残念なアラサー辞典〈夏休み特装版・初版特典アラサーシール付〉
娘「お母さーん!“まる”つけてー!」
何が書いてあろうが“まる”しかつけてはいけないゲームが今日も始まる。
仕方がないので答えがアレなところにはこう書いておいた。

※娘公開承諾済
渾身の“◯で構成されたペケ”
夏休みの宿題を自らすすんでやっている時点であんたは“まる”だよ。
わたしゃ言われてもやらなかったからね。
【よもぎ】
元・言われても言われなくても宿題やらない小学生
↓進化
現・なかなか“まるつけ”しないアラサー
分類:燃えるごみ属/揚げ足取り目
生息地:ごみ箱付近
特徴:子どもの宿題のまるつけをなかなか
やらない。
国語の読解問題のコツの説明だけ熱い。
算数はわからないらしい。
そんな本日は、
『残念なアラサー辞典』4ページ目に掲載されている“残念なアラサー”の小学生時代の夏休みあるあるをご紹介。
あずきバー食べて前歯折るか、
スイカバーのチョコチップを歯に詰まらせながら読んでいただければ、夏気分が高まることうけあい。
1.ラジオ体操のはしご
2.サンダルの自慢大会&ペリッと剥がれるネイルポリッシュ
居酒屋のはしごにとって代わられるその日まで、
ラジオ体操のはしごをするのだ。
大人にとっての枝豆とビールは、
子どもにとっての棒アイスとシール。
大学生が“鳥貴族からの“魚民”なら、
小学生は“学校”からの“近所のスーパー”である。
学校がない日の私の朝は早い。
謎に朝5時くらいに起きて、テレビで星占いをチェック。
自分の星座ではなく、
隕石で消滅して欲しいクラスメイトの星座をチェックして、
12位なら
「っしゃァァァァァア!!!!」
と猫の威嚇音らしき音を出し、
右肘と左膝をぶつけながら大歓喜。
逆に1位なら
「あとは落ちる一方ですねェ」
と何がなんでもディスる。
思う存分ディスってからラジオ体操へ向かう。
─AM7:30 学校のラジオ体操
「水瓶座、最下位だったね〜」
クラスで1番滅ぼしてやりたい女の第一声、これ。
お前もか、お前もプロミネンスで焼き尽くしてやりたい奴の星座チェックするタイプか。
共通点に危うく心を許しかけた。
「うるせェ!水瓶ぶつけんぞ!」
と心の中で悪態をつき、ことなきを得る。
表面上はこうだ。
「Y香ちゃんの星座、1位でよかったねェ!素敵な1日になるといいね!」
我ながらなかなかイカした笑顔と明るい声。
さながら天才子役である。
【ガニュメデス】
神御用達居酒屋の店員or神限定ホストクラブのNo.1
ギリシア神話でゼウスに愛された美少年。
水瓶座はネクタールを給仕するガニュメデスと酒壷にそれぞれ見立てられたものである。
星座ディスバトルと抱き合わせで開催されるのがこちら。
────────────────
New サンダルコレクション 200X
〜慟哭の財布〜
@小学校校庭
────────────────
足も身長もあまり生えて欲しくない草の如くぐんぐん伸びるものだから、
毎年新調されるサンダル。
ラジオ体操会場は新作サンダルのお披露目会場でもある。
1年に1回、自慢大会が必ず開催されるのだ。
クリアタイプでラメがキラキラしている“ガラスの靴”風のサンダルを履いてくるのは
いつも私をいじめてくる奴。
何度でもガラスの靴をサイズアップして王子様を射止めようとしている。
だから私は心の中で
「こんなときだけシンデレラぶるなよ」
と悪態をつきながら、
「わあ、すっごく綺麗だね〜!似合うねェ」
とここでも名演技を披露。
間違いなく夏休みだけは志田未来さん級の天才子役。
水瓶座ディスされたあとは、
Y香の口から延々垂れ流されるサンダル自慢を
三人祭の「チュッ!夏パ〜ティ」でかき消しながら
海の家ではなく自宅へ向かう。
ラジオ体操台紙に貼られたゼニガメのキラキラシールを輝かせて。
しっかり貼られたシールと、
剥がせるタイプのネイルポリッシュを塗った指先の反比例が私にとってはいかにもな夏だった。
「Y香が靴擦れで悶絶する呪い」を唱えながら、
次のステージへ。
─AM8:00 近所のスーパーのラジオ体操
ラジオ体操第一と
ラジオ体操第二を披露するだけで棒アイスがもらえる。
しかも1週間も続く謎の大盤振る舞い型。
参加者全員大サービス。
私の後ろでアイス待ちをしていた銀髪の美しきマダムが少女のような瞳で、
「アイス、楽しみね」
と声を弾ませていたことを覚えている。
あの日、配られたアイスの中で一番の幸せ者は
あのマダムの胃におさまったやつだ。
間違いない。
自分の祖母ほどの年齢の方にこんなことを思ってはいけないとは思いつつも。
か…かわいい…!
が止まらなかったあの夏。
そんな感情とは裏腹に、
ミルクアイス大盤振る舞いし過ぎて
“スーパーが赤字になって潰れる”未来を想像して
勝手に落ち込んでいた。
が、このスーパー潰れるどころか関東全域と謎に岡山県に侵略し始めて、
去年の夏ついに
“世界進出目指します”
などと突然クソデカ宣言し始めて
スーパーより先に私の腹筋が世界進出した。
なんなら宇宙まで行ってアンドロメダかき乱してから消滅した。
3.学校のプール開放
妖怪浮島むしりが大量発生して一夏で浮島が御陀仏。
浮島沈没どころではない。
市、そのものも沈没しかねない事態である。
しかも、妖怪浮島むしりの中でも凄まじい上位妖怪はと言うと…
ポンプさん「浮島食べた!」
私「はあ?」
ポンプさん「めっちゃまずいから食べない方がいいよ!」
私「言われなくても食べねェわ!」
↑
ポンプ室に住む気のいいおじさんことポンプさんの化身となった少年、スモールリバー改めポンプさんも出てくる学校のプールの話
【浮島むしり】
妖怪と人間のハイブリッド。
小学生にして“おじさん”の姿に化けることができたエリート。
現在アラサー、リアルおじさんに成長。
分類:エリート属/おふざけ目
生息地:大阪府
特徴:頭脳明晰が故にふざけすぎる。
幼少期はミョウバン結晶作りに熱中。
…ごめんなさい。
この直後食べました。
すごくまずかったです。
いや、あの、ポンプさんがネガキャンしたじゃないですか。
太古の昔、
「ン゛ン゛ン゛ン゛ッ!!まずいッ!!もう一杯!!」
っていうネガキャン界の元祖にして頂点の青汁CMがあったじゃないですか。
あれと一緒。
逆に気になってしまうという。
ただ、
浮島は
「ン゛ン゛ン゛ン゛ッ!!まずいッ!!もうひとむしり!!」
とはならない。
もう二度といらない。
この世に浮島以外が消えたとしても食べない。
小2の夏のみ、妖怪字引き網と妖怪浮島むしりを兼任していて
多忙を極めていた。
↑
“対人式言葉遊び”に勝利したいいじめられっ子が妖怪になってしまうお話。
…Y香が浮島ではなくビート板喰ってた話、私、
誰にもしてないからね。
今したけど。
私「今って“浮島あるの?」
娘「なにそれ?ないけど。」
誰なんだ…?
浮島完食したのは。
4.月がベッタベタになる近所のお祭
↑
あまりにも月がベッタベタになるので今年は開催されない近所のお祭。
月はベッタベタ、額も汗でベッタベタ、付き合いたてのカップルまでもベッタベタ。
下駄もベッタベタ音を立てる夏祭り。
クラスメイト達が綿菓子で口や手をベッタベタにしている中、
私はあんず飴で前歯をベッタベタにしていた。
恋人たち達が手を繋ぎ、頬を赤く染める頃、
私は焼きそばを真っ赤に染めていた。
赤色102号で口裂け女と化し、稲川淳二さんの世界観を体現して歩く私。
間違いなく夏の主役のバケモン。
5.今思えばnote連続投稿トレーニングだった絵日記
A4サイズのスケッチブックに毎日“絵”と“日記”を書く宿題。
これは完全に連投系noter育成型宿題だ。
絵=見出し画像
文章=本文
先生がつけてくれるはなまる=スキ
先生からのひとこと=コメント
フォロワー数:1
1人の読者のためだけに約1ヶ月半投稿し続けた夏×6である。
ネタのない日は自由帳にストックした元祖屍、“犬のよだれ湖の形状観察記録”を投稿した。
またある時は、ホットプレートで牛肉ではなく自分の指肉を焼いたエモ寄りエッセイでバズろうとした。
“バズ”を意識し過ぎた投稿にはスキもコメントもつかなかった。
実写版noteはこんなにも早い段階から
SNSの実態を教えてくれていたのだ。
今となっては夏以外にも絵日記を提出している私。
採点をしてくれるのは担任の先生から皆さんに変わった。
いや、皆さんが私の担任なのかもしれない。
ちゃんと前歯折れてますか?
チョコチップ、側切歯と前歯の間に挟みましたか?
ほんの少し背伸びした指先の煌めきを剥がしたら
夏休み終わりの合図。
その頃私の計算ドリルには隙間風が吹き荒れている。
宿題だけが夏に取り残された、平成の記憶。
そして今年、
まるつけ未着手の娘の問題集が私を睨みつけている。
娘の影がこれ以上大きくなる前に、
なんとしてでも終わらせるのだ。
何がなんでも“◯”しか書いてはいけないゲームはあと1ヶ月続くのであった。
【参考資料】
◽︎高橋書店
『残念ないきもの辞典』
◽︎三人祭
「チュッ!夏パ〜ティ」
◽︎seft.com
ロングビート板・浮島の特徴
いいなと思ったら応援しよう!
よもぎちゃーん!
はーい!
何が好き?
ポテトチップスよりも
お・ぬ・し