銅剣銅矛文化圏の復讐、銅鐸文化圏の沈黙
神武天皇がヤマトに政権を樹立して以降、代々天皇は関西を拠点とし続けた。
関西の中でも奈良・大阪・滋賀・京都と色々場所を移すんだが、それでも関西という枠組みから出ることはなかったよね。
よっぽど便利のいい場所だったんだろう。
交易を考えれば九州の立地も悪くないんだが、それでもここは最大の脅威である中国の侵略に対して最前線すぎる。
その点関西なら、仮に中国が攻めてきても関門海峡さえ閉めてしまえば瀬戸内海ルートを遮断できるので、九州よりは安心。
とはいえ、現実に元寇が2度あったよね。
この時は鎌倉幕府が頑張って九州沿岸でせき止めてくれて、本当に助かった。
白村江の時は中国にボロ負けしたが、もしこの時も負けていればシャレにならん度でいうと白村江の比ではなかったはず。
元の危険度は、唐の比ではない。
彼らは征服した土地で殺戮とレイプをする類いの騎馬民族である。
実際、チンギスハンがいた頃の元は東欧に至るまでのユーラシア大陸をほぼ征服してたわけで、その名残として今でもロシア人なのに妙に東洋人っぽいのがたまにいるんだけど、それらも大体は昔チンギスハンにレイプされてできた子供の末裔だってね。
そういう「チンギスハンの子孫」は現代に1600万人もいるらしい。
どんだけ絶倫だよ。
幸い、元寇の時に彼はいなかったんだが、それでも征服されてたらどんなことになってたか、考えただけでも恐ろしい。
日本人がみんな朝青龍化しなくて良かった・・・。

基本、九州およびその周辺の沿岸は、立地の宿命として軍事的に強くなければいけない。
考古学で見ても、古代からそうなんだ。
・九州・出雲=銅剣銅矛文化圏⇒軍事
・関西=銅鐸文化圏⇒文化
文化都市である関西は、銅鐸を作っていた。
銅鐸のことはまだよく分かってないけど、おそらく何かの儀式に使う楽器だったのではないかという説がある。
だとすりゃ、逆に凄いなと思って。
だってさ、この時代の日本で最も貴重だった金属・青銅を使って何を作ろうか考えた時、普通なら食べていく為の農作業の道具か、あるいは敵の襲撃があった時に戦っていく為の武器か、そのどっちかの二択でしょ。
だけど関西はそのどっちでもなく、敢えて生存に最も関係ない楽器なんかを作っちゃったわけよね。
この時代で既に、関西は貴族的・公家的な性格をもっている。
一方、何の腹の足しにもならん銅鐸など無視し、銅剣銅矛をコツコツ作ってた九州・出雲は武骨である。
この武骨さをもって、千数百年後に九州は薩摩藩、出雲は長州藩と名を変えて薩長軍となり、やがて「東征」することになる。
そして彼らは江戸幕府に「国譲り」をさせ、今度は関東を拠点に銅剣銅矛文化圏を再構築するわけよね。
千数百年経って日本神話が再び動き始めたというべきか、非常によくできた流れさ。
つけ加えると、明治政府で征韓論を唱えた西郷隆盛は「三韓討伐」の神功皇后のキャストである。
やがて神功皇后は義理の息子たちと戦うことになるんだが、これまた西南戦争と酷似している。
このシナリオ書いた人、まさに天才だね。

さて、この流れで少し気になるのは関西、銅鐸文化圏のことである。
明治維新をもって天皇は関西から関東へと拠点を移し、いわば銅鐸文化圏としての関西は役割を終えた、ということになるのかな。
なんせ国を仕切ってるのが銅剣銅矛文化圏のやつらだから、何の腹の足しにもならん銅鐸など不必要だと判断したんだろう。
彼らが作った国のスローガンは、「富国強兵」「殖産興業」。
なんとも質実剛健。
彼らは明治維新=大化の改新と定義付けていたのか、やがて中大兄皇子っぽいスタンスをとるようになっていく。
1894年、日清戦争開戦。
これはいわば、白村江の戦いの再現だろう。
あの時、中大兄皇子に未曾有の屈辱を味わせてくれた中国に対する千年ぶりの復讐なんだ。
結果はご存じの通り、日本の勝利である。
これをもって朝鮮半島を中国の冊封から解放し、事実上、半島を日本の支配下に入れたんだよね。
「三韓征伐」は、この時をもって完成したといえよう。
ちなみに、明治政府が一番最初に作った紙幣の肖像が誰かというと、これが他でもない、「三韓征伐」の神功皇后である・・・。

銅剣銅矛文化圏と銅鐸文化圏。
脳科学者の養老孟司氏にいわせると、こういう国の二極化は当たり前のことなんだそうだ。
大脳を持つ人間がコミュニティを形成する以上、必ずそのコミュニティには右脳的性格と左脳的性格ができあがるものなんだ、と。
だから大体の国において、右脳的都市圏と左脳的都市圏ができあがるものらしい。
【右脳】
<直感的思考>
・イメージ
・芸術性
・創造性
・ひらめき
・空間認識
【左脳】
<論理的思考>
・言語
・計算
・記憶
・分析
・数学
このイメージからすると、日本は【銅剣銅矛文化圏=左脳】【銅鐸文化圏=右脳】といったとことだろうか。
思えば、こういう日本の二極化のみならず、米国でも東海岸と西海岸、韓国でも全羅道と慶尚道、もっといえば地球単位でも東洋と西洋、それら全てが右脳・左脳の機能に分割されてるように思う。
なるほど、人間を一個の脳細胞だと仮定し、それら細胞を全部ニューロンで繋げばひとつの巨大な大脳ができちゃう、という理屈か。
なんか、分かるような気がするなぁ。
しかし銅剣銅矛からすれば、「銅鐸なんて必要ない」という思いもあるだろう。
軍事力と政治力と経済力さえあれば国家は回るでしょ、という理屈だ。
まぁそれも分からんでもないんだが、でも人は右脳の機能が落ちると「相手の気持ちが理解できなくなる」「頑固になる」「応用がきかなくなる」など、かなりの弊害が出るものらしいよ。
ああ見えて案外、右脳は大事なのさ。
そこを大事にしなかった結果が、私が思うに大日本帝国が太平洋戦争という最悪な事態にまで至った悲劇だったんじゃないかな?
あの時代、国家総動員で皆が必死に零戦とか戦艦大和とかを造ってたんだろうけど、敢えて関西だけは銅鐸を造るべきだったと思うんだよね。
時代の空気として誰ひとりボケないんだから、そこは関西がボケるしかないじゃない?
そういうのがあってこそ、私は本来の日本の機能だと思う。

