「聴く」ことで見えた18歳の本音
前職で、高校3年生を連続で担任した時期がありました。進路相談、入試の面接練習で、傾聴をしながらフィードバックをすると生徒は自分の思考に集中していきます。誰かに聴いてもらうことで頭の中が整理されます。そして自分が目指す将来の姿や学びたいことを言語化していくにつれ、彼女たちの表情は生き生きしていくのです!
大切な対話の時間。忘れられないエピソード
総合型選抜(旧AO入試)の準備で面接練習をしていた時のこと。
彼女にはある専門職に就くという夢がありました。責任感と正義感が強く、体育系の部活で部長として頑張り、提出された志望理由書はよくまとまっています。
ですが、いざ面接練習を始めると、
「志望理由を教えてください」に対する彼女の回答が
なんだかしっくりこない。
彼女が発する言葉に思いが乗っていない感じがするのです。
目に力が宿っていない。彼女から湧き上がってくるエネルギーがあるはずなのに、ない。言葉と彼女自身が一致していませんでした。
私が受け取った感覚をそのまま彼女に返しました。
「え?そうですか?」と、困った様子でした。
2回目の面接練習。
やはり、違和感が残ります。
3回目の面接練習。
変化なし・・・。
「本当になりたいんだよね?!」と確認すると、
今度はしばらく黙って、それから彼女は涙を浮かべました。
そして、彼女の口から出てきた言葉は思いもよらないものでした。
彼女が本当にやりたかったことは、全く別の職種だったのです。
お母様のお仕事を小さい頃から憧れており、自分もいつか同じ職に就くと言ってきた。お母様もそれを喜んでくれていた。
けれど、高3になってとある経験をしてから別の専門職に興味が出た。
調べて実際に現場まで話しを聞きに行った。強く惹かれるものがあったけれど、時期的にもう遅いし母親にも遠慮して諦めていたと言うのです。
2つの職種は確かに異なりますが、彼女の中には一貫した思いがあり、本当の志望理由はとてもしっくりくるものでした。
11月。「本当の」第一志望の大学の受験にはぎりぎり間に合う。
その日中に家族に自分の本音を伝え、お母様も彼女に理解を示され、そこからすぐに方向転換をしました。
4回目の面接練習は、見違えるほど良くなっていました。
そして大学も見事合格。言葉と思いと行動が一致し、彼女は力強く自分の道を歩んでいます。
このエピソードが教えてくれた2つのこと
1)思い込みから自由になる
幼少期に繰り返し体験したことは、無意識に深く刻まれ、自分にとってそれが当たり前になることがある。でもその思い込みに気づけたら、そこから自由になれるのです。
本音を言ったら母親を傷つけてしまうかもしれない、と思ったのは彼女の優しさ。でもその不安を乗り越え、本音を伝える強さを持てたのは、目指すものが見えたからだと思います。
2)聴くことで見えてくる
ご家庭でどのような会話がなされたかは分かりません。ただ、4回目の面接練習での彼女の霧が晴れたような表情を私は忘れられません。
一番応援してもらいたいお母様に話を聴いてもらい、背中を押してもらえた。安心したよね〜!!本当に、良かった。
耳から入ってくる情報だけが全てではない。
きっと誰もがそのように感じた経験があると思います。
そしてその認識が私たちの五感を鋭くします。
五感を使って聴くことに集中すると、言語外の情報が入ってきます。
表情は?
声のトーンは?
姿勢は?
エネルギーは?
その人という存在から聴こえてくるものは?
このように書くとおかしなことを言っているように聞こえるかも知れませんが、
相手のことを理解したいと思ったら、実際に耳に入る言葉以上に、言語外から受け取る情報の方が価値がある。
そのために、自分の先入観や思い込み、価値観はいったん横に置いてみる。
「聴く」とは、相手の存在そのものを受容することなのですね。
✨✨✨Question✨✨✨
聴くことでどんなことが見えてきそうですか?
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最後まで読んでくださりありがとうございます。
心の声を聴いてみよう、って思っていただけたら嬉しいです!
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