NASDAQが2週連続安の先週の米国株 (7/26 日本時間)

先週の米国株を一言でまとめるなら、「AI投資への疑念と原油100ドルショックが重なり、NASDAQ主導で上値の重い一週間」でした。
週初は、前週に大きく売られた半導体株の買い戻しで始まりました。
しかし、週後半にAlphabetとTeslaの決算が出ると、流れは一変しました。
問題になったのは、売上や利益そのものではありません。
むしろ、市場が嫌ったのは、AI投資に伴う巨額の設備投資とキャッシュフロー悪化でした。
AlphabetはAIインフラ投資のために支出見通しを引き上げ、TeslaもAI・ロボタクシー・ロボット関連の投資負担が意識されました。
さらに、Intelも好決算・好ガイダンスを出したにもかかわらず、投資家は追加投資計画を嫌気しました。
そこに追い打ちをかけたのが原油です。
中東情勢が再び悪化し、Brent原油は一時102ドルまで上昇。
木曜には100ドル超で引け、インフレ再燃とFed利上げ観測が市場を圧迫しました。
つまり、先週の相場はこうです。
AI決算への期待
→ 週初は半導体買い戻し
→ しかしAlphabet・TeslaでAI支出不安
→ 原油100ドルでインフレ懸念再燃
→ Fed利上げ観測上昇
→ NASDAQと小型株が売られる
→ ダウは相対的に底堅い
相場全体が崩壊したわけではありません。
しかし、AI投資の「夢」よりも、AI投資の「コスト」が意識され始めた週でした。
主要4指数の動き
主要4指数はそろって週間下落。NASDAQとRussell 2000が弱い
7月24日(金)の主要4指数は以下の通りです。
S&P500
7月24日終値:7,411.98
前日比:+3.68ポイント、ほぼ横ばい
週間騰落:-45.71ポイント、-0.6%
ダウ平均
7月24日終値:51,947.25
前日比:+235.60ドル、+0.5%
週間騰落:-199.17ドル、-0.4%
NASDAQ総合
7月24日終値:24,975.82
前日比:-161.87ポイント、-0.6%
週間騰落:-544.42ポイント、-2.1%
Russell 2000
7月24日終値:2,930.00
前日比:-10.16ポイント、-0.3%
週間騰落:-32.22ポイント、-1.1%
この数字を見ると、先週の弱さはかなり明確です。
S&P500は週間-0.6%。
ダウは週間-0.4%。
NASDAQは週間-2.1%。
Russell 2000は週間-1.1%。
一番弱かったのはNASDAQです。
大型テック、半導体、AI関連が重かったためです。
一方、ダウは比較的底堅く、金曜には+0.5%上昇しました。
これは、投資家がAI・半導体一極集中から、エネルギー、ディフェンシブ、バリュー、金融などへ一部資金を移していることを示しています。
ただし、Russell 2000も週間で-1.1%。
小型株まで買われているわけではありません。
つまり、相場の裾野は広がっていません。
1週間の流れ
月曜:半導体の買い戻し。ただし中東リスクは残る
週初の7月20日(月)は、前週に売られた半導体株の買い戻しが入りました。
S&P500とダウは下落しましたが、NASDAQは相対的に底堅く、チップ株が前週の下落分を一部取り戻しました。Alphabetも、GoogleがGemini統合型サーバーチップを開発しているとの報道を受けて上昇し、AI効率化への期待が支えになりました。
ただし、この時点で相場はまだ慎重でした。
米国とイランの緊張は続き、停戦仲介案は出ていたものの、戦争が完全に収束したわけではありません。
市場は、AI決算を待ちながらも、原油と中東ニュースを常に意識していました。
この日の相場を一言で言えば、
「半導体は戻したが、まだ安心はできない」
です。
火曜:SOX急反発。AI株が一度は主導権を取り戻す
7月21日(火)は、半導体株が大きく反発しました。
ダウは+0.74%。
S&P500は+0.89%。
NASDAQは+1.29%。
PHLX半導体指数は+5.2%。
前週に20%超下げて弱気相場入りしていた半導体株に、強い買い戻しが入りました。
Micron、NvidiaなどAI関連が指数を支え、相場はいったん落ち着きを取り戻しました。
この日のロジックは明確です。
前週の半導体急落
→ 売られすぎ感
→ AI決算への期待
→ 半導体買い戻し
→ NASDAQ主導で反発
ただし、火曜の反発は「トレンド回復」というより、まずはショートカバーと押し目買いの色が強い動きでした。
本当に重要なのは、その後に控えていたAlphabetとTeslaの決算でした。
水曜:原油高とBig Tech決算待ち。NASDAQは再び失速
7月22日(水)は、再び中東と原油が市場の重しになりました。
米国とイランの攻撃応酬が続き、原油は6週間ぶり高値圏へ上昇。
中東の海上輸送不安が再び意識されました。
株式市場では、AlphabetとTeslaの決算を控え、投資家は様子見姿勢を強めました。
ダウはほぼ横ばい。
S&P500は小幅安。
NASDAQは-0.57%。
この日のポイントは、半導体株の中でも明暗が分かれたことです。
Nvidiaは上昇しましたが、Micronは下落。
AI関連株全体をまとめて買うというより、投資家は銘柄ごとの収益性、投資負担、キャッシュフローを見始めていました。
つまり、水曜時点で相場はすでに、
「AIの成長性」から「AI投資の採算性」へ関心が移り始めていた
と言えます。
木曜:Alphabet・Teslaショック。原油100ドルでNASDAQ急落
7月23日(木)が、先週の最大の山場でした。
AlphabetとTeslaの決算を受けて、投資家の警戒感が一気に高まりました。
Alphabetはクラウドなどの成長は強かったものの、AIインフラ投資に伴う支出増加が嫌気されました。
Teslaも、AI、ロボタクシー、ロボット関連への投資負担が重く、キャッシュフロー悪化が意識されました。
市場が見たのは、売上成長ではありません。
「その成長のために、どれだけ現金を燃やすのか」
です。
同時に、原油も急騰しました。
Brentは一時100ドルを突破。
前日には100ドル超で引け、原油高によるインフレ再燃リスクが市場を直撃しました。
この日の株式市場は大きく下落しました。
S&P500は1%超下落。
NASDAQは2%超下落。
通信サービスセクターはAlphabetの下落で-5.2%。
VIXは一時20.3まで上昇し、終値でも18.7まで上がりました。
木曜の相場を一言で言えば、
「AI投資のコストと原油100ドルが、同時に市場を冷やした日」
です。
金曜:原油は反落、しかしNASDAQは戻せず
7月24日(金)は、原油が反落したことで市場全体はやや落ち着きました。
Brent原油は、前日に102ドルまで上昇した後、金曜は96.78ドルまで下落。
原油安はダウやS&P500を支えました。
しかし、NASDAQは戻せませんでした。
理由は、半導体とAI関連株への不安が残ったためです。
Intelは、売上・利益見通しが市場予想を上回りました。
しかし、同時に今後2年間の投資拡大を示したことで、株価は売られました。
投資家は、良い決算よりも、AI投資に伴う支出増加を嫌がったわけです。
金曜の出来高は、米国取引所全体で150.3億株。
20日平均の182.2億株を下回りました。
つまり、週末の下げ止まりは、強い買い戻しというより、原油反落と週末要因による小休止に近い動きでした。
金曜の相場を一言で言えば、
「原油安で下げ止まったが、AI不安は消えなかった」
です。
これ以降は、
・PMIはサービス主導で改善、雇用も強い。だからFedはまだ安心できない
・7月FOMCはまさに「ライブ」
・Red SeaとHormuz、二つのリスクが市場を揺らす
・VIXは急上昇、Put/Callは警戒感あり
・セクター・個別株
・テクニカル分析:S&P500は50日線割れ、NASDAQは安値更新
・金は、原油高とFed利上げ観測の綱引き
・先週の相場をどう見るか
・今週の投資戦略
・シナリオA
・シナリオB
・シナリオC
・シナリオD
・今週は、7月相場最大級のイベント週
・まとめ
です。
※本記事は公開情報に基づく筆者個人の見解です。特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
※掲載している数値は、Reuters、AP、Cboe、MarketWatch、Investing.com、CNBC、CNN、Bloomberg、WSJ、FINVIZ等の公開情報に基づきます。
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