところ、がっつくよなぁ・・。
NHKとしても、「これからの時代はアニメに本腰を入れていかなきゃ」と本気で考えてるに違いない。

これまでNHKは、アニメに熱心なイメージはないまでも、ポイントだけはきっちり押さえてきたと思う。
たとえば、1978年の「未来少年コナン」。
「ナウシカ」でブレイクするより前に、NHKは宮崎駿を押さえてたんだ。
そして、1990年の「ふしぎの海のナディア」。
「エヴァンゲリオン」でブレイクするより前に、庵野秀明を押さえてたんだ。
90年代の魔法少女ブームには、1999年「カードキャプターさくら」で対応。
00年代以降の異世界ブームにもきちんと対応しており、2001年「十二国記」、2005年「今日からマ王」、2013年「ログホライズン」。
なんていうか、実にソツがない。
ただ対応が部分的にやや弱いかな?と感じたのが、サイバーパンク系みたいな、尖った分野かと。
まぁ、実はそこもカバーしてるんだけどね。
じゃ、今回はNHK的サイバーパンク作品を取り上げてみようと思う。
「電脳コイル」

これは有名だと思う。
文化庁メディア芸術祭優秀賞、東京アニメアワード優秀賞、日本SF大賞、星雲賞メディア部門賞などなど、あちこちで表彰されてるから。
この作品をまだ見たことない人は、まず第1話を見てくれ。
「!?」となるから(笑)。
とにかく、世界観が独特なんだよねぇ。
この作品の監督は磯光雄で、彼は宮崎駿、大友克洋、庵野秀明、押井守のビッグ4に惚れこまれたというレジェンド級のアニメーターである。
当然「攻殻」も携わってきたのでサイバーパンクにも精通してるんだろうが、まさかあんな昭和を感じさせる画になるとは・・。
「電脳コイル」の中で、「攻殻」でいう草薙素子的凄腕に該当するのは誰かというと、やはりメガ婆だろう。


草薙とメガ婆が戦ったらどっちが勝つかは分からんけど、メガ婆が年の功で一本取る可能性もなくはない。
彼女は電脳駄菓子屋「メガシ屋」店主で、コイル電脳探偵局の創設者。

いい顔してるよなぁ・・。
そう、この作品はユル系、脱力系のキャラが多いんだわ。
で、みんなメガネをかけている。
このメガネは「電脳メガネ」というヘッドマウントディスプレイで、これをつけてると通常の風景+拡張現実空間(AR)が見えるわけさ。

この世界観、そのものが凄いよな。
オトナは大してメガネに興味ないようだが、子供たちはほとんどがメガネに夢中。
そりゃそうだろ。
オトナはともかく、子供たちはこういうの大好きだよ。
だからこそ、メガネ関連のアイテムを扱ってるのは子供に特化した駄菓子屋なわけで、そこの店主が電脳分野のプロフェッショナルという設定も納得がいく設定だ。
「電脳コイル」見て、この町に住みたいと思った人は多いだろう。
というか、そう遠くない未来、ARの町はあちこちで実現される気もするが。

「電脳コイル」の面白いところは、電脳世界に付きものの「バグ」が重要な意味をもってるところだ。
普通バグといえば悪いイメージしかないが、加工次第では価値あるものにもなるという。
たとえばビームみたいな攻撃アイテムになったり、薬になったりもする。
そういや、今放送中のアニメ「シャングリラフロンティア」の主人公はクソゲー愛好者なんだが、彼がなぜクソゲーが好きかというと、ちゃんとしたゲームよりもバグがたくさんあるからなんだよね。
彼は、そのバグをうまく利用した必殺技を開発したりしてるわけで、そこは「電脳コイル」の世界観と同じである。
そう、電脳世界というのは開発者も想定しなかった裏技が発見され得る環境であり、そう考えると町そのものをAR空間にしてしまうのは少し怖いかも。

しかし物語の終盤は、AR空間ではなくVR空間、いわゆるフルダイブの話に移行していた。
ただし「SAO」みたくナーヴギアで脳を制御する形ではなくて、意識が肉体から分離する、電脳コイルという謎の現象を起こす形で。
この分離した意識とは、いうなれば霊体だろうか?
肉体は電脳空間に入れないが、霊体なら入れる。
人間の意識(霊体)とは、一種のプログラムということだね。
つまり、霊体の組成はプログラミング言語化できるってこと?
実は電脳世界とオカルトって、意外と親和性高いのかも。
そもそも心霊現象ってやつは、なんか空間のバグっぽいもんな・・。

あと、電脳空間だからAR世界にも当然コンピュータウィルスが出てくるわけです。
作中では、イリーガルと呼ばれている。
それが独自進化したのか、不思議な生命体となっている。


一番笑ったのは、そのイリーガルが人体に寄生して、ヒゲのようになってしまったパターンだ。


しかも、このイリーガルは知性があるのか、人の顔面を定住地にすると次は文明を築き始める。






という感じで、こういう壮大なエピソードもあるんだよね。
ちゃんと反戦メッセージもあり、こういうところはさすがNHK。
総じて、めちゃくちゃクオリティの高いSFだったと思う。
それにしても最終回、メガ婆かっこよかったなぁ。

私、サイバーパンク系では草薙素子に次ぐ第二位でメガ婆が好きなんだよね。
できればNHKにお願いしたいのは、スピンオフでメガ婆ヒロインのやつを1本作ってくれないだろうか。
「とある科学の超電磁砲」っぽい感じで、絶対ヒットすると思うんだけど?


