【在宅介護のリアル】50℃のお風呂と18時の睡眠薬。変えられない高齢者
退院手続きを先に済ませないよう伝えても無駄だった
2026年7月16日、入院していた母の退院が決まりました。「仕事休んで迎えに行けるなら頼む」と父が言うが、当日は父も病院に行くと言うため、退院の手続きを先に済ませないように父には伝えて、実家のホワイトボードに書いたり注意を促しましたが、予想通りダメでした。超せっかちな父は、予定の時間より早めに迎えに行き、予定時刻10分前到着の息子を待ってはいませんでした。
母は自宅に戻り、退院翌日も、再開した通所リハビリ(デイケア)も抵抗なく笑顔で出かけることができ、母自身に大きな混乱は見られなかったことは、まずは本当に良かったと胸をなでおろしています。
一方で、退院当日と翌日の2日間、退院手続きを待てない他にも「母を従わせようとする父」の、母の命の危険に関連する大きな問題がありました。
同居を始める前から、昔から存在していた「自分のペースに母を従わせようとする父の行動」が、母の体調を少しずつ悪化させてきたのだろうし、高齢者世帯ではこんなことは多いのだろうと想像します。
温度設定は常に「60℃」。危険すぎる熱湯風呂
退院当日、父が母に対して「湯船にお湯をためるから入りなさい」と入浴を勧めていました。何気なく、念のためにと思って湯船に手を入れてみた瞬間、「あー、いつもこうなのか」と心臓が跳ね上がりました。
「熱い……! これ、50℃は超えているんじゃないか?」
給湯器の温度設定は常に「60℃」にしている父です。本人は「熱いのが好みだから、お湯をためてから水で調整すればいい」「ぬるくしてる」と言うのですが、目が悪く感覚も鈍っている父が混ぜたお湯は、熱湯状態でした。
母は極端な低血圧の状態が続いているし、心臓の働きもかなり弱っています。そんな身体に、父の思う「気持ちのいい熱い風呂」「母のためにぬるくしている」と思っているだけの熱いお風呂は、危険な行為です。普段からこの熱い風呂に入れられては、母がぐったりすることを何度も繰り返していた状態に合点がいきます。
すぐに父に注意し、なぜ危険なのかを説明しました。しかし、父は昔から周囲の意見は聞かない性格です。どこまで理解したかは、全く分かりません。
18時の睡眠薬と暗闇のテレビ
さらにその日の夕食時、もう一つの見逃せない状況が発生しました。普段から夕食は17時過ぎから父は5分、母は30分ほどかけて18時前には終わるのですが、母が食べ終わるとすぐに、就寝前の睡眠薬を、早く飲めと母に強く促し始めました。
それもまた、リスクがあることを父に説明しますが、しばらくするとまた促して19時前には服薬していました。服薬してしまったものは仕方がないので、早めに休むように母を促しますが、皿洗いやキッチンの掃除を始めます。「続きは明日にしようか」と声をかけますが、なかなかやめないのでしばらく見守って、「明日でいいよ」と何度も声をかけ、休んでもらいました。
深夜には目が覚めて、何やら話し声が聞こえてきました。
翌日、19時前に仕事を終えて帰宅したときには、母はすでに就寝前の薬を服薬して、寝室のベッドに横になっていましたが、父が「今日は◯◯だからテレビを見せてあげないと」と暗がりの中でテレビを見せています。
これは、父の長年の習慣です。父は19時前後には寝室に入り、電気を消してテレビを21時過ぎまで見るのが毎日のルーティンです。母は21時頃まで居間でテレビを見たり、ナンプレをしたり、日記を書いたりして過ごしていると、父が何度も「早く寝ろ」と声をかけにやってきます。母は「ずんなか、一人でさっさと寝らんか」と五月蝿がっていましたが、今回の退院後はどうなっていくかわかりません。
18時頃というあまりにも早い時間に睡眠薬を飲ませ、脳がぼんやりしている状態で、暗闇でテレビを見せることの影響が心配になります。
伝えてもすぐには変えられない高齢の父。「好きにさせればいいのかな」という諦めが頭をよぎりつつも、母への悪影響は少しでも減らしたいという思いもあります。
AIを活用して、高齢者にやさしい資料づくり
退院手続きの手順をどれだけ伝えても無駄に終わったように、高齢の親に対して、気をつけてほしいことを口頭で伝えても伝わりません。父にとって、息子からの言葉は「子供の小言」に聞こえるのか「理解できない」「変えられない」「忘れる」の壁たちに跳ね返されるのが常です。
無駄に終わる可能性は高いですが、目の悪い父にも重大なリスクが伝わるように、資料を作ってみました。AI(Gemini+NotebookLM)を活用して、イラストと大きな文字による視覚的な「お薬と入浴に関する資料」を作成し、父に手渡しました。
その場では「ええ、そうか」という返事はあるものの、翌日もやっぱり同じことを繰り返します。効果は期待できなくても、何もしないより、いろいろ方法を試してアプローチを変えてみる。これもまた、経験です。
自宅介護の限界「寿命も含めた自由」の肯定を考える
支援職として、多くの高齢者世帯の縮図を見てきました。本人の意思や、夫婦の長年の関係性を尊重することは大切と学びます。しかし、目の前で起きていることが「悪化を助長するような行為」の場合、喜んで見過ごすことはできないけれど、本人の思い通りにしかできないのだろう。その複雑さが、常に在宅介護にはつきまといます。
「自宅で親の言動を管理することは無理があります」
もし、服薬ミスも許さず、お風呂の温度も高齢者の生活リズムも完全に24時間管理したいのであれば、仕事を辞めて介護するという非現実的な方法か、施設や病院という環境にお願いするしかありません。自宅で一緒に暮らしていくということは、そのカオス(混沌)も含めて受け入れるということなんだなと改めて思います。
漠然と思います。できる限りの工夫を試すけど、それでもダメなら、もう寿命も含めて本人たちの自由で自業自得だよな。そう割り切らないと、自宅での生活は継続できないものだなと。
📌 AIを活用した「高齢家族用の資料」
「何度言ってもお風呂を熱くする」「薬を早く飲ませてしまう」というトラブルが起きる。口頭で説得しても関係性が悪化しやすかったり、何より介護者のストレスが蓄積するだけです。今回、実際にAI(Gemini+NotebookLM)を活用して資料を作成してみました。
資料①:ぐっすり眠って転ばないために。睡眠薬の「早めの服用」と「テレビ」の意外な危険

こんなこと、ありませんか?
「飲み忘れが心配だから、19時頃に早めに薬を飲ませよう」
「薬を飲んだ後、薄暗い部屋で一緒にテレビを見よう」
「薬」と「テレビ」は相性が最悪です
薬は「眠らせる」力、テレビは「起こす」力。2つがぶつかると、薬が「毒」に変わってしまいます。
危険な理由
理由① 脳がパニックを起こす:強い光と音で、脳が「起きるべきか」「眠るべきか」迷い、浅い眠りになってしまいます。
理由② 現実と夢が混ざってしまう:薬でぼんやりした状態のとき、テレビの大きな音が鳴ると、「部屋に誰かいる!」という幻覚や、夜中の興奮(せん妄)の原因になります。
理由③ 心臓と血圧に負担がかかる:暗い部屋で明るい画面を見ると目に強い刺激が入り、自律神経が乱れ、心不全や低血圧の方には大きな負担になります。
理由④ 最も怖いのは「転倒と骨折」:薬が効いて足元がふらつく状態で、テレビの音に反応して急に立ち上がると、転倒して骨折し、そのまま寝たきりになる危険性が非常に高まります。また、睡眠薬で血圧が下がっている時に驚いて急に起き上がると、脳に血が巡らず「失神」して倒れてしまう危険があります。
解決策
解決策① 飲む時間は「寝る直前」に:飲み忘れを防ぐために早く飲むのはやめ、本当の寝る時間(20〜21時)にアラームを鳴らすか、目につく場所に薬を置きましょう。
解決策② 「薬」と「テレビ」を切り離す:薬を飲んだら必ずテレビを消す!テレビを見たいならまだ薬は飲まない!(テレビを消す直前に飲む)
資料②:慢性心不全・低血圧の方へ。安全なお風呂の入り方

熱いお湯(42℃以上)は、命の危険があります!
意識消失や心不全悪化の恐れがあります。絶対に避けてください。
なぜ危険?3つの理由
リスク1 急激な血圧低下:お湯で血管が広がり、血圧が急降下します。立ちくらみ・失神・浴槽内で溺れる原因になります。
リスク2 心臓へのダブル負担:水圧で、手足の血液が一気に心臓へ押し戻されます。弱った心臓には「処理しきれない負担」となります。
リスク3 見えない脱水:自覚がないまま、大量の汗で水分が失われます。血圧がさらに下がり、腎臓などの臓器に負担がかかります。
安全な入浴のための5つのルール
ルール1 脱衣所と浴室を温める:シャワーでお湯をためるなどして事前に温め、温度差(ヒートショック)をなくし、血圧の乱高下を防ぎます。
ルール2 温度は「38℃〜40℃」のぬるめ:高くても41℃以下を厳守。「少しぬるい」と感じる程度が、体には一番安全です。
ルール3 お湯は「みぞおち」まで:肩までどっぷり浸からない「半身浴」にすることで、心臓にかかる強い水圧を大幅に減らします。
ルール4 時間は「10分以内」:湯船に浸かる時間は合計10分以内(できれば5〜8分)にし、長湯せずに早めに上がりましょう。
ルール5 お湯から出るときは「ゆっくり」:急に立ち上がると血圧が急降下し、倒れる危険があります。一度、浴槽の縁に座り、段階を踏んでゆっくり立ち上がりましょう。
安全のためのプラスα
【水分補給】:入浴前後にコップ1杯(100〜200ml)の水を飲みます(※医師から水分制限の指示がある場合は必ず従ってください)。
【体調不良時】:無理に入浴せず、「足湯」や温かいタオルで「体を拭く」だけにしましょう。
もし、参考になる方がいれば、ご活用ください。
声で聴く:のんびり気ままなもとチャンネル
ストレス高めで、20分以上もおしゃべりしてしまった( ・∇・)
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