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島津氏 鎌倉時代から続く名門のしたたかな戦略

今日のおススメの書籍です。

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■島津氏 鎌倉時代から続く名門のしたたかな戦略
■新名一仁 (著) 徳永和喜 (著)

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8年前に「西郷どん式リーダーシップ」に
ついて執筆した際、島津斉彬と久光につ
いてはかなり文献を読みました。

しかし、それより前の代の人については、
藩を財政難から救った島津重豪くらいし
か理解できておらず、あえて島津家の通
史を知りたく、本書を手に取ってみまし
た。

島津家の薩摩藩といえば、雄藩であり、
明治維新の立役者であり、維新後も総理
大臣を輩出したりしていました。

場所が日本の端っこではあるものの、中
国や台湾などと近く、貿易をするのに恵
まれていたという点、琉球王国を支配し
ていたという点から、財に恵まれていた
国でした。

実はこの財に恵まれていた裏に、実は火
山灰が多く、農作物を育てるのに適した
土地ではなかったというネガティブな要
素があります。

だからこそ、貿易に力を入れ、海外との
交流により情報を得て、工業などの産業
を新興させてきました。

また「郷中制度」のような人材教育にも
力を入れてきた薩摩藩の歴史を学べる一
冊でです。

それでは特に学びになったエッセンスを
ご紹介していきます。

●斉彬は日本が世界認識の欠如によって
国際社会から取り残されただけではなく、
列強の植民地かあるいは経済的支配を受
けることになることを危惧していた。

この国家の難局を回避するには産業を興
し、軍事的強化を遂行する富国強兵策が
必要であると語っている。

幕末の困難の原因から今後の国家的展望
までを提示するという世界観を持つ、統
治には数少ない識見の藩主であったとい
える。

(P205 引用)

江戸時代の日本は藩同士が対立していた
時代。

いわゆる藩がよければいいという狭い視
点、今でいうセクショナリズムでした。

最近は会社全体どころが業界全体を盛り
上げていこうという視点が必要になり、
かつてだったら同業で激しく競い合って
いた企業同士がコラボをすることも増え
てきています。

このように高い視点を持ち合わせておく
ことは大事ですね。

ただそうはいっても江戸時代という古い
時代。

幕府から斉彬は疎まれたのではないかと
も思われます。

しかし、そうではなかった。

以下P206を引用します。

●斉彬は外様大名であり、幕政への参加
は本来的にはあり得ないことであったが、
ペリー来航という未曾有の国難への対処、
加えて幕末の幕府権力の弱体化が誘因と
なって幕政への参加が可能となりつつあ
るなか、老中阿部正弘もまた、幕政の安
定のために当時、斉彬の能力を高く評価
していた。

島津斉彬と雄藩薩摩藩を味方につけてお
くことが政治力強化に繋がると判断し、
幕政に間接的関われるような環境をつく
りつつあったのである。

さらに、斉彬は外様大名という地位とは
別に広範な藩主・幕臣・蘭学者などの交
流があり、その知識や交友人材の豊富さ、
卓越した国家観を持つ人物であり、幕府
再建には必要な人物として認識されてい
たと思われる。

(P206 引用)

外様大名でも必要とされる力を身につけ
ていた斉彬氏。

交友の豊富さと深い知識、出過ぎた杭は
打たれないと言えますね。



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