イタリア料理店で働いていた21歳の僕が、なぜNYへ?
こんにちは、chef+(シェフプラス)の米澤文雄です。
今日はめちゃくちゃ聞かれる、恵比寿の老舗イタリアン「イルボッカローネ」で働いていた当時21歳僕が、どうしてニューヨークに行くことになったのか?について書いてみようと思います。
これまでの記事(マガジンにまとめました)↓
料理も好きだけど…
僕は料理そのものももちろん好きなのですが、やっぱり何よりも、料理を通して人が喜んでくれるのが好きなんです。それは今も昔も、どんな取り組みでも変わらない気がします。
そんな僕にとって、ヘルプでキッチンからホールに出て、今日のおすすめ料理やワインを提案し、ゲストが驚いたり喜んだりしてくれる時間が、当時から本当にかけがえのないものでした。
サービスを担当したゲストから「今日は米澤くんのおかげで、素晴らしい時間を過ごせたよ!」 と声をかけて貰うこともこの頃増えてて、それがすごく嬉しかった。
そんなある日、当時の店長渥美さんから「米澤、英語を話すゲストが12名くらいで来てるから、オーダー取ってきて!」との無茶振り指示が!
実はこの頃、僕は英語には少し興味があって、勉強を始めていたんです。渥美店長がそれを知ってくれていての采配ではあったのですが、実用レベルにはまだまだ程遠かった。
でも、せっかくの機会なので、気合い入れてキッチンを飛び出して、学びたてホヤホヤの英語を話し、足りないところは身振り手振りでコミュニケーションを取ってなんとかオーダーを取り、一生懸命サービスをしました。
そもそも英語に興味を持ち始めていた理由のひとつが、海外からのゲスト達の感情表現の豊かさに心を惹かれていたからでした。喜怒哀楽を真っ直ぐ伝えてくれて、リアクション一つひとつが僕にとって心地良い。
この日も「ああ、楽しいなあ!この人たちは普段どうやって過ごしているんだろう?どんなことを考えているんだろう?」と考えながら、身体全体を使って一生懸命コミュニケーションを取っていたら、その必死さが伝わったのか、食事が終わった後ゲスト達が、スタンディングオーベーションで僕に拍手をしてくれたんです! 「今日は本当にありがとう!君のおかげで最高な食事だったぜ!」と……!
言葉もまともに通じない、普段は地球の全く違う場所で生活している人達がこんなにも喜んでくれるのが、血が湧き立つほどに嬉しかった!
それがきっかけで、僕の海外への興味関心が爆発!この人たちが住む国で生活してみたい!こんな人たちと時間を共に過ごしてみたい!と、より強く思うようになりました。
みんなイタリアに行くのに、僕だけ NY?
「やりたい!」と思ったら即行動が僕のスタイル。でも、どうしてニューヨークなのか?
イルボッカローネはご存知の通り、“どイタリアン”なトラットリア。スタッフの 99.9% は、修行に行くならイタリアを選びます。イタリアンではなくとも、当時料理人というのは、フランスなどのヨーロッパに留学するのが普通。
そんな中で、突然「ニューヨークに行きたいので、お店を辞めます!」と言い出した僕に、店長の渥美さんも「 ニューヨーク?なんで?」と戸惑いのリアクション。
でも僕がヨーロッパではなく、ニューヨークを選んだ3つの理由がありました。
1.英語で生活したい!
→ アメリカだ!!
→ やっぱりニューヨークだ!!!
(僕の中で英語=アメリカ=ニューヨークのイメージが強かっただけ。笑)
2.音楽もファッションも料理も
最先端は ニューヨークでしょ!!!
(行ったことないけど!!!)
3.2001 年当時ニューヨーク帰りの料理人はほぼ皆無
→未知すぎて面白そう!!!
理由として羅列してみると、なんだか軽く見えちゃいますかね(笑)
とにかく、感覚的に、無意識の部分から、なぜかニューヨークにめちゃくちゃ惹かれてる自分がいたんです。
家族も説得して、このタイミングからだったけど貯金も開始。学生ビザを取得して(就労ビザは無理でした)渡航日を決め、飛行機のチケットだけ買いました。
おかしいくらいにポジティブ思考
現地でのお金はどうするの?仕事は決まってるの? ツテはあるの……?
普通は不安が浮かびますよね。大丈夫、それが普通です。
僕は、仕事はおろか、現地での住む場所も決めないまま、単身でニューヨークに飛びました。はっきり言って、普通じゃないです。
僕はどうして不安に遮られることなく、ニューヨークに行けたのか?
僕の頭にはこういう時、不思議とネガティブなことが頭に浮かばないんです。「絶対楽しい! 最高に決まってる!」という映像しか頭に浮かばないんです。
自分でもちょっとおかしいかも、と思う反面、イメージトレーニング・妄想のプロなんだという自負もあります。拍子抜けするかもしれないけれど、これこそが、僕がニューヨークに行くのを躊躇わなかった理由。
あともう一つは、できない理由より、やる理由を考えるタイプかも。
もう無理だ!っていう時も「この状況をどうやったら乗り越えられるだろう?」ってすぐに考えて、行動に移してみるタイプ。失敗を失敗で終わらせない好奇心と行動力みたいなものは、今も昔も人一倍あると思います。
「思うは招く」
これは僕が大切にしている言葉です。池井戸潤さんの「下町ロケット」のモデルになったとも言われている、従業員たった数十人で、世界有数の人工衛星部品やロケットの開発事業に取り組んでいる、植松電機の代表、植松努さんの言葉。
上の動画は、もう何十回も見たし、今でも思うことがある時に見返す動画です。
ニューヨーク行きを決めた当時の僕みたいに、そしてこれからまたサウジアラビアで挑戦を始める僕のような、この先何があるかわからないことだらけの人が持つべきマインドセットの基本が、このプレゼンには詰まっています。
できそうな夢しか見ちゃダメなのか?
今しかできないことを追いかけるのが夢じゃないのか?
「どうせ無理」という言葉は、人間の自信と可能性を奪う言葉。
自信を失った人は、人の自信も奪おうとする。
「どうせ無理」は、やったことがない人の言葉。
「どうせ無理」を無くせば、いじめや暴力、戦争がなくなると思う。
「だったらこうしてみたら?」を増やせば、世界を救えると思う。
思ったらそうなる、思い続けるは大事。
思うは招く。夢は叶う。
僕が当時ニューヨークに行くことを決めた時はまだこの動画はなかったけど、植松さんのこの動画を見るたびに、当時の気持ちを思い出します。
所持金 35 万円でブルックリンへ
こうして 21 歳で、かき集めた35万円を持って単身ニューヨークへ飛びました。そして、到着してすぐ僕は大切なことに気付きます。
「あれ? 所持金35 万円って…少なくない!?」
もっと早く気づくべきでしたねー!笑
正直、なんでこの金額で足りると思ったのか、全く覚えていません。笑
それくらい、まずは現地に行くことしか頭になかった。
泣き言は言ってられないので、まずは地元の友人の、そのまた友人がブルックリン・パークサイドアベニューのアパートに日本人3人で住んでいると聞きつけ、連絡を取り、そこに4人目として居候することに。
上でも書いたけど、この辺の切り替えの速さが、僕が挑戦を躊躇わないもうひとつの理由かも。
しかしアパートが「ゲットー」と呼ばれる、いわゆるスラム街のような場所にあって、それには最初ちょっとビビりました(笑)
ここで出会った「こうちゃん」が働いている飲食店が、ちょうどキッチンの人手を探している、と知り「しめた!」と思ってすぐに面接を取り付けました。
「丸鶏、さばける?」
こうちゃんが紹介してくれたお店は、3rd Aveの10th-11thの間にかつてあった"LAN"というJapanese Restaurant、通称「ジャパレス」スタイルのお店でした。
日本人のお肉屋さんがオーナーだったので、しゃぶしゃぶとすき焼きがメインですが、鮨カウンターもあったり、メニューはかなりの充実度。
そんなLANの当時のシェフは、フレンチ一筋の横田さんという方。(今はイーストビレッジで折衷横田というお店を営んでいます)
当日面接に訪れると横田さんは僕の経歴や渡米の経緯を聞くこともなく「この丸鶏おろしてみて!」と、まな板と丸鶏をドーン!と運んできました。
僕は「え、今やるの!?」と驚きつつも、イルボッカローネで教えてもらった解体方法で、なんとか解体。
そしたら横田さんは「お、できるね! じゃあ、明日から来れる?」と機嫌上々。
僕は呆気に取られながらも、こうやってニューヨークでの最初の修行先が決定しました。
日本で、怒られながらもみっちり調理技術を学んでおいて良かったなあ、と思った瞬間。こんな瞬間が、ニューヨークに来てからこの後も何度も訪れます。
そして「良かったー!所持金35万で足りたー!」と思っていたのも束の間、すぐに目がまわるような怒涛の日々が始まりました。
なんと言っても、実は横田さん、三つ星で働いていた数少ない日本人。そんなわけでLANは、現地で大人気のジャパレスだったんです。
恵比寿時代は人生で一番勉強をしましたが、この時期は人生で一番がむしゃらに働いたと、と振り返っても思います。
そして、そんな経験が、また今の自分をしっかりと支えてくれているとも、今改めて強く思います。
次の記事では、僕の人生を大きく変える「Jean-Georges」との出会いについて書きたいと思います!
No Codeのご予約について
ご予約は下記サイトから承っています。
Tablecheck
OMAKASE
店名:No Code
営業時間:(2部制※各回一斉スタート) 17:00~ / 19:45~
料金:料理 おまかせコース 13,500円(税込サ別) ドリンク ペアリング 10,000円(税込サ別) ※ファーストドリンク別 ※ドリンクはグラス、ボトル共にアラカルトオーダー可能、ノンアルコールペアリングは御座いません。料理:メキシカン-フレンチ
予約:電話、ネット予約※テーブルチェック推奨
座席:8席(カウンターのみ)
ドレスコード:スマートカジュアル
キャンセル料:~1週間前30% / 前日50% / 当日100%
※2025年6月時点の情報です。最新の内容は予約ページなどをご確認ください。
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(arranged by 菅原きこ)
