“ローカルヒーロー”だと思っていた。気づけば、人生を変えられていた。
『どうせローカルヒーローでしょ?』
正直、
最初はそう思っていた。
息子は、
ずっと戦隊ヒーローに夢中だった。
だから、
その日もいつものように、
「子供が喜ぶなら」
くらいの気持ちで、
ショッピングモールのヒーローショーへ連れて行った。
そこで出会ったのが、
ドゲンジャーズだった。
最初は、
正直そこまで深く考えていなかった。
でも、
異変が起きた。
息子の様子が、
明らかに違った。
帰り道でも、
家に帰ってからも、
ずっとドゲンジャーズの話をしている。
YouTubeを見返し、
キャラクターの名前を覚え、
次はいつ会えるのか聞いてくる。
『なんでそこまでハマってるんだ?』
最初は不思議だった。
戦隊ヒーローが好きだったはずなのに、
まるで“本当に存在するヒーロー”に出会ったみたいに、
目を輝かせていた。
そして、
その熱は、
気づけば私にまで伝染していた。
なぜ、
ここまで子供達が熱狂するのか。
なぜ、
ヒーロー達がこんなにも“近い”のか。
気づけば、
息子以上に、
自分の方が惹き込まれていた。
『実在するヒーロー』
そう感じた瞬間が、
何度もあった。
テレビの中だけじゃない。
ちゃんと目の前に来て、
子供達と笑って、
言葉を交わして、
本気で向き合ってくれる。
しかも、
ただ強いだけじゃない。
トークも面白い。
距離が近い。
なのに、
ヒーローとしてのカッコ良さは絶対に壊さない。
その姿を見て、
自分の中にあった
“ローカルヒーロー”への偏見が、
少しずつ壊れていった。
いや、
壊された。
でも、
本当に凄かったのは、
そこじゃない。
息子が、
変わっていったことだ。
最初は、
「かっこいい!」
そんな純粋な憧れだった。
でも、
ドゲンジャーズを追い続けるうちに、
息子は言うようになった。
『ヒーローになりたい。』
それだけじゃない。
『ドゲンジャーズに入りたい。』
『スーツアクターになりたい。』
本気の目で、
そう語るようになった。
イベントへ行くたび、
ヒーローの動きを真似して、
ポーズを研究して、
アクションを覚えて、
名乗りを練習する。
その姿は、
ただ“キャラクターが好きな子供”じゃなかった。
本気で、
ヒーローを目指していた。
そして、
そんな息子を見ていて、
気づかされた。
ドゲンジャーズは、
ただショーをしているわけじゃない。
子供達に、
“夢の続きを見せている”。
テレビの向こうの遠い存在じゃない。
実際に会えて、
話せて、
手を振ってくれて、
街を歩けば本当にいそうだと思える。
だから、
子供達は信じられる。
『自分もなれるかもしれない。』
その距離感が、
どれだけ凄いことなのか、
親になって初めて分かった。
しかも、
惹きつけられているのは、
子供だけじゃない。
気づけば、
自分の方がイベントを調べ、
次はいつ会えるのか考えている。
“ローカルヒーロー”
昔の自分は、
どこかそんな言葉で軽く見ていた。
でも今なら分かる。
ドゲンジャーズは、
地方だから凄いんじゃない。
本気で子供達と向き合い、
本気で地元を愛し、
本気でヒーローをやっているから、
人の心を動かすんだ。
子供には夢を。
大人には、
忘れていた熱を。
そして、
親子に、
同じヒーローを追いかける時間をくれた。
気づけば、
息子の夢は、
私の夢にもなっていた。
今の私の目標は、
息子をスーツアクターにすることだ。
もちろん、
簡単な世界じゃないと思う。
努力も必要。
身体づくりも必要。
演技も、
アクションも、
礼儀も必要だと思う。
でも、
ドゲンジャーズを見ていると、
不思議と夢物語に感じない。
だって、
ヒーロー達が、
本気で子供達に向き合っているから。
『目指していいんだ。』
そう思わせてくれるから。
いつか、
ステージの上に立つ息子を見られたら。
子供達に手を振る姿を見られたら。
その時、
今日まで追いかけ続けた時間が、
全部繋がる気がする。
私達親子にとって、
ドゲンジャーズは、
ただの“推し”じゃない。
本当に、
この街に存在しているヒーローだ。
