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【オトナになることのうた】back number●「ある未来より愛を込めて」からにじみ出る大人の姿

気温が寒くなるスピードが、やや遅いですね。助かりますわ。腰から下が冷え気味な青木としては(電気毛布&コタツ派)。

バタバタしていて、先日は行きそびれた試写会があったのが残念。原稿の締め切りのためにスケジュールが追い付かず、ムリでした。


そんな合間に『爆弾犯の娘』を読みました。なるほど、数奇な人生……。それを豊かな表現力で活字にされた著者の梶原さんは、さすが脚本家さんだけではある。


梶原さんは、映画『櫻の園』に出ていたんですね。元・俳優の方ですね。


しかもこの本『爆弾犯の娘』に、最近も取材でお会いしたマンガ家の髙橋ツトムさんが登場していたのは驚き。たまたまその話をインタビューの席で聞いたわけですが。「俺はただ出てるだけだけど(笑)」と言われてました。


あとは、SHERBETSのツアーに行きましたね。バンドの歴史を感じたライヴでした。次回は仲田さんが復帰されますように。

それと今夜はザ・コレクターズのドラマー、coziくんの50歳記念のライヴに行ってきました。浅田信一さん、古市コータローさん、ヒーセさん、そしてcoziくんのキャリア最初のバンド、Raspberry Circusとの共演。あたたかい空間でした!


では、今回はback numberの曲について書きます。

back numberの記憶


back numberは、自分にはそれほど縁のないバンドで、つねに遠巻きに見ていた。とはいえ、過去にライヴハウスや武道館でのコンサートにお邪魔したことはある。

彼らはラブソング、それも相手への未練の残る思いを、優れたメロディに乗せている印象で、そのエモーションがアリーナ会場でもしんしんと降り注いでくるのは圧巻だった。

今でもテレビやラジオの音楽番組などで彼らの曲を耳にすることは多い。そこで思うのは、このバンドの歌がずっと長い期間にわたって愛され続けていることだ。
さっきの番組の中にはチャートを紹介するものもあって、それももちろんラブソング特集とか、年代ごとのヒット曲とか、あるいは昨今のカラオケチャートのランキングもあったりする。back numberの曲は、それらのチャートのことごとくで、たいていは何かの曲が入っている。それも、場合によっては複数の楽曲が。

近年のトップクラスのアーティストたちの顔ぶれを思うと、彼らももはやベテランの域に近づきつつある。僕がレーベルのプロモーターから新人としての彼らの音楽を紹介されたのもずいぶん前の時代だ。メジャーデビューは2011年か。


そういえば毎年、獨協大学の講義で僕はサエキけんぞうさんにお会いしているのだが、その授業内の「今年のトピック」で僕がback numberを取り上げたことがある。たしか「高嶺の花子さん」を紹介したから、この曲が売れた2014年頃だ。


その場でサエキさんは、群馬のバンドコンテストの審査員を務めた際に、アマチュア時代の彼らの生演奏を観たことを話された。なんと。

そのぐらい長期間の活動をしてきている彼らは、今も音楽シーンの前線に君臨しながら、高い人気を保ちつつ、作品を出し続けている。とんでもないことだと思う。

さて、先日、back numberの名をニュースで目にしたのは、『紅白歌合戦』に出るということだった。今回が2回目の出場だと知って、そうなんだ?と思った。もっと出ていても良さそうなぐらいなのに。

そして個人的に、それ以上に思ったのは、後日の発表で『紅白』では新曲「どうしてもどうしても」と「水平線」を披露するという事実である。

そこで唄うのは、今年リリースした「ある未来より愛を込めて」じゃないのか~!ということだった。

「ある未来」から若者たちへのメッセージ


back numberの「ある未来より愛を込めて」は、今年2025年の6月にリリースされている。タイトルを耳にした時に、どういう意味なんだろう?と思った。


やがて曲がリリースされる頃、次のような発表があった。
この曲は、モスバーガーの新ブランド「食べるHAPPY」のCMに使われるとのこと。

それに当たっての、清水依与吏のコメントである。

子供の頃の休日に
家族と食べたモスバーガー

高校時代に部活の帰りに
友達と食べたモスバーガー

スタジオで編曲作業の休憩時間に
back number3人で食べるモスバーガー

今までモスバーガーからたくさんもらってきた「ワクワク」とか「笑顔」とか「また頑張ろう」……そんなポジティブなエネルギーを楽曲にしたらどんな形だろう? 少しは恩返しが出来たりするかな? なんてところから作りはじめたら、出来上がった曲に涙が出て、またモスバーガーに力をもらってしまった気がしています。

今回のコラボレーションで、身体の内側からも外側からも、こだわりと愛を受け取ってもらえたら嬉しいです


この楽曲では、教室や未来、悪口や百年の恋、千年の恋などが描写される。そして<今日嫌いになっても/続きがあること>……そして<まだ君の知らない未来より/愛を込めて>と、最後には<摩訶不思議で奇妙奇天烈に素敵な未来より/愛を込めて>といったことが唄われる。

CMの曲なのでポジティヴな流れになっているのはもちろんだが、その合間では決して前を向いてばかりいられるわけではない現実が織り込まれている。ここで唄いかけられている<君>は、学生であったり、若者であったり、だろう。
つまりこの歌は、大人になった清水、大人になったバンドのback numberから、若い世代に向けたものなのである。

この歌で僕は、大人になり、そして対象の子たちより先の人生を生きる自分たちのことを<ある未来>とたとえるセンスに感服した。
そして、若い子たちに希望を、前向きな感情を伝えようとする彼らの姿勢をとてもいいものだと感じた次第である。


上から目線でなく、説教くさくもなく。若い子たちより、ちょっと(ずいぶん?)長く生きた人間からのメッセージでもあるし、励ましでもある。それをこうしたポップソングに乗せて、サラッと唄ってしまえること。素晴らしいと思った。

若い子たちへの接し方は、なかなか難しい局面もある。中には、すごく偉そうに見せている大人もいるし、昔の自慢話を押し付けるように話している人もいる。そういう痛いおっさんにはならないようにせねば、と思う。
この曲「ある未来より愛を込めて」のように、大人がこういう言い方をしてくれたら、きっと若い子もうれしいんじゃないだろうか。

そして何よりも、自分(たち)を「ある未来」と、サラッと唄っているback number。すごいなと、あらためて思う。
僕としては、この曲こそ『紅白』で唄ってほしい。



水道橋の菩提樹にて
ロースかつ定食、1980円。
この値段のランチであるが
それだけのものであることは間違いない

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