化石の底で眠らない
眠れないから、眠らない。
よく眠れる音楽も聴かないし薬も飲まない。
ブラインドの影が月明かりで天井にうつって、まるで大きな骨みたい、いま化石の中にいるみたい。
そんなふうに考える頭の底で、いつまでも繰り返し思い出される言葉に、想いに、沈んでは青ざめたり熱に駆られたりしていたいから、眠ろうとは思わない。
オリエンテーリング。
社交辞令。
意味もなく膨らんでゆく真新しい名刺入れ。
風が吹く。
ブラインドがわずかに音を立てる。
天井の骨が揺るぐ。
この手触りに生かされていると信じているから、眠れない夜を手放さない。
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シロクマ文芸部の企画に参加させていただきました。
