見出し画像

米国発前川のニュースレター

7月6日(月曜日)前川のニュースレターをお送りします。
米国の250回目の独立記念日が無事終わり、イラン情勢も今のところ落ち着いています。
今日も米国の政治、経済、不動産関連ニュースをお送りします。
【経済動向】
雇用統計
7月2日に発表された6月の雇用統計は先月発表された5月の雇用統計と比べて雇用者の伸びが大きく減速しました。しかし、失業率は0.1%下がって、4.2%となっています。先月の雇用統計では、対前月比で17万2,000人増加となっていましたが、今月下方修正されて、12万9,000人増加、今月は前月比5万7,000人の増加と急減速しています。やはり予想通り、雇用の急上昇は一時的なものだったと思われます。   米国の現状は低解雇、低採用と言われており、同じように不動産市場も、供給も売買も低調となっています。また、イラン戦争による物価の高騰にも拘らず、個人消費は底堅く推移していますが、中小企業や中低所得層にとっては引き続き厳しい状況が続いている様で、レジャー・ホスピタリティ関連の雇用が大きく減少しています。 失業率の低下は労働参加率の低下、就職をあきらめた人の増加が影響しているのでしょう。労働力人口が6月は70万人減少し、 2025年1月、トランプ大統領就任時と比べて就業者数は約150万人減っています。
雇用の減速で、上昇していたFRBによる利上げ予想リスクが下がり、米国債の利回りも29日のウォ―シュ議長のフォワードガイダンスをしないとの発表で大きく上昇した後、2日の雇用の減速によって落ち着き始めています。これまでのパウエル議長の様に今後のFRBの動きと予想を事前に伝える方法から、方向を転換したことにより、経済の先行きの見通しが読みにくくなるため、株価や国債の利回りが不安定になるとの観測が影響したと思われます。しかし、このところの株価はAI関連投資期待による、 ある意味バブルの様相を呈しているようです。
ドル円相場
雇用統計が発表された後、160円台後半まで円高方向に向かいましたが、長続きせず、本日は162円前半で推移しています。円安相場が5年目に入っています。以前にもお話しました様に、日本の現状は構造的に円安に進みやすい状況ですが、円安のお陰で輸出が増加し、国内投資の増加傾向で円安構造は多少改善しているはずです。ところが、結果は逆に動いており、円安が止まりません。その理由の一つとして考えられているのは海外投資家による為替ヘッジです。外国勢に依るに日本株の購入の増加は為替リスクを回避するための、為替ヘッジの増加につながる可能性を高めます。円が高くなれば外国勢の保有する株を売る場合にはドルで得る収入が減ることになります。その為、大量の株取引をする海外投資家やファンドは株式購入と同時に為替のヘッジを行います。円を売るのです。もし、この仮説が正しいとすると、日本の株が海外勢にたくさん買われ、株価が上昇するに従って円安が進むことになります。日本の株価を見るとそのようになっている様にも見えます。日本において株高で儲かっている人と損をしている人の割合はどうなっているのでしょうか?輸入が多い現在の日本の現状を考えると、円安は大企業を儲けさせ、中小企業や消費者の負担が増えていることにます。大企業の利益が上がり、従業員の賃金を上げやすくなる一方で、中小企業はコスト高による収益圧迫にもかかわらず賃金上昇圧力が高まり経営が苦しくなります。私が初めて米国へ旅行した1980年のころ円は226円ぐらいでした。しかし、その頃日本の景気はバブル景気に入ろうとしてた頃でした。 円安のお陰で、輸出が好調、輸出が増えると取引の精算をするときにはドルを売って円を買う事になり、円安には向かいません。日本は輸出主導でお金が国内に流れ込んできたわけです。しかし、今は円安ですが、1980年代と同じような好景気にはなっていません。何が違うかというと、それは、日本国内の製造業が当時と比べて、減ってきているからです。円高による国内製造業の衰退と海外への生産拠点の移転により、国内の製造業が空洞化してしまったのです。その為エネルギー関連(ナフサなど)、食料品、電子部品、自動車部品などを輸入に頼ることになりました。輸入が増えると海外貿易の精算時に円を売ることになりますから、円安が進みやすくなります。 この現状を打破して、日本国内の経済を活性化する為の処方箋としては、政府の財政出動も必要ですが、空洞化した製造業を国内に取り戻し、日本経済の足腰をつよくすることが長い目で見ると大事なことだと思います。   コロナ禍でも経験した国内製造業の空洞化によるサプライチェーンの混乱を起こさない為にも、日本経済の将来の為にも、海外から工場を引き上げて日本で工場を増やしてゆくことは、輸出を増やし、輸入を減らすことになるでしょう。 それが円安対策、雇用対策、景気対策につながると思います。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
小口投資家が物件購入の主役
Realtor.comの年次投資家レポートによると、2025年の住宅販売件数が過去数十年で最低水準に落ち込む中、投資家による購入は安定しています。全購入件数に占める投資家の割合は2024年の11.0%から11.3%へと上昇している一方、売却は2年ぶりに減少しました。物件価格が弱含みの状況において、売却を先送りにしているのでしょう。また、非投資家による住宅売買件数が2.1%減少したにもかかわらず、2025年の投資家による住宅購入件数は前年比0.7%増の約54万4,000件となっています。売却件数は1.5%減の44万2,000件となり、2020年以来の低水準を記録しました。更に、小口の投資家が投資家による購入全体の3分の2近くを占めています。
一般的な住宅の買い手が、購入を躊躇している間、投資家は購入を継続しています。投資家による物件売却の減少は、市場に出回る物件の増加にブレーキを掛けており、物件供給件数の増加が抑えられていることが、不動産価格の安定につながっているとも言えそうです。
不動産投資家の購入比率が高い都市
テネシー州メンフィス 23.7%
カンザス州カンザスシティ 21.2%
ミズーリ州セントルイス 21.1%
アラバマ州バーミンガム 21.0%
オクラホマ州オクラホマシティ 17.9%
ネバダ州ラスベガス 16.5%
テキサス州サンアントニオ 15.9%
テキサス州ダラス・フォートワース 15.6%
インディアナ州インディアナポリス 15.1%
オハイオ州クリーブランド 15.0%
中西部、南部の諸都市は他州の都市と比べて取得コストが低く、賃貸需要が高い為、投資家のターゲットとなっています。一方、投資家比率が低いのはオレゴン州ポートランド(5.8%)、カリフォルニア州サクラメント(6.1%)、コネチカット州ハートフォード(6.1%)などです。
投資家の購入シェアが反転して減少しているのがアトランタです。現在シェアは10%まで下がってきています。物件価格の高騰や賃貸市場の軟化で売却が増えているようです。
海外投資家はどのに注目しているか?
Realtor.comの調査によると、海外の住宅購入者がRealtor.comのオンラインで物件閲覧、購入において人気があるのはマイアミで、これまでトップを走っていたロサンゼルスは人気が低下しています。一方人気が上昇しているのが、ダラスです。ヨーロッパの投資家に人気なのはマイアミ、アジアの投資家に人気なのがニューヨークです。
海外投資家の上位の国はメキシコ、英国、ドイツ、オーストラリアとなっています。海外投資の興味も国内同様、中西部、南部の低価格で賃貸需要が高い都市圏に移っているようです。
住宅ローン金利動向
引き続き、米国とイランの停戦交渉が続いていますが、この一か月は原油価格が下落し続けています。インフレ懸念が改善し、住宅ローン金利がもっと下がると思われましたが、強い雇用統計や未だに上昇している消費者物価指数、個人消費支出など遅れて出てくる統計に影響されて、住宅ローン金利の指標となる米国10年国債の利回りは上がったり、下がったりを繰り返している為、2週間前の金利と比べてもほぼ横ばいで推移しています。ただし、順調に停戦交渉が進んでくれば、現在だぶつき始めた原油供給量の増加で、今後は、さらに原油価格が下落し、インフレ懸念が後退して行けば、住宅ローン金利は今のレベルより下がって行くと予想されます。更に、ウクライナ戦争が最終局面を迎えそうな状況であるため、ウクライナの終戦とイラン戦争の停戦条約締結となれば、一気に金利が下落する可能性が高まります。
【国際ニュース】
米国人の流出
海外在住米国人協会(AARO)によると現在少なくとも550万人の米国人が海外駐在員や長期滞在者として国外に居住しています。国によっては、富裕層向けに、いわゆる、ゴールデンビザ(投資家ビザ)や二重国籍取得を認めているところもあり、2015年の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)の変更に伴い、税金や銀行取引上の義務を軽減しようとする米国人の海外居住者が、記録的な数で国籍を放棄しました。これまで、国籍放棄の動きはあったものの、米国人の流出より移民の流入が上回っていました。しかし、昨年米国は1930年以来初めて移住者数に於いて移出者が移入者を上回りました。ブルッキングス研究所の推計によると、2025年には過去最多となる15万人が国外へ移住しました。  また、米国財務省のデータでは、そのうち少なくとも5,000人が単なる海外移住ではなく、米国籍を放棄しています。ある調査では、米国人の40%が海外移住に関心を示しており、50%が二重国籍の所得を希望している、或いは取得済みであることが分かっています。
米国人はどこを目指しているのか?
それでは米国人はどこにゆこうとしているのでしょう? 富裕層は依然として、シンガポール、ニュージーランド、ケイマン諸島、キプロス、オランダなど資産家にとって魅力的な国や地域に集まっています。一方、米国の高い生活費から逃れることを主な動機として移住を考えている米国人は東欧・中欧、中南米、東南アジアの国々に向かいます。また、自分の先祖が住んでいた国、自分のルーツを目指して戻ろうとする19世紀の移民の子孫たちもいます。経済面を重視する移住者にとって魅力的な都市としては、パナマシティ、メキシコシティ、バンコク、クアラルンプールなどが候補となっています。英国、イスラエル、ドイツ、オーストラリア、韓国、フランス、日本、スペインなどで生活している米国人も既に多くいます。これまで、米国人がこれほど海外に移住を考え、実際に移住したことは米国の歴史の中で初めてでしょう。このところ、中南米が急速に保守化し始めています。これまで南米諸国では左派勢力が強く、その裏には中国の影響力の強さがありました。しかし、中国の経済的な落ち込みや、パナマ、ベネズエラ、イラン、キューバなどの国では、中国が影響力を失ってゆくのと同時に、右派勢力が政権を取り始めました。先月にはコロンビア、ペルー(藤森けいこ氏)と右派政権が誕生しています。ブラジル、メキシコに右派政権が樹立されれば、南米は右派優勢の地域になって行き、貧困が改善されることが期待されます。そうなれば、中米、南米諸国から米国への亡命、難民や不法移民が減り、逆に米国から南米に(自分のルーツ・先祖の故郷)向かう人たちが増えることでしょう。詳細は分かりませんが、パランティアのピーター・ティール氏がアルゼンチンに移住したとの情報がありました。南北米国を大きな経済圏、西半球構想の一つとしてとらえ、ステーブルコインによる新たな金融システムの構築を目論んでいるのではないか?との噂が出ています。今米国も大きく変わろうとしているようです。
 
【豆知識】
米国で高収入が得られる職種トップ10
1.      航空機パイロット、副操縦士、航空機関士(平均年収:$288,650)
2.      最高経営責任者($269,630)
3.      アスリート・スポーツ選手($206,180)
4.      情報システムマネージャー($192,160)
5.      財務マネージャー($186,910)
6.      弁護士($185,840)
7.      建築・エンジニアリングのマネージャー($181,540)
8.      自然科学分野のマネージャー($180,250)
9.      マーケティング・マネージャー($177,770)
10.物理学者($171,180)
このランキングは医療関連以外の職種におけるランキングです。
労働御統計局のデータによると小児外科医の平均年収は約$500,000でした。
(出典:Business Insider)
因みに、日本の高収入職種ランキングの第一位は経営戦略コンサルタントで年収1,000万円~1,300万円でした。
(出典:doda.jp)

【米国住宅ローン金利】(金利横這い) 

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー