嵌まる器具の 型を間違えるわ 〜やらかしの記録 ⑧
「これ、大きさ違わないですか?」
お客さんの要望に合わせるときに、既製品ポン付けでうまくいかない時は、図面を描いて部品を組み合わせ、造作してちょっと難しいことをすることもある。
そんなとき、朝イチでそれらを組み立てる前に、関係する職人と顔を突き合わせて打ち合わせをするのだが。何かうまくいかないなあ、と全員の顔にハテナマークが浮かんだときに、大工より厳かにその宣告がなされたのだった。
よく見ると、図面のカウンター置き手洗器の品番、L725。

見積のそれはしかし、L724。

そして、現場にて開封され鎮座するそれはL724、小さいタイプなのだった。
形も似ているのだ、前から見る限り。
ただ後者の方が一回り小さく、そして背の方が垂直で、仕上げの釉薬がない。つまり、壁付けに設置する必要がある。ただし、壁から離してつけても、たぶん通常利用しているのであれば、鏡の位置も高いしそのウラが見える事は無い。サイズが小さくて使い勝手が悪く、微妙に格好悪いだけで。
でも、契約図面と、お客さんへの説明は大きい方でやっている。やらかした。
そして現場のカウンターは、すでに図面通りに大きいものに合わせて作られて(というより作った)、カウンターに給水管の穴を開けるだけになっている。

また使い勝手も、図面の大きいものの方が良いはず。取り付け位置が手前になるし、水跳ねもカバーできるし。
ここで取り得る選択肢は2つ。
図面にあった大きいものを取り寄せるか、見積通り小さいものを取り付けるか。
状況によっては、お客さんに話して後者を取る業者さんもいるかもしれない。工期の制約があったりする場合は特に。
でも、こちらは個人住宅のトイレである。手洗器が数日遅れても、そこまで生きるには困らない。たぶん。
腹は決まる。
今日の自分の日当、それを勉強代にすると。
自営業、そこの判断は早いのだ。
そこから数分が、現場監督の腕の見せ所である。今日が平日であることを安堵しつつ、すかさず住設問屋さんに連絡。
事態を正直に話し、大きい品番のものを急ぎオーダーしたい旨告げる。
気の利いた担当さんが、それら手洗器の接続部をチェックして、排水セットのうち器具違いでも使える部分は省き、座板のみ合わせて発注が必要なことを教えてくれる。感謝しつつ、それも追加オーダー。と同時に納期の連絡をもらえるようお願いする。
そして、その納期をもとに据え付ける設備担当のスケジュールを確認し、今日は便器据付だけの仕事にして、手洗器設置は後日に調整。
お客さまにも恥を忍んで事情をつまびらかにする。出来上がるものは図面の大きい形のものになること、契約金額は変わらないこと、取り付けのみ、後日になることを話し、幸いご了解いただく。
これでひとまず交通整理が終わる。現場は動き出し、後は大きい手洗器がつく未来に歩みを進めるまで、である。

そして、反省タイム。
自身のもともとの注意力散漫は置いておいて、この数年、ときおり数字の読み間違いをすることがあった。特に、市役所への申請書類で、見積書の額面と申請書の額面が違うという指摘を受けたこと、複数回。申請書類の金額のところは訂正を許してくれない役所が多いので、泣く泣くお客さんに事情を話して差し替え書類を取りに行ったりしたことも、ある。
お察しの方もいるかもしれない。典型的な老眼である。今回も、読み間違い、取り違えにその影響があったと思われる節は、ある。
もともと近視(かつ片目に乱視)があるために、老眼鏡を使いたくなる場面では、眼鏡を外すと少し見えたりする。なので、普段はおでこに眼鏡をずらしている場面が増えつつある。
でもそれ中途半端なんですよ。車の運転は眼鏡必須だし、かといって打ち合わせ時に老眼鏡を持ち歩くほどではなく。遠近両用というものもあるけれど、視線の位置によって曲率が変わるレンズは、それはそれで使いにくそうという気持ちがあるのと、レンズがお高そうなので、まだ手出しできずにいる。
そんなわけで、これから進行するかもしれない老眼対策を、どのていどやったらいいのか、いまだに答えは出ていない。文字や数字は読み間違うという前提に立って、チェックをする意識は増えたと思う。でも、本質的にそれは対策でない、と自分ではわかってもいる。
転ばないように気をつけるから大丈夫よ、という利用者さんの気持ちがわかる瞬間でもある。

出来ることなら身体の衰えは、意識以外のところでカバーしたいのだ。でも、それが全てにおいて出来るというわけでもない。
身体の衰えを適度に諦める、ということも必要なのだろうなあ、と感じることが増えてきた、50代おじなのであった。
タイトルはこの方のあの歌よりネタ拝借、そしてこちらを本日の主題歌に。こちらはズバリ老眼がテーマの歌なのですが、それでも虫眼鏡越しのニヤケ顔が相変わらずお可愛らしいYUKI姉さんなのでした。
※ 余談
なお、身体が変わってきたのは、眼球だけではありません。
最近ふたたび体重増加はおろか、血圧までが看過できないことになってきたので(上160の下100を超えてきた)、そちらは精神論や節制ではなく、物理的に対処することにしましたよ。まだ自分の身体を、美味しくメイラード反応させるわけにはいかないのだ。
開幕前だというのに、万博の例のリングが紡いだ縁で最近愛読中の、jullias suzzyさんご推薦のコチラ。コエンザイムQ10をはじめとするサプリによる、ミトコンドリア頑張れ超頑張れ作戦。要は基礎代謝アゲアゲで燃費を悪くして、ガンガン糖を燃やしてしまえ、ということですね。なんと魅力的な。
4月アタマから開始して、まだ体感的には変わりませんが、節制ゼロでどこまで変わるか、まずは人体実験です。カプセル摂取、頑張るぞ、と。
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