ぼけぼけ脳で秋を喰らう嫁
ここのところ、勇猛果敢に食に挑んでいたらついに胃が壊れた。
とはいえ芋は食べとうございます。
なので、芋粥を食ろうております。
下級武士の食卓と化している我が家である。
主に俺。
天野も娘も通常通りの米を食ろうております。
ただ、玄米が混ざっているので農民のような食事でございます。
来る大本命・柿に向け、
なんとしてでも胃を万全に整えねばならぬのです。
とはいえ、秋茄子やら早生のお蜜柑やらの誘惑が止まりませぬ故…
とかなんとか抜かしてる場合じゃないんだよ。
食欲の秋にもほどがあるだろ!
“食ほど”だよ。
全く。
早速朝ドラ「ばけばけ」が眠れる獅子…ではなく眠れるシジミ(汁への渇望)を呼び覚ましおったので
某日本版コストコで大量に購入した。
その日のうちに全部喰らった。
世界中の二日酔いを一手に引き受けてやった。
もうこれで誰も二日酔いしないだろってくらい、
私がオルニチンを蓄えたからキミたちは安心して飲みたまえ。
酒を。
浴びるように!
ところで、皆の衆。
「ばけばけ」観ておられるかい?
かたじけない。
勢い余って芋粥の芋をすっ飛ばしてしもうた。
小泉八雲と小泉セツっちゅうバケモンの話大好き夫婦をモデルにしたお話なんだが…
こりゃあいいぞ。
まず、オープニング映像がいい。
そうだな。
横長タイプの写真集をゆったりとめくっているような感覚になれるんじゃ。
従来朝ドラのオープニングといえば、
ヒロインがビタミンCたっぷりな感じで始まりを告げてくれるのが定番だったと思う。
が、今回は
「薄陽差す窓際、風にふわりと揺れる白いカーテン。
その傍らに置いた深い赤みがかった木材の揺り椅子に座り、雰囲気のお寫眞(※写真ではなく寫眞と言いたい)を眺める午前11時16分。」
といった雰囲気なのだ。
…なのだ、と言われたって誰もピンときやしないだろうよ。
で、そのお寫眞というのが
おトキちゃんと、レフカダ・ヘブンが
和室で羊羹食べたり、手をつないで橋を渡っていたりという仲睦まじいものなのだ。
が、その幸せな雰囲気満載のお寫眞と共に聴こえてくる主題歌がすごいのだ。
「毎日難儀なことばかり 泣き疲れ眠るだけ」
おおう?
となるだろうよ。
お寫眞の2人の幸せそうな空気感とは正反対の
闇&病みな歌い出し。
主題歌はハンバートハンバートのお二人。
男女のツインボーカル。
お寫眞を眺めながら聴いていると、
おトキちゃんとレフカダ・ヘブンが歌っているんじゃなかろうかと錯覚するのだ。
「日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない」
お寫眞の幸せな雰囲気が増せば増すほど歌詞の闇が深まれり。
そこが好き、大好き。
スキスキスキスキスキッスキッと関係ない曲が流れてきてしまったりなんなりしておるのです。
これは食べ終わったシジミの殻をなんとかしながら考えていた内容である。
長。
秋の夜長より長!
朝ドラのオープニングへの熱量がインフルエンザ級ですね、ごめんなさい。
で、食欲の秋にもほどがあるって話なのじゃがな。
紙に乗せた銭が全然沈まず、どんより沈むおトキちゃんの心をよそに、焼き秋茄子を胃に沈める俺。
おトキちゃんが婿をもらおうと恋卜をしに友人2人と縁結びで有名な八重垣神社の鏡の池に行くのだよ。
占いの紙に乗せた銭が近くで沈めばお相手は近くに、遠くで沈めば遠くに。
早く沈めば結ばれる日も近く、遅ければまだ出逢う時ではない、ということらしい。
ふむ。
友人2人の銭は手近なところでさっさと沈みおったが、
秋茄子はそれよりも早く俺の胃の底に沈んだってもんよ。
「秋茄子は嫁に食わすな」というけれど、おトキちゃんのところは婿なんだなあ。
秋茄子は婿に食わせてもいいのかなあ…
とかなんとかわからないことを思いつつ、
かつて花婿ともてはやされた男の皿にも秋茄子を乗せている。
「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉がござろう?
そんなことを言われたら、喰らいたくもなるだろうよ。
「秋茄子は率先して食え」だったらたぶん、食わぬ。
だが、“食わすな”だからな。
そりゃあもうバクバクといっちまうしかなかろう。
これはまあいくつか説があるわけでな。
【秋茄子は嫁に食わすな】
①「秋なすは味がよいから嫁には食べさせるな」
姑の嫁いびりの意
②「秋茄子は体を冷やすから大事な嫁をいたわって食べさせるな」(安斎随筆)
③「秋茄子は種子が少ないので子種がなくなる」
(諺草)
嫁姑問題がアレな方にとっては①の嫁いびり説なのだろうし、
義母が嫁に爆弾をプレゼントしてくれるようなところでは②なのだろうし。
③に関しては大変センシティヴであるから言及いたしませぬ。
俺は武士だからな。
武士の情けってやつ。
いずれにせよ、捻くれ者の俺は食うぞ!
秋茄子を。
ところで、そなたたちは甘味に何を合わせておられる?
やはり、和の菓子には緑茶だの、洋の菓子には紅茶もしくは珈琲だのとわけておられるのだろうか。
画面の中でおトキちゃんがカステイラを嬉々として食べておってな、ふと気になったのだ。
しかもおトキちゃんときたら、ノー水分でカステイラ頬張ってましたよ。
確かね。
口から喉にかけて砂漠と化したのではないかと心配したが、
まあ、島根だから。
ギリセーフでしょう。
これがお隣の県だったらちょっとまあ色々問題があるとは思うんじゃがな。
俺であれば珈琲なくしてカステイラは食えん。
そもそもカステイラは食わん。
オリンピック周期でくらいしか食わん。
…おそらく南蛮貿易が滞っている。
俺の好みという名の港で。
私はさして甘味を好まぬのだが、柿及び干し柿には目がない。
障子には目があるが柿と干し柿には目がない。
そういうことじゃない。
日本語を冒涜し過ぎた。
切腹の危機である。
いや、今危機に瀕しているのは俺の血液検査の数値であろう。
大前提として柿の季節は貧血の治療は諦めろ。
俺は秋が来るたびフラフラになる。
いや、年がら年中、財布と血と心は貧しいが秋はことさらである。
柿(もしくは干し柿)を喰らいなら珈琲を飲む
↓
血清鉄の値激減=貧血
柿がシーズン入りしたら、終わりだ。
この身は秋が来るたび、終わる。
終わりは始まりとはよく言ったもので、俺は秋に全てを終わらせ来シーズンに備えている。
何が言いたいかって、
柿と珈琲ってのは鉄吸収阻害コンビ、要するに
貧血エリートってわけだ。
【タンニン】
柿、コーヒーに多く含まれるポリフェノールの一種。
非ヘム鉄と結合しタンニン鉄となる。
タンニン鉄は非常に吸収が難しい形である。
必然的に体内の鉄分量が減少する。
〈おまけ〉
【非ヘム鉄】
植物性食品に含まれる鉄分。
消化管での吸収率2〜5%
【ヘム鉄】
動物性食品に含まれる鉄分。
消化管での吸収率10〜30%
とはいえ、
かの紫式部が
「秋は夕暮れと言っていた。
そうなのだよ。
沈みゆく秋の太陽に照らされた、丸々とし艶やかな垣の実の美しさときたら…
それはそれはもう….
おばかさーん!
はーい!
何が好きー?
血清鉄よりも柿!
なのだ。
というわけで、そろそろ柿が出回るな。
もし俺が姿をくらましていたら、
「あ、あいつ柿食い過ぎたんだな」
と思っておいてくれれば幸いであるよ。
キリキリと痛む胃と、ヒリヒリと灼かれる胸でいまだ食べ物を思うておる。
やはり、食欲の秋にもほどがあるってもんよ。
今再びの芋粥を仕込みながら、
「ばけばけ」の小泉八雲の本格的な登場と柿のシーズン入りを心待ちにしている。
だって、八雲ったら嬉々として虫飼って
その虫が死んだら、自分まで死ぬんじゃないかくらい悲しみふけったわりに、
「糸こんにゃくは虫にそっくりだから嫌い。」
なんて言ってのけるお茶目さんなのだよ。
…いや別にお茶目じゃないか。
いくら虫好きでもそれを食ってやろうって人あんまりいないもんな。
ごめんな八雲。
ところでさ、
あまりにも芋粥、芋粥って大騒ぎしていたから
文学に造詣の深い方は
「あらあなた、甘いものは召し上がらないのでは?」
と疑問にお思いでしょう。
もしくは、
「山芋を甘葛で煮てらっしゃるのね、なかなかに風情があるじゃあないの。」
とお思いでしょう。
特に、芥川龍之介を嗜まれる方はことさら。
芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛の汁で煮た、粥の事を云ふ。
決してさつまいもがぷっかりと浮かんでいる粥じゃあございません。
山芋を甘葛っちゅう水飴みたいなもんで似たやつを“芋粥”って言うんだよな、龍之介的には。
デザートなんだよ。
台湾スイーツの豆花みたいなやつなんじゃないかと勝手に思うておるが、どうなんだい。
実際のところ。
で、ごめん。
俺が食ってんのは
たっぷりの水で玄米とさつまいも炊くタイプの芋粥。
胃を休ませると見せかけて消化に悪い玄米。
何がしたいんだ?
こんなわけのわからないことをしているから、
全く治らぬのだ。
このままだと、
日に日に世界よりも俺の胃が悪くなるので、
明日からは白米で芋粥をこしらえよう。
↑
蕎麦、天ぷら、モツ煮、いたわさ、おはぎ、芋…
TABESUGIの記録。
↑
小泉八雲さん、セツさんへ。
私は妖怪です。
【参考資料】
◽︎NHK「ばけばけ」
◽︎瓢斗ブログ京都本店
秋茄子は嫁に食わすな。本当の意味
◽︎tenki.jp
「春はあけぼの」。そしてまた、春夏秋冬が始まる…。“枕草子” に見る四季の移ろい。
by 柴山ロミオ
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