終電は五分前に
レシートにうすく赤い線が入っている。
感熱紙の両端をふちどるように、赤い線が入っているときはロール紙が終わりに近いことを表している。
いつも不要と放置しているレシートを、今日はお守りみたいに財布の中にしまい込んで、紙コップを店員から受け取った。
コンビニコーヒーをふたつ作る。外を見る。もうすぐ日付の変わりそうな夜の中で、ニイミさんが電話をしている。
春宵。春酔。
酒をしっかり回らせた頭に、赤いレシートばかりが浮かぶ。
終わらせるためのお守りなのか。
終わらせないためのお守りなのか。
ニイミさんの後ろ姿を見つめる。
コーヒーの香りが立ち始める。
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シロクマ文芸部の企画に参加させていただきました。
