てのひらサイズのしあわせ。選ぶ、守る、食べ切る。ブロッコリーへの感謝状
夕飯の食卓。わが家で一番最初に箸をつけるのは、ご飯でも味噌汁でもなく、山盛りの生野菜とブロッコリー。
365日、ブロッコリーが欠かせない。
二、三日でひとつを食べ切るので、計算すると年間にしておおよそ百二十個。積み重ねたところを想像すると圧巻の緑のピラミッドか、クリスマスツリーができるかも。
生野菜には市販のドレッシングは使わず、娘はアマニオイルと塩で、主人と私はそこにバルサミコ酢をプラス。野菜を最初に食べることで血糖値の急上昇を抑える知恵を借りながら、まずはモグモグよく噛んでその力強い繊維を味わう。
毎日食べているから、四六時中、体のどこかしらにはブロッコリーがいることになる。間違いなく家族全員の身体の一部になっている。ありがたいな。
今日はそんなブロッコリー愛を語る話。
実はブロッコリー、この2026年4月から国の「特定野菜」から「指定野菜」へと格上げされた。 国民生活に欠かせない、国が認めた重要野菜の仲間入りを果たしたのだ。ビタミンやミネラルはもちろん、野菜には珍しくタンパク質まで豊富に含まれているというから、まさに栄養の宝庫の名にふさわしい。
でも、何を隠そう、国が認めるずっと前から、わが家では指定野菜の中でも主役級の存在だった。
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ブロッコリーへの愛と生産者の方々への敬意を込めて、私は「選ぶ・守る・食べ切る」の三つを大切にしている。
まずは、選ぶ。
・濃い緑色で、蕾がぎっしりと詰まっている
・中央がこんもり盛り上がっている
・切り口が白くてみずみずしい
・黄色い花が咲き始めたものや、茎に空洞があるものは鮮度が落ちている証拠
次に、守る。
高い栄養価を守るために洗い方にも注意が必要。表面のブルームが水を弾いてしまうため上から水を流すと汚れが落ちず、逆につぼみの奥に虫や汚れが入り込み、大事な栄養も流出してしまう。正しい洗い方は。ボウルに水を張り、房を下にして10〜15分浸して振り洗い。
保存は、濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて茎を下にして立てて冷蔵庫へ。この一手間が鮮度と栄養を落とさないコツ。この一手間が美味しさを左右する。
そして、食べ切る。
蕾はもちろん、茎も残さずいただく。皮を剥いて、甘みの詰まった芯の部分を味わうとき、命を無駄なく使い切る心地よさを感じる。心なしか、茎のほうが味の濃さを感じることも多い。
娘に言わせるとブロッコリーにマヨネーズは邪道だという(人それぞれ好みの問題だけれど)。マヨネーズのコクがブロッコリーの食感と味を奪ってしまうから。
振り返れば、娘の中高時代のお弁当にも、ブロッコリーは欠かせなかった。 プチトマト、チーズ入りのちくわと並んでおかずの「鉄板三銃士」。運動が苦手な娘が、風邪ひとつ引かずに健康でいられるのは、この緑のつぼみたちが彼女の身体を支えてくれたからかもしれない。
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ブロッコリーの家庭栽培はハードルが高いけれど、ブロッコリースプラウトを育てるという密かな野望も抱いている。一粒の種から始まる命を、自分の手でつむいでみたい。
良いものを選び、慈しみ、最後の一片まで無駄なくいただく。 そんな当たり前の繰り返しが、家族の健やかな明日をつないでいく。
「今日も、おいしかったね」
きれいに食べ切ったお皿を洗いながら、私の心はしんと静かに満たされている。高価なサプリメントより、外食のご馳走より、私にはこの緑の一皿が一番しっくりくる。もしかしたら、わが家のしあわせは、この山盛りのブロッコリーの中にあるのかもしれない。
