【🇮🇷イラン旅行記】世界最古の一神教『ゾロアスター教』に浸る。
安部総理のイラン訪問、ペルシャ湾での日系タンカー攻撃など、日本にも急にイランネタが増えてきましたね。ヨシモトです。
僕はイランの”へそ”、砂漠の街ヤズドYazdという所にいますので無事です。
さて、このヤズドに来たのは、とにもかくにもゾロアスター教の聖地巡礼がしたかったから。
(僕は宗教家でも探検家でもなんでもないので、以下の情報が間違ってたらすいません)
紀元前の古代ペルシアの時代に起こり、現在もその信者数が世界で10万人ほどはいると言われているゾロアスター教。
ここヤズドはその聖地として「炎のほこら」「沈黙の塔」など、ガイドブックを開いただけでドラクエ的なわくわく感をそそられる聖地が並ぶ。僕はただの”旅行者”なのですが、見たい!知りたい!という”知識欲”は人より強いようで、このゾロアスター教についてもイランに行くと決めてから知ったぐらいなのですが、知れば知るほど面白い。
まず前置きとしてゾロアスター教では「火」を崇める。
ここヤズドにある「炎のほこら」でも、何千年もずっと、その灯火を絶やさずにいるというから凄い。しかもテヘランなど他の街では”油”を燃料にしているそうだが、ここでは”木”なので、もちろん人の手によって厳密に管理されていないといけない(適宜、薪のような木材を足さないといけない)わけで、その長い歳月とその手間を考えるとただただ凄い。
『鳥葬』『風葬』
日本人なのに、初めて知る日本語にゾロアスターを通じて出逢った。
ゾロアスター教では「天」「地」「火」「水」の四つが、決して汚してはならない存在であるそうだ。
だから、人が死んだ後の遺体を『火葬』することも『土葬』することもなかった。
※ちなみにゾロアスターの寺院は全て、きれいに"真四角"にできている。天・地・火・水の四方全ての力を得るためだそうだ□
じゃあどうするかというと、「沈黙の塔」と言われる、砂漠の中の小高い丘の上に塔を建て、そこに遺体を安置することで、「鳥による葬儀=鳥葬(ちょうそう)」「風による葬儀=風葬(ふうそう)」を行っていたのだ。僕はそこにも行ったが、作りかけのバベルの塔のような風貌で、上まで登ったが今は何もないただの塔のてっぺんだ。
~しかし何も起こらなかった~
人を燃やせば空気を汚すし、土に埋めれば大地を汚す。
この40度を越える暑い大地なら、人の肉を鳥が食べ、残りは太陽が完全に腐敗させ、乾かす。まさに最も”エコロジー”な葬り方だったという捉え方もある。
チャクチャクChak Chakと呼ばれる聖地にも足を運んだ。
そこはヤズドの中心部から車で1時間程。砂漠をずんずんと進み、山々を目指す。行けば行くほど車が減り、無論、砂漠に人なんて歩いていない。片道一車線の道路脇。延び続ける電線だけがその先にある聖地の"現存"を示していた。
それは人気のない山の中腹に隠れるように突如現れた。小屋のようなものが山の下から数軒見え、その先には洞窟かなにかがあるのだろうか。
聖地に続く一本道。
パトカーが一台とまっている。
雲行きが怪しい。
呼び止められる我がタクシー。ペルシャ語の会話。
たった一人の警察官と運転手。二人で十秒ほど会話した結果、二人揃って僕にまさかの『No.』を突きつけてきた。
えぇ~~~!????
Why?!?と聞いても、二人とも英語がしゃべれない。周囲に人もいない。上には"聖地"が見えている。
図々しくジャーパン!ジャーパン!と、極東ジャパンからわざわざ来たアピールをする。それでも願いは神様には通じなかった。
『No.』の一言で僕のチャクチャク伝説は終わった。
とぼとぼ帰った。
来る途中に、何台かの車が駐車し、キャンプのようなことをしているのを見た。おそらくゾロアスター教の大切な”お祭り”なのか”儀式”なのか。よそ者の僕には、今日は完全に『No.』のスタンスだった。
~しかし何も怒らなかった~
まぁでも、それでよかったと思う。
近年では”インバウンド”という言葉が日本でももてはやされ、海外でも、観光客があちこちに現れている。(僕も然りだが。)
イスラム圏だって例外ではない。モスクなどの礼拝は”男女別”が伝統なのに、エクストリームなリベラリスト達から「それは差別だ!」などとモスクの扉をこじ開けられたら、たまったもんじゃない。
だから、よかったのだ。
駄目なら駄目で。
だってここは彼らの聖地なのだから。
基本的によそ者は犯してはならない。
先程述べた「沈黙の塔」は過去のもの。もう使われてはいない。遺跡だ。管理は必要だが、見学は万人に認められている。
「炎の寺院」は現役で使われているが、炎には決して近付けない。当たり前の話だ。
『世界最古の一神教』として、ゾロアスター教は後に起こる様々な宗教にも影響を与えたそうだ。
オリンピックの聖火の文化は、このゾロアスターの”炎信仰”から来ていると言われているし、古代ペルシアの王の墓に行くと、十字が掘られている。これは「天・地・火・水」の四つ(=四方→十字)を表し、その十字が、キリスト教の十字架になったとも言われている。
更に、古代ペルシアで起きたゾロアスター教だが、イスラム圏の侵略により、その居場所を奪われ、インドに移ったそうだ。そして現在では、インドのムンバイにあるゾロアスター教のコミュニティが、イラン国内よりも活発だそうだ。
そしてイギリスがインドを植民地化し、インド人がイギリスに移り住み、その祖先として活躍したのが、あのクイーンのフレディ・マーキュリーだそうだ。彼はゾロアスター教徒だったらしい。
更には、あのスタジオジブリにも影響を与えたらしい。(ナウシカに出てくる『蒼き衣纏いし者』はゾロアスター教の神にそっくりなのだ...!!)
そして僕が思うに、ドラクエのほこらや、下手したらあの話しても何も起こらない”しかばね”も、ゾロアスターからのinspiredでは?と睨んでいる。
今を生きるゾロアスター教徒。ムンバイにいる。
まだ行ったことないムンバイ。行ってみたい。
ゾロアスター教の軌跡を辿る旅。
こうして旅というものは、日程的にはそれぞれが”単発”であっても、”連続性”を帯びてくるものである。
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