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日本人って、なぜ3DCGに馴染めないんでしょうね・・

現在、劇場版「鬼滅の刃/無限城編」が記録的大ヒットをしてることは皆さんもご存じだと思うが、ちなみに、歴代興収1位を記録した「無限列車編」がどれほどの興収だったかを知ってますか?
それは、これ↓↓です。

国内興行収入/404億円
世界興行収入/517億円


スゲーなぁ、と思うでしょ?

しかし、凄いのはあくまで日本国内での話。
<世界興収>という観点で見ると、ぶっちゃけ、517億という数値ぐらいでは歴代のTOP200にすら入れないのが現実なんです。
正直いってここ数年、海外では「鬼滅」なんぞ比較にならんほどのアニメの大ヒットが続出してるから・・。

ナタ/魔童の大暴れ(2025年)
世界興収3184億円

製作/中国

インサイドヘッド2(2024年)
世界興収2547億円

製作/アメリカ

アナと雪の女王2(2019年)
世界興収2175億円

製作/アメリカ

・・桁がひとつ違いますよね。
なお、「ナタ」「インサイドへッド2」は歴代世界興収TOP10入りしてます。

よく「日本アニメが世界を席巻!」と日本国内メディアは報じるんだけど、客観的な数値で見ると「世界を席巻!」というレベルではないことをまずはご理解ください。
何か、マスコミの報道が歪んでる気がするなぁ・・。
逆に、世界的には今年「ナタ」が大旋風を巻き起こしたというのに、日本のメディアはあまりこれを取り上げようとしないでしょ?

・・ま、まさかとは思うけど、今、日本は鎖国してるのか?

と言いたくなるほど、我が国はガラパゴスである(笑)。

さて、上記の世界興収上位のアニメをご覧になってお分かりのように、今は完全に【2Dアニメ<3Dアニメ】の時代である。
日本人はそう思ってなくとも、世界市場では絶対にそうなんだよ。

しかし、なぜか日本人は3DCGが嫌いである。


たまに3DCGアニメの秀作が出た際でも、
「あぁ、これ2Dで見たかったなぁ」
という意見が毎回といっていいほど出てくるんですよ。

・・じゃ、今回は「なぜ日本に3DCGがいまいち馴染まないのか?」ということをテーマに書いていきたいと思う。

まずこの件を語るには、「漫画」と「絵画」の違いから話を始めるべきかな。

「絵画」で描くヒトの顔

「漫画」で描くヒトの顔

同じ<画>でも、「絵画」と「漫画」じゃ全然違うんです。

「絵画」の方は、おそらく欧州の文化に端を発する学術体系だろう。
そのキモは、立体(3次元)を紙(2次元)に落とし込む作業である。

ここでは「写実的に」が基礎中の基礎。

ただ、日本古来の美術においてはこの基礎部分が欠落してるんだよね。

浮世絵

これ、どう考えても写実とは程遠いわ。
よく「江戸時代の人はこんな顔してた」と誤解してる人もいるけど、そんなわけねーだろ(笑)。
これは普通にデフォルメだってば。
技術としては「漫画」と同じ。

で、面白いのは浮世絵の顔の角度なんだよね。
ほとんどの場合が「ナナメからの角度」である。
こういうところが、いかにも「絵画」でなく「漫画」っぽいと思わない?
・・ほら、皆さんも子供の頃とか、漫画のひとつふたつは描いた経験があると思うけど、その際、最初は絶対といっていいほど「ナナメからの角度」の顔を描いたもんでしょ?

これ、何なんだろうね。
正面とか横顔は描かず、どうしてもナナメ45度ぐらいの角度の構図で描いてしまうクセみたいなやつ。
いや、それが一番描きやすいんだよ。
どうしてもこうなっちゃうのは、多分我々に「絵画」の基礎部分というべき<3次元を2次元に落とし込む>という発想が欠落してるからだろう。

最初から2次元を前提とした、「デザイン」として描いちゃうのよ。


よって、デザインとして最も均整のとれたナナメ45度顔しか描けなかったりするわけです(笑)。
きっと、昔の浮世絵師も模写ではない「デザイン」として、あれを描いてたんじゃないかなぁ・・。
3次元などひとまず忘れて、とにかく2次元の中のみでデザイン完成度を追求しちゃうわけね。

だけど、欧州の文化は違うのよ。
3次元というスタートラインは決して崩さず、たとえばミケランジェロの例もあるように、彫刻と絵画はワンセットだったりもするわけさ。

ポイントは、そこだよね。
だから、ディズニーは初の長編アニメ「白雪姫」でも、「ロトスコープ」という方法で、役者を使って実写映像をまず撮り、それをアニメーターが模写するという形のアニメ作りを始めたわけです。
それこそ「絵画」の基礎通り、<3次元を2次元に落とし込む>というやつだな。

で、この考え方は、そのまんま今の3DCGアニメに踏襲されている。
そもそも3DCGとは、3次元モデルをPC内で構築するところから全てが始まるんだから。

一方日本の「漫画」は、その3次元というものを敢えて無視したニュアンスもあり、その部分において最も分かりやすいのがキャラの髪型でしょうね。

そう、皆さんもずっと疑問に思ってたはずだ。

こいつらって、3次元的には一体どういう髪型しとんねん?って・・


多分、昔は手塚先生を筆頭に「漫画なんだから、3次元は別に考えなくてもいいじゃん?」という大ざっぱな発想だったんだと思う。
その当時、まだ3DCGなんてものは無かったからね。
フィギュアも無かった(いや、あったのかな・・?)。

でも今はもうそんな雑な思考ではアニメを作れない時代である。

そう、世界の潮流としてはソフトを使用してキャラデザする時代なんだよ。

ちなみにだが、3DCGアニメ「STANDBYMEドラえもん」において、スネ夫のヘアスタイルはこのように表現されてました↓↓

なんか、藤子不二雄先生のデザインと違ってる気がするんだが・・。

なお、3DCGアニメ「アトム」はこんな感じ↓↓ですね。

うむ、やはり違和感ある・・。

また、これは3DCGアニメではないんだけど「あしたのジョー」の立体表現はこんな感じになっております↓↓

どのキャラも、正面からのビジュアルが結構きついな~。

多分、そのへんは描いた漫画家自身、およびアニメ関係者は百も承知だっただろう。
いや、だからこそ、迂闊に3DCGの領域には踏み込めなかったのよ。
日本のアニメは2Dだからこそ、原作の立体における矛盾をうまく隠しながらキャラを動かせてきたわけで・・。
あるいは、そこが日本のCG普及を阻んだ一因かもね(笑)。

とはいえ、今はコスプレの時代。
もはや、3次元ヌキでは漫画もアニメも語れない時代である。

で、最近の日本アニメ界の落としどころとしては、

「できるだけ2Dに見える3DCGアニメ」


という結構メンドくさいことをやろうとしてるのが伺えるよね。

多分、そのへんを最も意識してやってるの3DCG制作会社が「サンジゲン」だろう。

サンジゲン作品「Reサイボーグ009」

サンジゲンが作った「Reサイボーグ009」は、結構ややこしい島村ジョーの髪型を実にうまいこと自然に3DCG表現をできてたように思う。

もともと、この会社は少し特殊で、コマ打ちはフルアニメーションではなくリミテッドアニメーション仕様、主に3コマ打ち(1秒間8フレーム)の方を志向してるらしいのね。
「最新技術を使いつつも、オールドスタイルの匂いを守る」という少し矛盾した作りともいえるかな?

また、それとは少し違う方法論をとってるのが東映アニメーション
彼らは基本、世界規格の1コマ打ち(1秒間24フレーム)のアニメーションで制作しつつ、モーションの加工でそれを3コマ打ちっぽく(また2Dっぽく)見えるようにしてるという、これまた結構メンドくさいことをやってるのよ・・(笑)。

で、このサンジゲンと東映アニメーションのニュアンスの違いを楽しめるのが、これら作品である↓↓

サンジゲン「BANG DREAM!」

東映アニメーション「GIRLS BAND CRY」

・・なんとなく、このふたつのアニメーションの違い、分かります?
かなり微妙なセンなんだが、同じ3DCGアニメながらも全く違うアプローチで作られてるのよ。
興味のある方は、このふたつをじっくり見比べてみてください。
どっちが今後日本アニメ界の主流になるのか、まだ今のところは全く分かりません。

まぁ、サンジゲンにせよ東映アニメーションにせよ、共通してるのは
日本人は3DCGアニメが嫌い
というネガティブな前提から入ってるんだよね(笑)。

それならわざわざ3DCGで作るなや!とツッコみたい人も多分いるでしょうけど、でもね、3DCGの利点って縦横無尽なカメラワーク等、実はたくさんあるんですよ。
あと近い将来、ソフトの進化からコスト面でも3DCGの方が圧倒的な優位になっていくんじゃないかなぁ?

・・そう、「日本人は嫌うから作りません」とか悠長なことを言ってたら、そのうち取り返しのつかないところにまで追い込まれます

でも「クレヨンしんちゃん」の3DCGのやつ見たら

「あぁ、いつものやつの方がいいなぁ・・」

と思ってしまったのも事実である。


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