ビックテックが相場を救った先週の米国株(8/2 日本時間)


今回は、為替介入で注目のベッセント財務長官と片山財務相のツーショットをマティス調で


先週の米国株を一言でまとめるなら、「MicrosoftとAmazonがAI投資への不安をいったん和らげ、主要指数は反発したものの、Fedのタカ派姿勢、長期金利上昇、原油高が上値を抑えた一週間」でした。

週の前半は重い相場でした。

前週まで、Alphabet、Tesla、Intelなどの決算を通じて、投資家はAI投資に対してかなり慎重になっていました。
AIへの巨額投資は本当に回収できるのか。
設備投資が大きすぎて、フリーキャッシュフローを傷めていないか。
中国企業との競争で、AIモデルや半導体の価格決定力が落ちるのではないか。

この疑念が、週初からAI・半導体株の重しになりました。

さらに、水曜のFOMCではFedが政策金利を3.50〜3.75%に据え置きましたが、12人中3人が利上げを主張しました。Kevin Warsh議長はインフレ退治への強い姿勢を示しつつ、今後の具体的な政策パスを明確に示さなかったため、債券市場は混乱。長期金利が急上昇しました。

ところが、木曜から流れが変わりました。

Microsoftが強いクラウド見通しを示し、AI投資は「コスト」ではなく「収益につながる投資」だと市場に再認識させました。
金曜にはAmazonも好決算で急騰し、AI関連株への不安をさらに和らげました。

つまり、先週の相場はこうです。

AI投資への疑念
→ Fed据え置きでもタカ派色
→ 水曜に急落
→ MicrosoftがAI不安を打ち消す
→ Amazonも続く
→ S&P500、NASDAQ、ダウは週次で反発
→ ただし原油高と金利上昇は残る

一言で言えば、「AIは死んでいない。ただし、AI投資の勝ち組と負け組がはっきり分かれ始めた」という一週間でした。


主要4指数の動き

S&P500、NASDAQ、ダウは反発。Russell 2000はほぼ横ばい

7月31日(金)の主要4指数は以下の通りです。

S&P500
7月31日終値:7,489.72
前日比:+52.09ポイント、+0.7%
週間騰落:+77.74ポイント、+1.0%

ダウ平均
7月31日終値:52,485.03
前日比:+276.97ドル、+0.5%
週間騰落:+537.78ドル、+1.0%

NASDAQ総合
7月31日終値:25,373.85
前日比:+251.68ポイント、+1.0%
週間騰落:+398.03ポイント、+1.6%

Russell 2000
7月31日終値:2,931.34
前日比:-14.76ポイント、-0.5%
週間騰落:+1.34ポイント、ほぼ横ばい

週次では、NASDAQが+1.6%で最も強く、S&P500とダウがそれぞれ+1.0%。
一方、Russell 2000はほぼ横ばいでした。

この数字からわかるのは、反発の中心が小型株ではなく、大型株・AI関連だったということです。

先週は、MicrosoftとAmazonが相場を救いました。
一方で、Russell 2000がほとんど上がっていないため、相場の裾野が大きく広がったとは言い切れません。

つまり、先週の上昇は、
「全面的なリスクオン」ではなく、AI勝ち組への選別買い
と見るべきです。


1週間の流れ

月曜:Big Tech決算待ち。指数はまちまち、半導体はまだ弱い

7月27日(月)は、週の重要イベントを前にした様子見相場でした。

S&P500は+0.02%
NASDAQは
-0.18%
ダウは
+0.51%。

この日は、Microsoft、Amazon、Meta、Appleの決算を控え、投資家はAI投資の回収可能性を見極めようとしていました。

前週のAlphabetとTeslaの決算では、AI投資の大きさとフリーキャッシュフローへの負担が嫌気されました。
そのため市場は、今週のメガテック決算でも同じ問題が出るのではないかと警戒していました。

一方、原油は下落しました。
トランプ大統領が、イランとの協議について「良い話し合いをしている」と述べたことで、Brent原油は約89ドルまで下落。前週の100ドル超から大きく下がりました。

ただし、半導体はまだ弱いままでした。
PHLX半導体指数は-2.2%
6月22日の高値からは
21%安となり、半導体相場のしこりは残っていました。

出来高は158億株
20日平均の182億株を下回り、上昇・下落ともに迫力は限定的でした。

月曜の相場を一言で言えば、
「原油安は支え。ただしAI決算待ちで、半導体はまだ疑心暗鬼」
です。


水曜:FOMC据え置きでも急落。3人が利上げを主張

水曜が、先週前半の最大の山場でした。

Fedは政策金利を3.50〜3.75%に据え置きました。
しかし、問題は据え置きそのものではありません。
FOMCメンバー12人のうち、3人が25bpの利上げを主張して反対票を投じたことです。

これはかなりタカ派的です。
市場は「据え置きなら安心」と見ていましたが、実際にはFed内部で利上げ圧力がかなり強いことが示されました。

さらにWarsh議長は、インフレ退治への強い意志を示しながらも、次に何をするのかを明確には語りませんでした。
これが市場を困惑させました。

株式市場は急落。

S&P500は-1.52%
NASDAQは
-1.74%
ダウは
-2.19%。

NASDAQ100は、6月の高値から約11%下落
AI関連株の売りも続きました。

SK Hynixは、利益が6倍に増えたにもかかわらず、市場の高すぎる期待に届かず、韓国市場で-10%
Vertivも決算が失望され、
-17%。
AIインフラ関連の期待値がどれほど高くなっていたかを示す動きでした。

この日の出来高は177億株
20日平均の173億株を上回りました。

つまり、水曜の下落は薄商いではありません。
FedとAI株への不安が、しっかり売買を伴って表面化した日でした。

この日の相場を一言で言えば、
「Fedは据え置いた。でも市場は“次は利上げかもしれない”と受け止めた」
です。


木曜:Microsoftが相場を救う。AI投資は“回収できる”と市場が再評価

木曜は、まさにMicrosoftの日でした。

Microsoftは、強い売上見通しとクラウド成長見通しを示し、株価は15%超上昇。
1日で時価総額を約4,500億ドル押し上げ、過去最大級の時価総額増加となりました。

市場が評価したのは、単に決算が良かったからではありません。

重要だったのは、
AI投資をしている
でもクラウド成長につながっている
設備投資も市場予想より抑えられている
フリーキャッシュフローも維持できる見通し
という点です。

つまりMicrosoftは、
「AI投資は重いコストではなく、ちゃんと回収できる投資だ」
と市場に示しました。

これが、AI相場全体の空気を変えました。

PHLX半導体指数は+8.2%
Micronは
+18%
SanDiskは
+26%
AMDは
+13%。

S&P500は**+1.66%
NASDAQは
+2.78%
ダウは
+1.19%。

水曜の急落をかなり取り戻す、強い反発でした。

ただし、すべてが良かったわけではありません。
Metaは、第2四半期のフリーキャッシュフローが91%減少し、AI投資負担が嫌気されました。

つまり、同じAIでも明暗が分かれました。

Microsoftは、AI投資が収益につながると評価された。
Metaは、AI投資がキャッシュフローを圧迫していると見られた。

この違いが、今後のAI相場を見るうえで非常に重要です。

木曜の出来高は180億株
20日平均の172億株を上回りました。
上昇銘柄は下落銘柄を2.2対1で上回り、反発としては内容も悪くありませんでした。


金曜:Amazonが続く。Appleは失望、でもNASDAQは上昇

金曜は、AmazonとAppleの明暗がくっきり分かれました。

Amazonは好決算を受けて急騰。
市場は、同社のAI投資が業績に結びつき始めていると評価しました。
これがNASDAQを押し上げました。

一方、Appleは失望されました。
供給制約が今後の成長を圧迫するとの見方に加え、iPhone値上げによる需要鈍化リスクも意識され、株価は-7.4%と大きく下落しました。

それでも主要3指数は上昇しました。

S&P500は+0.7%
NASDAQは
+1.0%
ダウは
+0.5%。

ただし、小型株のRussell 2000は-0.5%。
ここが重要です。

AmazonとMicrosoftが強かったため、指数は上がりました。
しかし、小型株まで広く買われたわけではありません。

金曜の出来高は206億株
20日平均の171億株を上回り、かなり重い商いでした。

また、NASDAQでは新高値が52、新安値が131
指数は上がりましたが、市場内部は決して全面強気ではありません。

金曜の相場を一言で言えば、
「AmazonがAI不安を和らげたが、Appleと市場内部はまだ弱い」
です。
これ以降は、

・経済指標
・Fed・金利・為替
・ホルムズとバブエルマンデブが市場の火種
・Put/Callと新高値・新安値は警戒を残す
・勝ち組はMicrosoft、Amazon、半導体。負け組はApple、Meta
・テクニカル分析
・金・ビットコイン・その他アセットクラス
・今週の相場をどう見るか
・投資戦略
  ・シナリオA
  ・シナリオB
  ・シナリオC
・今週の注目点

です。

※本記事は公開情報に基づく筆者個人の見解です。特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
※掲載している数値は、Reuters、AP、Cboe、MarketWatch、Investing.com、CNBC、CNN、Bloomberg、WSJ、FINVIZ等の公開情報に基づきます。

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