レポート4 謎のサロン
「正月くらいはゆっくりしたいのだけどな」
憂鬱な顔で依頼書をつまむ私に、ネコが言った。
「正月くらいは働きなさいよ」
やれやれ。
私は大仰に体を起こすと、しぶしぶと立ち上がった。
どうも気乗りしない依頼だ。
しかし、探偵の勘と言った所でネコが納得するわけもない。
私はきな臭さを振り払うように大股で部屋を出た。
私の名はヨッシャーロック。
私立探偵だ。
芋臭い埼玉の中でもさらに隅っこの、今夜町ごと消えても誰も気が付かないような田舎の一軒家の前に私はいる。

なんの特徴もない、普通の家だ。
看板もなければ、呪術的な何かを施しているといったドアではない。
表向きは「プライベートサロン」ということで通っているらしい。
しかし、私はこここそがとある秘密結社の本部ではないかと睨んでいるのである。
私は潜入すべく、インターフォンを押した。
回線が悪いのか、ひどくこもった男の声がした。まるで、地底にでもいるみたいだ。
私が名乗ると、
「山」
と男が言った。
合言葉か!?
さすがの私も狼狽を隠すのには手間取った。
なんという前時代的な……。
ドリフ的には「山」とくれば「川」だが、そんなはずはない。
仙人……か?
黙っている方が怪しまれる。
私は思い切って言った。
「秘湯」
「よし、入れ」
正解だったようだ。
しかし、これはまだ序章にすぎなかった。
扉を開けた私は愕然とした。

更に三つの扉だと!?
分かっている。
マンガでよくあるやつだ。
扉の向こうではそれぞれの試練が用意されていて、私はどの地獄かを選択しなくてはならない。
追われるものは左の道を選ぶという心理的なセオリーがある。
おそらく、左の扉の奥が最も狡猾で残忍な罠が仕掛けられているだろう。
よし。
受けて立とうではないか。
施術部屋に案内された。

なんだ。
私はホッとした。
考えすぎだったのかもしれない。
しかし、一歩部屋に足を踏み入れた私は恐怖で固まった。

スケルトンのガーディアン!
「しまった」
護身用のサイコガンに手を伸ばそうとした瞬間に後ろからガツンとやられた。
「くっ……」
意識が遠のいて行く。
どうやらここで人体実験、いや怪人をつくっているというのは間違いなさそうである。
消えかけた意識の端っこで、怪人博士の笑い声を聞いた気がした。
おわり
明けましておめでとうございます。
フリーのセラピストになりましたので、改造人間を増やしていきたいと思います。
では、さっそく新年特別企画のブルマの秘めごとをお聴き下さい。
ゲストは、あの「まっ子」さんです。
周りに人がいない状況がオススメです。
では、どうぞ。
