「書く」を楽しく続けるために好きなことを仕事にする秘訣
先ほど、マーブルコミュニティの【「書く」を楽しく続けるために好きなことを仕事にする秘訣】というイベントに登壇しました。
参加者の皆様からは嬉しい感想をいただきました。
中村洋太さんが「エッセイスト」「旅行ライター」として活躍していらっしゃるのは、書籍からの積年のインプットと2010年から続くアウトプットの賜物でしかないと感じた。それだけでなく、いやそれ以上に、やると決めたら何かを犠牲にしてでもやりきる覚悟・本音を取り繕わない真っすぐさ・自分と向き合…
— 間宮まさかず|ライター #親子の書く習慣 発売中! (@mamiya_writer) October 28, 2024
【「書く」を楽しく続けるために好きなことを仕事にする秘訣】
— るて / ライター志望 (@rute_diary) October 28, 2024
中村洋太(@yota1029)さんの熱量マシマシのお話を聴いて私も熱くなった!!!❤️🔥❤️🔥❤️🔥
飾らず、「本音」と「弱さ」をさらけ出している人が応援されやすいっていうのにまじ納得😍#マーブルコミュニティ
トラベルライター中村さん(@yota1029)の講座に参加✍️
— だま|複業フリーランス (@DGoodliving) October 28, 2024
記録と作品の違い。自分語りと内輪ネタの区別。経験は早いうちに。その時にやりたいことはやりきる。
旅行記の書き方だけではなくキャリアとの向き合い方もお話いただき、貴重な機会でした。ありがとうございました✈︎#マーブルコミュニティ
今回は、事前に質問が与えられていました。その回答のメモ書きをここに記します。
※イベントでは即興で話した内容もあるので、実際の回答とは少しズレます。
トラベルライターについての質問集
【質問1】旅程、金額、現地で体験したこと、自分が感じたこと、そもそもなぜこの旅行を決めたのか…など、旅行は切り口が多いので、書こうと思うと無限に広がるし、絞ろうと思うとどこをポイントにするか悩みます。おすすめの形式(フォーマットのようなもの)はありますか?
本当にそう。記事の目的をどこに置くか。
あくまで自分の場合は、だけど、
・記録としての旅エッセイ(note)
・作品としての旅エッセイ(外部メディア、コンテスト、note)
という2つの棲み分けがある。記録としての記事では、一日の流れに沿って書く。記憶はいつか忘れる、という前提で、なるべくすべて書く。すぐに書いておけば、鮮度は保たれる。それを元ネタに、いつでも作品にすることができる。記録しておけば、10年後でも作品を書ける。でも記録しておかないと、細かなことは結構忘れてしまう。
金額は、書いても書かなくても。好きでいい。大切なのはバランスで、自分の体験は書いても、内輪ネタっぽくしないこと。読者を意識したオープンな内容であること。説明不足だと内輪ネタ感が出てしまう。
まずは自分が、何を書きたいのか。記録を書きたいのか、作品を書きたいのか。
記録はどうしても総花的になる。だから「おもしろさ」は薄れるかもしれない。作品なら、旅行中の何かにテーマを当てることになる。余計なことはカットする。旅行中、強く印象に残ったことがあるなら、それに焦点を当てればいい。
(参考)ベルギーでの出来事を書いてバズった記事
【質問2】すぐに書けなくて、思い出だけがいまだに残っている旅行がたくさんあります。昔の体験を掘り起こして旅行記にするのはありですか? 最新情報に価値があるように感じ、書きそびれると書けなくなります。
確かに最新情報には価値がある。これは、ひとつの側面としては正しい。
だけど、虚しさもある。世界は常に更新されるものだから。最新情報だけに価値があるとしたら、ずっとガイドブックを読んでいればいいし、その作り手になればいい。
でもぼくが旅行する際に参考にする本って、ガイドブックだけではない。たとえば台湾に行くとき、司馬遼太郎の『街道をゆく 台湾紀行』を読む。フィンランドなら、片桐はいりさんの『わたしのマトカ』。アラスカなら、星野道夫さんの『旅をする木』。いずれも、それぞれが何年も前に旅したときのエッセイだ。
もちろん、そこで紹介されている飲食店などは今はもうないかもしれないし、街は新しくなっている。それでも、変わらないものってある。国民性とか文化とか、そういう内面的なものってずっと残ってる。優れた紀行エッセイには、普遍性が描かれている。
新しさって表面的なもの。もちろん、束になればいくらか意味は出る。だけど木で言えば、枝葉に過ぎない。もっとどっしりとした幹を意識してほしい。読むときも、書くときも。
あと、旅行記って、事実だけを書いたらおもしろくない。というか、「あなたが書く理由」がない。体験や事実と、それに対してどう思ったのか。そこに唯一無二性が出てくる。心情、感情。人との出会いも一期一会。そこに最新情報も何もない。運や偶然もある。それらをどう料理するか。
【質問3】常にいろいろな場所に行かれているイメージがありますが、体力も気力も無理せずお仕事を続ける秘訣はありますか?(私も旅が大好きだけれど、調子に乗って動きまくっていると疲れモードでお仕事にも影響していしまうことがあり、その静と動のバランスをどう保たれているのか聞いてみたいです!)
ぼくはなぜか、旅行していると元気になってくるタイプ。それでもときどき、このままだと風邪を引くな、と予感することがある。そういうときは早く寝るなどして、対策する。あと、旅行中もお酒はほとんど飲まないし、人と会うのもほどほどにする。
それはさておき、体力って大事。日頃からランニングして体力は維持しておく。でも普段は、いつも同じスタバにいる。それでバランスを取っている面もあるかもしれない。つまり、東京にいる間も動き回っているわけではない、ということ。
【質問4】旅系の記事を書くときに、自分語りにならないよう意識しているポイントはありますか?またトラベルライターとして気をつけている写真の撮り方があれば教えていただきたいです!
個人noteでは自分語り。でも仕事では、クライアントが何を求めているのか、それを最優先。自分語りにした方が成果を出せるときもあるし、そうじゃないときもある。その都度の判断。
写真は大事。ぼくは9年くらい前、写真家に憧れた時期もあった。そのときいろんな本を読み、写真集を見た。写真もたくさん撮った。
撮りまくること。構図がとくに重要。光の当たり方とかもあるけど、明るさとかは後からいくらか補正できる。でも構図は変えられない。同じ場所でも複数の角度、構図で撮って、どれがいいかチェックする。そういうことを繰り返す。
ぼくはなんでも写真を撮る。数が違う。こだわる。たとえば湖を撮るとき、水面はどのくらいまで映すか。空はどのくらい入れるか。毎回2〜3パターン撮って、良い塩梅を探る。展望台では、人の後ろ姿をあえて入れた方が臨場感が出る、とか。そういう技を、撮りながら獲得していく。
エッセイについての質問集
【質問1】中村さんが思うエッセイの定義はなんでしょうか?どんな要素を入れたらエッセイになるのか、そもそもエッセイとは何かがわからず悩んでいます。
エッセイは自由度の高い文章。定義は人それぞれ。ぼくは、自分の体験や出来事、それに心情の変化や気付きを入れたものは、なんでもエッセイだと思っている。
でも大事なのは、人が読んでおもしろいと思うもの。内輪ネタにしない。自分が味わった感動や、辛さ、悲しさと、同じ感覚を味わってほしい。そのために書いている。徹底して、追体験してもらえるように書いている。
知り合いが書いたnoteよりも、優れたエッセイ作品を読んでほしい。書店に売っている本の、その中でもとりわけ評価されているエッセイを。村上春樹さん、星野道夫さん、吉本ばななさん、片桐はいりさんなどのエッセイはぼくにとってお手本。
文章術の本などで、いろんな人が「エッセイとは、○○である」と言う。それはそれぞれに正しいと思うけど、それを覚えたところでエッセイが上手になるわけじゃない。
他人の定義よりも、自分なりに解釈してほしい。「エッセイってこんなものだよな」って。たくさん読むなかで、わかってくることがある。
何を書けばいいのかわからなかったら、まずは読んで。おもしろい作品をきちんと味わって。おもしろいものがわからない人におもしろいものは書けない。書くよりも読む方が大事かもしれない。何がおもしろいのか、そしてなぜ私はこれをおもしろいと思ったのか、それがヒントになる。
おもしろいと思えたら、「私もこういうのが書きたい」と思ったりする。そこを出発点にした方がいい。
▶︎おすすめのエッセイ本いくつか
【質問2】エッセイでお仕事するにあたり、クライアント・読者に対する深い理解、汲み取り力が必要と思っております。中村さんがふだん心がけていることがあれば、伺いたいです!
クライアントは何を求めているのか、読者は何を読みたいのか、そしてそのうえで自分は何を提供できるのか。その最適解を探ること。
「自分のおもしろさ=他の人にとってもおもしろいもの」
となれば、楽なんだよね。それが書き手にとってのセンスかもしれない。だからそのセンスを磨くこと。
いろんなものを読み、自分の視野の狭さ、見識の乏しさを自覚しながら生きること。「こうじゃない見方」があるかもしれない、と思うこと。
自分の小ささを知り、書くことの可能性を広げる。自分の経験を、クライアントや読者にとっての最適解にする。
フリーランスキャリアについての質問集
【質問1】自分のキャリアについてどのくらいの頻度で考えていますか?理想を実現するために意識していることもあればお伺いしたいです!
毎月振り返る、とか決めてるわけじゃないけど、ある意味では常に意識をしている。
ぼくの場合は、先に不安が来る。夜中に起きてしまう。それで不安に気づく。ほとんどがキャリアの不安。
果たして、これが自分が望んでいた人生なのだろうか? どうしてこうなってしまったんだろう? 本当にやりたいことをできているのか? できていないのであれば、なぜ自分は動けないんだろう?
そんな自問自答の連続。素直になること。吐き出すこと。紙のノートに書くこと。自分だけの時間を作ること。ランニングもそういう目的がある。
【質問2】純粋な好きだけで走ること、種まきをすることに不安や焦りはありませんでしたか?
ある。お金は有限だから。でも動かないと何も起こらないし、自分の人生だから。種まきしなくても何かチャンスが巡ってくるならいいけど、あるいは種まきしなくても自分が勝手に成長するような環境にいるならいいけど、そうじゃないなら、アクションを起こすしかない。
勇気はいるけど、じゃあこのままズルズルと中途半端な人生でいいのか?って考えたら、悩むよね。悩まなくなったら終わりだよね。
チャレンジして後悔したことはあまりないし、お金は後からなんとでもなる。でも時間や若さは取り返せない。経験は若いうちにした方がいい。残された人生が長い方が、たくさん生かせるのだから。
【質問3】やりたいことがたくさんあると、時に取捨選択が必要となるはず。優先順位の付け方や、手放し方で意識していることがあれば知りたいです!(いろんなものを諦めきれない)
本当にやりたいことはなんなのか。と自問自答するしかない。そして捨てるときは全部捨てる。旅しているときは旅と原稿に集中したいから、他の仕事は手放す。
でも、ぼくもいろんなことをやってきた。共通しているのは、これをやると決めたら高い熱量でやり切ること。やっているうちに次の目標ができて、移り変わるのは悪いことじゃない。常に全力で生きるのが、限られた人生を無駄にしない生き方。中途半端にいろんなことに手を出すと、大した結果は得られないし、周りからもそう見られてしまう。
【質問4】自分のやりたいことや好きなことをどう周りに伝えているか(SNS以外のシーンで)。中村さんのように、応援される存在になりたい!
SNSでもリアルでも、率直に、本音で話すことじゃないかな。弱さもさらけ出すこと。どんどん発信すればいい。一度の発信ですべてをわかってもらおうなんて考えないこと。同じことを言い続ける。人間性を理解してもらわないといけない。
以上です。みほさん、参加者の皆様、ありがとうございました!
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