52歳、布団を干せる幸せ
私は田舎にあるアパートに住んでいる。
そこで有難いのは、布団を干せるということだ。
以前は繁華街近くのアパートに、住んでいた。
朝の通勤時には、居酒屋で飲んでいる人が毎日のように目に入る。
その横を小学生が通学していく。
閑静な住宅街とは、ほど遠い環境であった。
正直、あまり好きな場所ではなかった。
当時、住んでいて困っていたことがある。
布団が干せないこと。
1階に住んでいて、周りは三階建て以上の建物ばかり。
日当たりが、まったく良くない。
干せないことはない。
でも、干しても意味がない。
しかも目隠しのために植えられた樹木が、
さらに日当たりを悪くしていた。
無理やり干してはいたが、気分がよくない。
布団乾燥機を買うという手もあったけれど、
どうせ面倒くさくなって使わなくなる気がして、結局やめた。
それから今のアパートに引っ越して来た。
周りにさえぎるものはなく、日当たりは最高。
利便性は前より落ちたけれども、
私は断然、今の環境のほうが気に入っている。
布団を干すと、とても良い匂いがする。
この匂いを嗅ぐために、布団を干していると言っても過言じゃない。
私の日常の、ささやかな幸せ。
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