「プロパガンダの見抜き方」 鳥賀陽弘道 著 新潮新書
子どもの頃、わからないことがあって大人に質問したら、「子どもならもっと素直になれ!」と言われ、戸惑いました。
中学生のとき、「お前はおかしい、もっと中学生らしくしろ!」と先生から怒られましたが、そもそも「中学生らしく」の意味がわかりませんでした。
会社に入社した頃、「余計なことをしなければ、順調に出世し、定年まで安泰だ」という諸先輩方の言葉に、「あぁ、そうなのか楽勝じゃん」と思いましたが、実際、途中から安泰ではなくなりました。
同じく会社員のとき、「ゴルフが上手いやつは仕事ができる」と言う上司の言葉に、目が点になりました。
1980年代の「 Japan as No.1」については、「ほんまかいな?」と思いました。
一時期盛り上がった「日本すごい」の大合唱も、さっぱりわかりませんでした。誤解なきように言っておきますが、僕は日本は素晴らしいとは思っていますが、2000年代の経済低迷の中での大合唱は、理解できませんでした。
コロナ流行当時の「コロナはただの風邪だ」説は、全く理解できませんでした。
2022年にロシアがウクライナに侵攻した時、大変なことになったと思いました。ロシアは、考え直すべきだ、戦闘をやめ、撤退すべきだと思いました。
理由は簡単です。「いかなる主権国家に対する侵略行為は許されない」と考えたからです。
僕は、ウクライナが完全に「善」でロシアが完全に「悪」とは言っていません。ただ、ロシアの「侵略行為」がよろしくないと言ったに過ぎません。「やむにやまれぬ理由」があったにせよ、「侵略」はしてはいけないこと・・・と言うのが僕の考えです。
でも、そうした僕の考え方は、一部の人たちから非難されました。
そのすべての根底に流れている共通項があるのではないかということが、この本を読んでなんとなく見えてきた気がします。
以下、この本に示されているプロパガンダの定石です。
◆定石1 プロパガンダを効果的にするには物語性を持たせよ。(p.25)
◆定石2 極限までシンプルにしたメッセージを反復せよ。(p.79)
◆定石3 イエスかノーか二者択一を迫れ。(p.84)
◆定石4 有利な認識を形成できれば、真実でなくてもかまわない。あるいは真実を無視してもかまわない。(p.113)
◆定石5 「フレーミング」を用いよ。すなわち発信者にとって都合のいい事実だけを切り取って流し、それが全体であるかのような認識を広めるべし。(p.115)
◆定石6 ほんの少しの事実と大量のフィクションで構成するのが効果的である。(p.118)
◆定石7 自分の失敗や相手側の成功はできるだけ重要性が小さいように扱え(あるいは自分の失敗は、相手側がやったことにする)。反対に自分の成功はできるだけ大きく扱え。(p.119)
◆定石8 記憶の上書きをせよ。(p.119)
◆定石9 現実そのものを改変・加工せよ。(p.120)
◆定石10 グルーピングをせよ。「われわれ」と「彼ら」を分けよ。(p.121)
◆定石11 言葉づかいによって「われわれ」「彼ら」を区別せよ。(p.127)
◆定石12 「われわれ」は正しく「彼ら」は(事実において、道徳的に、科学的に、法的に、など)間違っていると主張せよ。(p.133)
◆定石13 外集団を「非人間化」「悪魔化」せよ。(p.136)
◆定石14 正解を示さなくてよい。聞く人が「どちらが正しいのかわからない」と混乱すればよい。(p.139)
◆定石15 恐怖をアピールせよ。(p.142)
◆定石16 自分は被害者であるとアピールせよ。(p.148)

