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🔶【話】倩䞊の楜園・ロヌマの䌑日のようにサチ

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ワむンかぶっちゃったのなんお、そんな気にしなくおもいいのに。

桂朚ナりタは、バサバサずクロヌれットから服を匕っ匵り出しおいる。

「ごめんね。その服クリヌニングに出しお、埌日届けるから」

「もう気にしないでください。安物ですから、ホント  あの、いいんですか 圌女さんに怒られちゃいたせん」

圌は、この別荘の前の持ち䞻が眮いおいったものだず答えた。ファッションデザむナヌだったのだずいう。

そうなんだ。圌女の服なのかず思った。

それにしおも、海倖向けのサンプル品なのだろうか。どれもすごくサむズが倧きい。でも、高玚ブランドなんだろうな。シックだけれど、どれも仕立おの良さをうかがわせる。

その䞭に、ぜ぀りず䜕の倉哲もないブルヌのカット゜ヌがあった。

あ、サむズも合いそうだ。

「ちょっず埌ろを向いおいおもらえたすか」

そう蚀うず、桂朚さんは「着替えるなら、隣の郚屋に行くから」ず蚀い出した。こんなの、䞉十秒あれば着替えられる。裞になるわけでもない。ランニングも着おいるし、気を䜿わなくおいいですよ。

Tシャツに袖を通すず、色々なスタむルのりィッグが目に止たる。

仮装パヌティみたい。
仮装  その単語にひらめきを感じた。

そういえばさっき、桂朚ナりタは蚀った。

“街なんお普通に歩いたら、身ぐるみ剥がされちゃうんだ”

あ、いいかも。
仮装  絶察みんなにバレないくらいに  。

「付き合っおください」

突然、圌が真剣な県差しであたしにそう蚀った。

「  俺ず」

そんな頌み蟌たなくたっお、今日はずこずん付き合っちゃいたすよ。

「いいですよ」

矎味しいランチのお瀌に、すっごいアむディアを提䟛しよう。
あ、岡郚さんにはやっぱり内緒だよね。
なんだかワクワクしおきたっ。

この感芚。
あっちの䞖界に䞀歩螏み蟌んだ高揚感。

ずりあえず、桂朚さんに䌌合う服やりィッグを探しおみよう。
あ、これいいかも。
いく぀かピックアップしおいく。
ショヌトボブがむケおる。

桂朚さんも最初はポカンずしおいたけれど、どうやら芚悟を決めたらしい。

䜜戊コヌド『ロヌマの䌑日ごっこ』
オヌドリヌ・ヘプバヌンのように、い぀もず違う自分で冒険しちゃうのだ。

䞀通り着替えた圌をマゞマゞず眺める。
綺麗な顔立ちだから、そんなにおかしくはないず思う。
女装っお蚀っおもパンツルックだし。

あ、でもやっぱりアレがないず。
ただ開けおいない匕き出しをごそごそず探る。

小物が色々出おきた。
スカヌフ、ベルト、ストッキング  どれも䞁寧にビニヌルにしたわれおいる。

あ、なにこれ。
プロ埡甚達の化粧箱䞀匏。
良かった。
あたしの化粧ポヌチの䞭身じゃ地味過ぎるもの。

あ、色付きカラヌコンタクトだっお。
知っおる知っおる。
シベリアンハスキヌみたいな瞳になっちゃうダツ。

すごいすごい。
倧人のおもちゃ箱だ。

あ、たずはこれを付けおもらおう。
莅沢なレヌスをあしらったブラゞャヌ。
さっきのスカヌフを詰めれば、セクシヌなおっぱいが出来䞊がるに違いない。

あたしは匵り切っお振り返るず蚀った。
ショヌタむムだ。

「やるからには、ずこずんやりたしょう」


だけど  たさかね。
いや、ほどほどの感じにはなるだろうなぁ、ずは思っおいた。

お肌も綺麗だし、髭も薄いし。

だけど、䞁寧にファンデヌションを塗っお、マスカラを䌞ばし、口玅を乗せたら、ものすごいベッピンさんが出来䞊がった。

黒髪のショヌトボブ、琥珀色の肌、ロヌズレッドの唇、そしおブルヌアむズ。

カラヌコンタクトはどうかな、ず思ったけれど、日本女性にしおは背が高すぎるずいった最埌の違和感を取り陀く効果を発揮しおくれた。

スヌパヌモデルの出来䞊がりだ。

男をうかがわせる䜓の筋肉は、仕立おの良い服の生地がふわりずカバヌしおくれおいる。

出来䞊がりのあたりのゎヌゞャスさに蚀葉もない。

「完璧ですね」

そう語り掛けるあたしに、鏡を眺めおいた圌の芖線が流れおきた。

どきん。
もずもず濃い睫毛にマスカラが重なっお  その目元、すっごく色っぜいんですけど。

やっぱり圹者さんなんだな。
立ち振るたいが既に違う気がする。
これならバレるはずがない。

難があるずいえば、䞊出来過ぎおオヌドリヌ・ヘプバヌン䞊みに目立っおしたうずいう事くらいだろうか。

「じゃあ、行きたしょうか」
「䜕凊どこぞ」

䞀瞬、䞍安そうに圌の瞳が揺れた。

「桂朚さんのご垌望の堎所に䜕凊ぞでも。普段出来ないこず、沢山したしょう」

自分の車ではたずいからず、桂朚さんはタクシヌを䜿った。
圌があたしに耳打ちしおくる。
そうだ、声を出したら運転手さんに男だっおばれちゃうものね。

圌が告げた行き先に、あたしもちょっずワクワクを抑え切れない。
倧人も子䟛も倧奜きな遊園地の定番。

「ヘブンランドたで」


靎だけは桂朚さんの自前だ。
黒で现身のデザむンだったので、それを履いおいる。

良かった。
慣れない靎だったら、パヌクを歩き回るのはちょっずき぀いもの。

「小孊生の頃からレッスンに忙しくお、遊園地なんおホントに小さい頃行ったきりで党く蚘憶にないんだよね」

「小孊生の頃から 䞋積みっおや぀ですか。䞀芋華やかでも、やっぱり芞の道は厳しいんですね」

䜕、どうしたの。
桂朚さんの肩が、笑いを堪えるようにふるふる震えおいる。

あたし、倉な事䜕も蚀っおないよねぇ。
圌は笑い䞊戞みたいだ。
だっお党然普通の䌚話をしおいるのに、よくこんな颚に笑い出す。

岡郚さんずのバトルずいい、この人っお結構子䟛みたい。
圌のご垌望だっお  。
誰だっおワクワクが抑えられない、皆が童心に返る倢の楜園。

「俺、アトラクションずか䜕が䜕凊にあるか党然わかんないから、サチさんにたかせおもいいかな」

きょろきょろ。
䜕もかもが珍しそうに、桂朚さんの芖線は寄り道ばかりだ。

ほら、迷子になりたすよ。
圌の手を匕いお歩く。

アラブの海賊、ビッグストヌムマりンテン、ホラヌマンション。
平日のせいか䞊びも少ない。

あ、前の人も埌ろのカップルも、チラチラず桂朚さんを芋おいる。
ちょっず緊匵が走る。
ちらちらず泚がれる芖線はどれも感嘆の溜め息を含んでいる。

ただひず぀の疑問笊は、隣にいるちぐはぐな女は䜕 ずいったずころだろうか。

だっお、桂朚さん本圓によそ芋が倚くお、手を匕いおいないずすぐ芋倱っちゃいそうなんだもの。

「  っねぇ、いや、ハヌフなんじゃない」

こんなひそひそ話が聞こえおきた。
でも、桂朚ナりタずハヌフっお党然結び付かない。
䜜戊の成功に祝杯をあげなくおは。

いく぀かのアトラクションを乗りこなすず、少し日が暮れおきた。
ちらちらず灯りはじめた街灯が、倢の囜に倜の魔法を唱え始める。

パララピカピカブヌ

キラキラ城が眺められるオヌプンカフェに腰をおろす。

「こういうのっお䌑みっお感じだよね」

圌はそう蚀うず、寛いだ様子で怅子にもたれた。

「桂朚さんのお䌑みっおやっぱり週䞀日くらいしかないんですか」

「決たっおないんだよね。こんな䞀日オフなのは䞉ヶ月ぶりくらい」

「ええっ、そんなに」

「サチさんのお䌑みはい぀なの」

「いや、あたしなんお毎日䌑みみたいなものですよ」

「ぞぇ、いいね」

「締切前には、慌おお数日培倜したりする事もありたすけど。あ、最近仕事の䟝頌増えたんですよ。桂朚さんの本のおかげで名前が売れたみたい」

良かったね。
声には出さないけれど、そんな気持ちが䌝わっおくる県差しを向けられる。

「あっ〜あ」

びくりっ。
あたしのすっずんきょうな声に、桂朚さんの䜓が小さく跳ね䞊がる。

「たた忘れるずころだった〜」

ごそごそず、トヌトバッグから本を取り出す。

「プラむベヌトなお時間にすみたせん。あの、サむン頂けたすか」

「あ、いや、いいよ。でもサチさんがサむンなんお  光栄だな」

桂朚さんは、さらさらず衚玙の裏に慣れた仕草でペンを走らせおいる。

「あの、ナオちゃんぞっお名前も入れおもらっおいいですか」

ぎたり。
流暢に本の䞊で文字を綎っおいた指先が止たった。

「あ、ナオはカタカナでいいですから。今日、桂朚さんに䌚えお良かったです。パヌティの時はサむン頌たれおいたの、すっかり忘れちゃっお。その子、すごいガッカリさせちゃったから」

ふっず園内のラむトが暗くなった。
あれ、もうそんな時間
倜のパレヌドが始たる。

「桂朚さん、行きたしょう。ずっおおきの堎所があるんです」

あたふたず本を抱えお、桂朚さんはあたしに匕きずられるように立ち䞊がった。

「䜕 どうしたの」

状況の倉化が飲み蟌めないようだ。
ぐるっず倧回りをしお、あたり人気のない垣根の前に腰かけた。

「すぐ近くじゃないですけど、ここからだず、ほら光の列が綺麗に芋えるでしょう」

人々の高揚したざわめきが呚囲を包む。
ほら、そこたで来たよ。
先頭は青ず銀色のたばゆい光の枊。

矜を持぀劖粟゚メラルドフェアリヌ。
すごい綺麗。

お銎染みのヘブン゜ングにのっお、繰り広げられる光のパレヌド。次から次ぞず移りゆく電食の華やかさに、芖線は釘付けになる。

皆がパレヌドに倢䞭になっおいる今が穎堎だず、アトラクションに走る修孊旅行の生埒が数人目の前を暪切っおいく。

孊生服を少し着厩した今どきの男子生埒が、じゃれ合いながら笑っおいる。

ふず昌間、足の匕っ掛け合いをしおいた、いい幎をした男二人の光景を思い出す。

いいコンビだわ。
今の桂朚ナりタを芋たら、岡郚さんは芋抜けるのだろうか。

「岡郚さん、今日の桂朚さんを芋たら驚くでしょうね」

隣に芖線を移すず、電食に照らされた暪顔が芋える。
あたしの声、届かなかったかな
桂朚ナりタは真っすぐ前を芋据えたたただ。

そうだよね。
こんなパレヌドを初めお芋たら、倢䞭になるっおものだ。

おしゃべりは止めよう。
あたしも再び目の前のショヌを眺めた。

「  さんは  なの」

えっ
声のした方に顔を向けるず、い぀の間にか桂朚ナりタがこちらを芋おいた。

ヘむボヌヘむポヌ

十人の小人の陜気な掛け声に、圌の蚀葉が聞き取れなかった。
だから、その唇に耳を寄せおみる。
圌はゆっくりず、ひず぀ひず぀の蚀葉であたしの錓膜を震わせおいった。

「サチさん、俺には興味  感じおくれない  の」

聞こえた。

うん、ちゃんず聞こえたよ。
でも、意味がよく  。

“サチさん、俺には興味感じおくれないの”

キョりミ

䞀瞬流れた颚にショヌトボブの髪が揺れお、あたしの頬をくすぐる。
そんな距離。

圌の指が頬に觊れる感觊。
芖界に映るのは、様々に色圩を倉えながら反射する光の名残。

さっきたで響いおいた軜快なパレヌドの音楜が、やたら遠くに感じる。

流れる時間が急にスロヌに萜ずされる感芚。

ふわり。
重ねられた唇が圌の䜓枩を䌝えおきた。



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