なぜ、simultaneously は長い単語なのか【受験英語攻略編①】
英単語は、孤立していない――語源でひらく意味の地図
simultaneously から広がる「sim=同じ」の意味地図
受験英語攻略編
この連載は、「WORD ROOTS 英単語を語源でマスター」の姉妹編として、新たに 「受験英語攻略編」 として始めるものです。今回は、実際の授業や講習で出てきた“つまずき”をそのまま取り上げていきます。
私は現在、高校生を前に英語を教えています。日々、生徒たちからは、英語学習や受験に関するさまざまな質問や悩みが寄せられます。その中でも特に多いのが、英単語や熟語がなかなか頭に入らないという声です。
この連載では、現在進行形で受験に挑んでいる生徒の「生のつまずき」を出発点に、語源の知識をフル活用しながら、英語をどう攻略していくかを一緒に考えていきます。単語や熟語を「覚えるもの」から「理解できるもの」へ。英語を克服し、使える力へと変えていく過程を、皆さんと共有していきたいと思います。
まずは、次の英文を見てください。空所に入る語を考えてみましょう。
① The two events happened ________.
(その二つの出来事は同時に起こった。)
② The twins look very ________, but their personalities are different.
(その双子はとても似ているが、性格は違う。)
③ The country tried to ________ foreign culture into its own society.
(その国は外国文化を自国の社会に同化させようとした。)
解答は最後で。
今日のつまずき:simultaneously
今日の講習で、
早速生徒から挙がったのが
simultaneously でした。
意味は「同時に」。
決して難解な意味ではありません。しかし、
形が長い
読み方がわからない(サイマルテイニアスリウィ)
どこで区切ればいいかわからない
という理由で、記憶に残りにくい語です。
この語を、語根 sim(同じ) を軸に、
受験英語レベルまで一気に整理してみます。
simultaneously を分けると
simul = 同じ
taneous = 時間に関する形容詞(ラテン語 tempus「時間」と同系)
-ly = 副詞化
つまり、「同じ時間に起こる状態」を副詞化
→ 「同時に」という意味が完成します。
長くて覚えにくそうな単語も、
意味のブロックに分けて考えれば、
自然に腑に落ちます。
sim は「同じ」を意味する
sim(同じ)という語根は、
つぎのような単語に見られます。
① 性質・内容が同じ
similar(似ている)
similarity(類似)
similarly(同様に)
dissimilar(似ていない)
dissimilarity(相違)
Their ideas are similar.(彼らの考えは似ている)
② 同じ側に取り込む
assimilate(同化する・吸収する)
assimilation(同化)
assimilate は
ad-(〜の方へ)+ simil-(同じ)
本来は ad + simil-。
発音のしやすさから
ad- が後ろの s に同化し、as- になりました。
③ 似せて作る
simulate(模擬実験する、ふりをする)
simulation(模擬実験)
④ 集めて一つにする
assemble(集める)
assembly(集会・集合体)
⑤ 時間が同じ
simultaneous(同時の)
simultaneously(同時に)
resemble ― 記憶が戻ってくる「似ている」
resemble は、
同じ映像や音、印象が脳裏に戻ってきて、
「あ、同じだ」と認識する感覚の動詞です。
re-(戻る)+ sembl-(同じ・似た〈姿・印象〉)
👉 過去の印象が呼び戻される
→ 見た目・雰囲気が似ている。
She resembles her mother.(彼女は母親に似ている)
facsimile(ファクシミリ)—「同じものを作る」
fac-(作る)〈fact / factory と同根〉+ simil-(同じ)
👉 同じものを作る。
sim=same を最もストレートに表した語の一つです。
simultaneously が覚えにくい理由
単語が長い → 副詞まで一気に来るので、形が重く感じる。
似た sim 系の単語が頭にいっぱいある → similar, simulate, assimilate など、どれも「同じ」を含むので混乱しやすい。
意味の軸が時間 → ほかの sim 系は「性質・見た目・同化」などですが、simultaneously は「時間が同じ」だけにフォーカスしているので、孤立して覚えようとすると、記憶に残りにくい単語です。
つまり、simultaneously は「sim = same の何が同じか」を意識する必要がある単語なのです。
まとめ(受験で使える覚え方)
sim = same
何が同じかを必ず考える
時間が同じ → simultaneous / simultaneously
空所補充の解答
① The two events happened simultaneously.
(その二つの出来事は同時に起こった。)
② The twins look very similar, but their personalities are different.
(その双子はとても似ているが、性格は違う。)
③ The country tried to assimilate foreign culture into its own society.
(その国は外国文化を自国の社会に同化させようとした。)
お疲れさまでした。最後まで読んでくれてありがとうございます!
これからも、現役高校生から寄せられた単語の疑問や質問を中心に、連載を続けていきます。
次回は、
なぜ、appropriate / appreciate は覚えにくのか
【受験英語攻略編②】
授業や講習で「これってどういう意味?」と思った単語や熟語があったら、ぜひ教えてください。一緒に語源の地図を広げていきましょう。
このシリーズでは
受験英語を語源・構造から攻略しています。
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