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エスカレーターと彼女の水彩画


タイトルだけでわかった方は居るだろうか。

もし居たならあなたは、相当、マイノリティなタイプですね?




ヒリヒリする記事を書こうと思う。
思いつきである。

恒例の、「INFJ,INFP,HSPにお薦めする」音楽記事を書こうとしていた。今回は、「走り出したくなる曲〇選」のタイトルでくくろうと考えていた。



くくれなかったのである。
どうしても、この曲だけは。







これまでnoteで、様々な音楽やパフォーマンスをご紹介してきた。
そのすべては、ここ10年の間に見聞きしたものであった。
10年以上前の曲もあった。だがそれも、私が聴いたのはここ数年の中のことであった。


10年以上前に聴いていた音楽をご紹介しない理由は、
そのほとんどすべてがトラウマだからである。
私の人生は、結婚し母になった、ここ10年程を除いて、ほとんどすべてがトラウマなのである。

夫は昭和の人間だ。
昔の歌謡曲や、平成に流行っていた曲を時折口ずさむ。
「やめてくれ。」と私は即座に言う。
夫はしゅんとなって歌うのをやめる。
夫には申し訳ないが、私の事情も知ってくれている。
平成に流行していた曲などは、胸がざわざわしてしかたないのだ。
その頃の曲にまったく罪は無い。素晴らしい曲だってたくさんあろう。
だがそれらは私の心の奥底の触れたくないものを浮かび上がらせてしまうのだ。

そのくらい、私の人生の前半は苦しいものであった。

子どもの頃から音楽は大好きだった。聴く音楽もマイナーなものばかりだったので、周囲とはまったく話が合わなかったが。
大人になるまでに、買い集めたCDもたくさんあった。
そのすべては今、手元に無い。

今の幸せな記憶で過去を塗り潰す勢いで生きている。
塗り潰す必要はないのだが。


大好きだったアーティストも居たし、ライブにもたくさん行っていた。
そのすべては過去に置いてきた。
もう聴くことは無いと思っていた。

だけどこの曲だけは置いてこれなかったのだ。


最も苦しかった時期に、ずっとこの曲を聴いていた。
”最も苦しかった”と言ってもそれが一体いつだったのか、わからなくなるくらい、あの頃は混沌としていた。なにもなかった。



あの頃の私の叫び出したい気持ちや、焦燥感、爆発しそうな切なさ、覆い隠していた感情、焦がれる気持ち、
そのすべてがこの曲には詰まっている。
歌詞が無いから、ただただ言葉にならない私の感情をそこに詰め込めたのかもしれない。

甘酸っぱい、などではない、もっとドロドロとした、おどろおどろしいものを、ただ受け止めてくれた曲である。
私の中で、この曲だけは永遠に別格だ。


あえてアーティストの説明はすまい。
胸がヒリヒリする。

感謝の想いを添えて、またそっと心の奥底にしまおうと思う。






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