クリスマスメロディ(毎週ショートショートnote)
「せんせ、わたしらなんて呼ばれているか知ってる? カラスやでカラス。また黒一色の制服で演奏やなんて嫌やで」
「わかった、わかった。髪の毛を染めたり、奇抜な衣装で演奏しないのなら許可しよう」
「やった!」
場所は高校近くの古い商店街。美術部員がクリスマスツリーの製作に携わっていると耳にしていた商店街。
打ち合わせを兼ねて顧問と共にその商店街におもむき、演奏日時と場所の確認、演奏曲を決め、
「そうそう、クリスマスやから、これをみんなで着てもらおうかなっと……」
「……カラスと呼ばれられないのはいいけどさぁ~」
「定番と言えば定番だよね~」
サンタにトナカイ。ラメを散りばめたマニキュアが、せめてものアクセント。
「一曲目が終わったら、クリスマスツリーに点灯するから」
そう打ち合わせの時にそう聞いていた。
一曲目を弾き終わり、打ち合わせどおりにツリーに点灯。その煌びやかさに思わず溜息が漏れる。
「……カラスは光り物が好きだとよく言うけれどさぁ……」
「美術部に負けられんね。うちら……」
「そやな」
部長がエレキギターを構え直し弦をかき鳴らす。その指さばきと音に観客はどよめく。そうして、アップテンポのクリスマスメロディが、点灯されたばかりのツリーに華を添える。
お題はこちらの「クリスマスカラス」から。
『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』
