海辺の狐火|#毎週ショートショートnote
季節は梅雨。
時計は10時を指していた。
近所にある人気のない海岸の砂浜で、一人花火をしていた。
湿気でなかなか火がつかなかったが、何とかつくなり「パチパチ」という音とともに、暗闇が去り、代わって光の温もりが辺りに満ちた。
すると、海岸からそう遠くない沖合に、一つ、二つ、と小さな光が並んで点灯し始めた。
漁業に出るにはまだ早い時間帯。
狐火?
たしか狐火は字のごとく狐が生息する山間部に出るはず。こんな海辺に出るはずが。
ジューッ
波の音に混じりながら、何かを焼いている音が聴こえてくる。
そういえば、昔、ここでバーベキューしたな
今ごろどうしているかな⋯⋯
ワタシは点火した花火にもう一本の花火を近づけた。
はい、君のね
目の前の暗闇に差し出した手持ち花火。
いつの間にか海からの湿った風に運ばれて、魚介類を焼いたような香ばしい匂いが漂ってくる。
立ち上がりながら砂をサッと払うと、海に点々と浮かんでいる灯りを見つめながら呟いた。
いよいよ夏本番だね

(410文字)
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この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、【狐火バーベキュー】でした。
いつもお世話になっているAlpakaさんのコチラのイラストが気に入り、今回の作品に使用したくて、みんフォトに登録していただきました😌
イラストの世界観を壊したくなかったので、普段書かない「切ない系」に仕上げました。
余談ですが、当初案は、かなり頭がおかしい「ヒューマンサスペンス系?からの感動系?」を構想していましたが、Alpakaさんのこのイラストに出会ってしまったので、急遽取り止めました(笑)
ここまで読んでいただきありがとうございました🍀
