Wednesdayはオーディンの日
今回から、北欧神話に由来する人名に基づく名前について取り上げます。まずは北欧神話の神々について軽く知っておきましょう。
生き残った北欧神話
北欧神話はゲームや漫画の題材としてよく使われているため、知っている方も多いかと思いますが、まったく知らない人にとってはナニソレという状態かと思います。
このシリーズで何度か触れている「進撃の巨人」の世界観のベースにあるのが北欧神話です。北欧神話をそのまま取り扱っているわけではありませんが、始祖の巨人ユミルや壁の存在、巨人との戦い、登場人物にゲルマン系の名前の多さなど、随所にその片鱗がみえます。
北欧はゲルマン民族のうちヴァイキングと呼ばれた人たちが住んでおり、キリスト教化が遅れたため、その他のゲルマン民族の神話が早々に消えていったのに比べると多くの神話、英雄譚が文字として残されました。
北欧の神々
北欧神話の主神は「オーディンOðin」(「ウォーデンWōden」)で、オーディンの妻の「フリッグFrigg」、雷神「トールþorr」や軍神「テュールTyr」などの神が知られています。アース神族と巨人族の最終戦争であるラグナロクragnarök「神々の滅亡」、ラグナロクに備えて戦場で死すべき者を定め、勇者の魂をオーディンの館ヴァルハラに運び去る「ヴァルキュリャVlkyrja」(ヴァルキリー、ヴァルキューレ)など、断片的に聞き知っている名前もあるかと思います。
英語の曜日と北欧神話の神々
何より、北欧神話は意外と身近なものでもあります。
北欧神話に基づいているとは学校で習わなかったかも知れませんが、みんなが知っているものとして、英語の曜日があります。
以下の記事で飛ばした英語の曜日の部分です。
日曜日のSundayはソルの日、月曜日Mondayはマーニの日、火曜日のTuesdayはテュールの日、水曜日のWednesdayはオーディンの日、木曜日のThursdayはトールの日、金曜日のFridayはフリッグの日を意味します。
土曜日のSaturdayだけは、なぜかローマ神話の農耕神サートゥルヌスの日のままです。ドイツ語やノルウェー語、オランダ語でも基本的に北欧神話由来の曜日命名となっています。
ウェンズデーのつづりの中にある発音しない謎のdは、オーディンのdだったのです。
神の名前の意味
オーディンの意味は、ゲルマン祖語*wōðanaz「狂気の支配者」です。
トールの意味は、ゲルマン祖語*þunaraz「雷」です。
テュールの意味は、ゲルマン祖語*tīwaz「神」であり、印欧祖語における原始の神*dyeu-から派生したものです。
フリッグの意味は、ゲルマン祖語*frijjō「愛、友情」です。
次回は北欧神話のストーリーについて解説します。
