毎日、ちょっとずつ伸びていく〜先生のリフレクション〜(後編)
前回の記事では、そもそもリフレクションとは何なのか。そしてぼくがリフレクションに取り組んだ経緯についてお話をしてきました。
https://note.com/yopioka___/n/nf4f73db5570f
後編では、ぼくがこれまでにどのようにリフレクションに取り組んできたのか、その変遷についてお伝えしていきます。
3.リフレクションの変遷①記録ツール編
3-1.リフレクションシート
リフレクションに取り組もうと思ったぼくは、まず初めに「型」を探しました。ネットで調べたり、本を読んだりして辿り着いたのはコルトハーヘンのALACTモデルです。
オランダの教育学者コルトハーヘンは、リフレクションが進むプロセスを、「行為」「行為の振り返り」「本質的な諸相への気づき」「行為の選択肢の拡大」「試み」の五つの局面からなるサイクルとして捉え、各局面の頭文字をとって「ALACTモデル」と名付けました。
ALACTモデルのリフレクションについては、武田信子先生のnoteが参考になるかと思います。(ALACTモデルのリフレクション解説①②)
その頃、よくセミナーなどでご一緒していた方を参考にさせていただきながら、8つの問いを用いたリフレクションシートを作成し、手書きで書き始めました。
1日1シート。上半分はとにかく印象的だったことを書き出し、その中からテーマを一つ選んで8つの問いに沿って深めてみるといった手順です。(上のメモ部分はメモの魔力風に書いていました。影響を受けやすい人です。)
管理のしやすさから、iPadで書いたりもしましたが、やっぱり毎日書くって難しいんですよねぇ。
夏休みを過ぎたあたりから、次第に書かなくなっていました…
3-2.メモアプリ
書かなくなって2.3ヶ月。Apple純正の「メモ」に切り替えて再挑戦しました。
そうです、一番最初から入ってるアイツです。Appleユーザーである私にとって、同期していろんなデバイスから入力ができるということの都合がよかったんですよね。
iPhone、iPad、MacBookどこからでも入力ができる利点と、「問いのテンプレート(以下のような、リフレクションを深めるための「問いの型」を個人的にそう呼んでいる)」をコピペしてすぐに使えることがやっぱり便利だと思います。
『読んでわかる!リフレクション』で紹介されていた書き方の例
①振り返りの場面と選んだ理由
②その場面・状況を具体的にエピソードとして記述(読み手に伝わるように具体的に!セリフなどをそのまま入れるとよい)
③その時の感情はどのようなものであったか?(自分視点と子ども視点で振り返る)
④そのとき、私はどんな行動や判断を行ったか?
⑤その場面を今改めて振り返ると、どんなことを考えたり、感じたりするか(自分視点と子ども視点で振り返る)
⑥振り返りから学んだこと、気づいたこと、モヤモヤしたこと
⑦明日(以降)に生かせそうなことは?
⑧その他自由に
3-3.Obsidian
ここ最近は、日次レビューの一環として取り組んでいます。リフレクション以外にも、メモやその日見た記事、行動ログなどを溜めていってる感じです。
Obsidianというツールで管理するようになりました。
「第二の脳」という響きがいいなぁと思って使い始めたのがきっかけですが、「今日のノート」を開くと日次レビューのテンプレートを自動的に呼び出してくれる優れものです。
他にも似たようなツールはあるかと思いますが、何と言っても知の繋がりを可視化してくれる「グラフビュー」がたまらないんですよね。
このように、ツールの移り変わりはありながらもリフレクションに取り組んできました。
ここ最近は卒業式に向けてバタバタしてきたこともあり、10分間と決めて音声によるリフレクションに取り組んでみています。
4.リフレクションの変遷②伴走者編
4-1.「伴走者」という存在
ここからは、今ぼくのリフレクションを語る上で重要な役割を担う「伴走者」の存在についてです。
前回の記事の冒頭で紹介した講座の中でも、この伴走者の必要性を強調されていました。「伴走者といっても、職場の方に見てもらうのもなぁ…」と思っていたぼくは、とあるきっかけから、二人の伴走者にお世話になることになりました。
ただ、この「伴走」についてはいろいろな議論があるかと思いますので、一旦ここでは「ぼくとその方の間で”伴走”している、していただいているという共通理解のある関係」ということで話を進めていきます。
4-3.「伴走」の価値
書いていて、この「伴走」については改めて言語化したい部分がたくさんあることに気づきました。
今回はあくまでも「リフレクション」についてのnoteなので、そこに関係のある部分を中心にまとめたいと思います。
一人は毎日のリフレクションにコメントをくださり、月に一回程度、対面やオンラインで話をさせてもらっていました。
日々のリフレクションにコメントがくることのメリットは大きいと感じています。
そのキーワードとしては「問い」と「エンパワー」です。
自分がいいなぁと思ったシーンに対する「問い」は、他の視点からの気づきを与えてくれ、「本当によいと言えるのか」「自分が教師としてどんなことを求めていたのか」と、もう一度振り返ることを促してくれました。
そして、うまくいかず正直しんどいなぁと思った時には、できていることに目を向け、「エンパワー」してくれました。
学校生活の中で「その先生だったらどうするんだろう」という他者の視点を持つことができたことも大きな成果だと感じます。
もうひと方には2.3週間に一回程度、1時間の伴走の時間をお願いしています。話したいテーマを決め、それについて問いをもらいながら深ぼっていく感じです。
教師としてのミッション、ビジョン。人生においての豊かさなど、これまでには考えたこともなかった問いと出会わせてくれます。
インプット過多で情報がスルスルと流れてしまっていた自分にとって、これらのような比較的大きな問いは、一度立ち止まり、何を大切にしていくべきかを考えるきっかけとなりました。
ミッション、ビジョンや目指す子ども・学級の姿を言語化することで、進むべき道が少しずつ定まっていったことが一番のメリットだと感じています。
進むべき道がなく、無闇やたらにリフレクションを続けることは、地図やコンパスもないまま航海をしているようなものだったのだと改めて感じます。その場の波(情報)に飲まれて、どこに到着するかわかりませんよね。
より長い目で見たキャリア設計や個人的な探究の道筋などは、年度末のこのタイミングでもう一度踏み込んで考えてみようと思っているところです。日々のリフレクションに加えて、中・長期的なリフレクションの必要性も感じています。
5.今後の展望
ここまで、ぼくのリフレクションの変遷についてまとめてきました。
改めて振り返ると、始めた当初はリフレクションをすることが目的となってしまっていたことが、「伴走者」との出会いによって、グッと深まっていった印象があります。
その理由として個人的に思うのは、リフレクションの訳が内省であったように、内に籠もってしまう危険性があるからです。自己強化のループに陥ってしまわないためにも、今の自分にとって他者の存在は必要不可欠だと感じています。
「毎日、ちょっとずつ伸びていく」
教師として、人間として豊かに、よりよく生きていくために、日々のリフレクションをこれからも続けたいと思います。
まとまりのない文章をここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
