「Fate」新作、「strangeFake」は期待できるのか?
来月からテレビアニメとして「Fate/strangeFake」が始まるという。
これは楽しみですよね。

制作は、いまやアニメ界最強といって過言ではないアニプレックスの中枢であるA-1Pictures。
原作者は、なんと成田良悟じゃないか!

成田先生といえば「デュラララ!!」「バッカーノ!」「デッドマウントデスプレイ」など、これまで数々の傑作を輩出してきた<群像劇の達人>。
その<群像劇の達人>が、当代人気随一の群像劇「Fate」シリーズの新作を手掛けるというんだから、これが傑作にならん可能性はほぼゼロだといっていいだろう。
2023年放送「Fate/strangeFake-Whisper of Dawn-」

ちなみに、この「Fate/strangeFake」シリーズはまず第1弾として、2023年夏に小1時間ほどのテレビアニメ特別編をリリースしている。
今思うと、これが「第1話」だったんだろう。
だが第1話だけ放送し、その後何年も放置してたことの意味は分からん(笑)。
約2年半の空白期間か・・。
私が考える、この約2年半の空白期間の意味するところは、多分だが
「ちゃんと予習しとけよ!」

という制作側のメッセージであり、つまり我々視聴者に与えられた猶予期間みたいなものだったのではないか、と。
というのも、第1話を見た人はよくお分かりだと思うが、もう最初からわけ分からん展開なのよ(笑)。
一応、これは「Fate」の本丸である<聖杯戦争>の物語のようだが、それにしてはあまりにも設定が変化球というか、かなり「Fate」マニア向けすぎるんですよ。
「Fate」初見です、という人が見たら「???」となりそう・・
そりゃそうさ、これはマニアにですら難易度高めの「応用編」だからね。
・・いや、だからこそTYPE-MOONは、我々にちゃんと「Fate」を勉強する時間の猶予(約2年半)を敢えて与えてくれたんだろうけどさ。
<「strangeFake」視聴前に見とくべき作品>

まず「Fate」というのは<聖杯戦争>を描く物語ですから、<聖杯戦争>とは何ぞや?というところから入らなきゃならんので、その為には原典である「Fate/staynight」シリーズから入らないといけません。
それは3つのシリーズがあるんですが、
①「Fate/staynight」(2005年)

②「Fate/staynight UnlimitedBradeWorks」(2015年)

③「Fate/staynight HevensFeel」(2017年~)劇場版3作品

以上、この3シリーズは
①⇒初級編
②⇒中級編
③⇒上級編
といったところになってます。
「strangeFake」の予習としてはまず<聖杯戦争>の把握が最優先である為、ここで見るべきは①or②のどちらかでしょう(③は過剰な変化球なので除外)。
面白いのは圧倒的に②なんだが、<聖杯戦争>の仕組みの把握としては①の方がいいような気がする。
大きなヒネリがなく、シンプルな作劇だし・・。
「Fate/Zero」(2011年)

で、「staynight」を見終えたら、次に見るべきは「Zero」ですね。
「staynight」は第5次聖杯戦争、「Zero」は第4次聖杯戦争。
そして、「strangeFake」はおそらく第6次聖杯戦争。
この「strangeFake」第1話に出てきたロードエルメロイⅡ世なる人物は

「Zero」における主要人物、ウェイバーベルベットのことなんですわ。

老けたよなぁ・・

まぁ、このロードエルメロイⅡ世は「staynight」遠坂凛の師匠になる人物でもあり、「Fate」の中では色々な意味で欠かせない人物です。
で、「Zero」を見た後に見るべきはこれ↓↓
「ロードエルメロイⅡ世の事件簿」(2019年)

この作品で注目すべき人物はロードエルメロイその人以上に、彼の教え子であるフラット・エスカルドスだね。
彼は「strangeFake」第1話にて、バーサーカーのマスターとして確定しました!

彼は凄い天才魔術師なんだが、非常に無邪気な性格の子だけに今後の展開が心配ではある・・。
できれば死んでほしくないキャラだなぁ(聖杯戦争って、それはほぼ不可能なんだけど)。
で、「ロードエルメロイⅡ世」の後に見るべきは「Fate/GrandOrder」だね。
「Fate/GrandOrder-FirstOrder-」(2016年)

「Fate/GrandOrder絶対魔獣戦線バビロニア」(2019年)

この「GrandOrder」は遠い遠い未来、人類が絶滅しかかってる時代のお話。
この時代には魔術も進化しており、英霊を召喚するんじゃなくタイムリープして英霊となった人物の時代に行き、直接絡むような作劇になっています。
で、絶対に見ていただきたいのが、「絶対魔獣戦線バビロニア」の方だね。なぜならこれに出てきたギルガメッシュ、エルキドゥという2人のキャラの因縁が、今度の「strangeFake」でもドラマの中軸になるからなんだよ。


この御二人はほとんど神様だから、「Fate」シリーズに出てくる英霊の中でも確実に最強クラス。
そう簡単には敗退しない人たちです。


はい、以上の「Fate」作品を見ておけば、「strangeFake」の予習としてはもう十分でしょう。
そして、これらの「Fate」視聴で我々が最も押さえておくべきポイントは
聖杯戦争参加者は皆、大体アタマがイカれてる

ということなんですね。
これは「Fate」生みの親、奈須きのこ先生が考案した重要な基本設定で、
魔術師たちの共通目標は「根源の渦」(全智)への到達であり、その目標達成の為ならばどれほど人を殺してもOK、どれほど倫理から外れてもOK、という特殊な世界観なんです。

当然、この聖杯戦争の凄惨さ、残酷さにもそのへんの価値観が密接に絡んでおり、この聖杯が願いをかなえる願望器とはいえ、「ドラゴンボールを全部集めれば何でも願い事が1つかなう」みたいな牧歌的なものとは似て非なるものなんですよ。
じゃ、その「根源の渦」とは一体何なのかといえば実のところハッキリしておらず、きっとアカシックレコード的な人類未到達の領域のことだろうが、そもそも人類がこの世に誕生したことの目的そのものが、この「根源」への到達の為だ、という解釈なんでしょうね。
仮にそうであるならば、たとえ人類を絶滅させても「根源」到達の方を優先させなければならない、というのが魔術師の基本思想。
ちょっとイカれとるやろ・・と皆さん感じるだろうが、実はこの考え方って現実世界でもディープな宗教家たちの中で割とありがちなんだよね・・。

それでは、まだ余力がある人の為に、最後は「Fate」の元ネタ作品のご紹介をしておきましょう。
「Fate」の元ネタって、実はこれ↓↓なんですよ。
「魔界転生」著/山田風太郎

映像として見るなら、やはりダントツでこれ↓↓
「魔界転生」監督/深作欣二(1981年)

はい、角川映画のやつですね。
今改めて見ても、天草四郎と細川ガラシャ夫人の妖艶さが凄い!

千葉真一演じる、柳生十兵衛がカッコいい!

でも、ラストが「マジンガーZ」のパロディでしたよね(笑)


もともと山田風太郎先生は伝奇の名手で、アニメファンなら「バジリスク」の原作者だといった方がピンとくるかもしれません。


「魔界転生」は「Fate」の英霊召喚の概念にやや近く、プロットの基本は「ドリームマッチ」である。
宮本武蔵vs柳生十兵衛
柳生宗矩vs宝蔵院胤舜
柳生十兵衛vs柳生宗矩

といった、歴史上実現しなかった夢の対決が描かれている。
こういう系は、男のロマンなんですよね。
今でも「バキ」や「終末のワルキューレ」で全く同系統のことやってるんだが、山田風太郎先生の場合はこれを1964年の時点で執筆してるんだし、このジャンルの草分け的存在といっていいだろう。
・・で、「Fate」の奈須きのこ先生は、この「魔界転生」からの影響を率直に公認なさっています。
というより、奈須先生が公認なさっている「Fate」の源流は主に次の3つ。
①「魔界転生」(石川賢コミカライズ)

②「獣兵衛忍風帖」

③「少女革命ウテナ」

なるほど。
なんか、奈須先生の趣味嗜好がとてもよく分かります。
シンプルな決闘の構図と、淫靡なエロさが好きなんですね?
そうなんだよなぁ、山田風太郎作品って映像化されてるものの半分ぐらいがちょっとエロい感じなんですよ。
いまだ私の中では
山田風太郎作品=そっち系のコンテンツ

というイメージが根強くあります・・(笑)。
で、そういう風太郎イズムを正統に受け継いだ奈須先生ですから
当初「Fate」は18禁コンテンツとしてデビューしました!

そこを思うと、歳月を経てよくぞここまで国民的コンテンツに成長したものです。
とはいえ、いまだ私は
「Fate 」シリーズ本来の魅力って、こういうコドモには見せたくない独特の空気感だと思うんですよね・・

だから今度の「strangeFake」も、ガンガン攻めていってもらいたい。


遠慮せず、今回もグッチャグッチャ系を宜しくお願いします!


