丁寧な生活を送る ♯6
自分の強みはなんだろうということを考える。
パッと思ったのは「自分の願望を叶えながら、他者の意向にも沿える」というもの。
本当は「自分の願望を叶えながら、他者も満足させられる」って最初に思いついたのだけど、本当に他者を満足させられているかは分からないし、少し傲慢だなと思って言葉を変えた。
先日、エチュードをやった。
知らない人たちとグループを作って、5分間の作戦会議の後に5分間の発表をする。
その中で真っ先にわたしが主導権を握った。作戦会議が5分しか出来ないのであれば、誰かが次々と決断していった方が面白い空間になると思ったから。
求められていたエチュードのテーマは「対立と議論」だった。なのでまずは状況を決めた。
電車の中、健康そうな若者が優先席に座っている。でも実はこの人は座っていなければならない健康上の理由がある。この理由に関しては演じる人に勝手に決めてもらった。5分しかないので。
そこに一人の老人がやってくる。明らかに健康そうな老人。でも年齢を理由に若者に席を立つように求める。そこから議論を始めることにした。
健康そうだけど健康ではない若者とその若者を擁護する人。
健康な老人と老人が優先席に座るべきと考えている人。
わたしは老人が優先席に座るべきと考えている人を演じることになった。
結果的にわたしは「敬老の日とかを大切にしている人」というところに落ち着き、完全に保守主義で愛国者のような存在として5分間を過ごした。
まさかそんなキャラクターに展開していくとは思っていなかった。最高にエキサイティングな時間だった。
わたしとしては健康そうだけど健康ではない若者という役が一番おいしいなと思いはしたのだけど、場を円滑に進めるために譲った。
でもその結果、わたしの役が一番面白い展開をしていた。自分の願望を叶えるどころか、もっと大きな欲を満たしていた。
状況を最大限に利用して楽しむ。これがわたしの強みかもしれない。
