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ひとりでも作りたい本があるから、ブックデザインを学んでみた

本のデザインを学んでみたい。自分の作りたいものを、自分の力で作れるようになりたい。

去年の10月にたまたまSNSに流れてきた「ひとりでできるブックデザイン講座、開催します」のお知らせに「このタイミングで出会うなんて運命なのでは⋯?」と思い参加を決めました。

本づくり自体は去年から自力で挑戦していて、講座参加前の半年で3冊のZINE(自主製作本)を完成させています。にも関わらずこの講座に申し込んだのは、InDesignを学びたかったから。

インデザインは、本、雑誌、リーフレットなどを印刷、デジタル出版するための、デスクトップパブリッシング(DTP)とレイアウト用のアプリです。

InDesignとは?Adobeホームページ


これまで使っていたパソコンは9年前のモデルのMac。古すぎる!あまりにもできないことが多く、ZINEを作るにあたってとても苦労しました。

特に大変だった工程が、入稿用のデータ作成。本のサイズや印刷所ごとのフォーマットに合わせて文字組みや段落を整えながらデータ化していくのですが、これが意外と大変なんです。

使いたいツールはパソコンのバージョンが古すぎて対応していないし、とにかく動作が重くて大きいデータは扱えず。縦書きのエッセイ本を作りたかったのですが、文章自体を執筆するまではできても、それを入稿用の縦書きデータへ変換するのにものすごく時間がかかってしまい⋯。

幸い新しいiPhoneを持っていたので、Canva(デザインツール)・縦式(縦書きデータを出力できるツール)・ Nola(小説制作ツール)を使い、パソコンとiPhoneをいったりきたりしながら制作を進めました。

この組み合わせにも満足していたのですが、パソコンを買い替えると決めていたこと、次の新刊は雑誌のように自由なレイアウトで作ってみたかったこともあり、おすすめしている方が多かったInDesignをこのタイミングで学んでみることに。はじめてのAdobe界隈!


ゼロから始めるInDesign

講師はさまざまな本のデザインを手掛けた、いぬのせなか座の山本浩貴さん。講座の主催である福尾匠さんが受講生代表として学びながら、実際に手を動かして本を作っていく過程を一緒に追えます。福尾さんは過去にInDesignを挫折した経験があるそうで、初心者のわたしたちが置いていかれない設計がとてもありがたい⋯!

「InDesignを使って本を作れるようになる」という実務的なことだけでなく、個人出版業界について、書き手が自分で本を作るという在り方、作ったあとの流通についても触れていて、そもそも本を作るとは?という視点で生の話を聞けたのが嬉しかったです。

実際にInDesignをインストールして、まっさらなところから入稿用のデータを作っていきます。InDesign自体は月額で3,280円。月ごとでの支払いが選べたので、この講座期間〜新刊を作り終えるまでの間だけ契約することにしました。

福尾さんが作業する画面を映しながら山本さんが進め方を教えてくれるので、自分も一緒に操作画面をひらいて作業していくことに。ツールはとにかく実際に触ってみて、操作感に慣れていくのが大事!


操作画面をひらいたとき、あまりの選択肢の多さに一瞬絶望しました。右も左も上段のバーにも、さまざまな項目のあらゆる機能が詰まっている⋯!もし自力で挑戦していたら、この画面を見ただけで挫折していたかもしれません。

それだけできることが多いということですが、初心者には何から手を出したらいいのか、どこで何ができてどうなるのかが全くわからない。

機能が多すぎて圧倒される

講座では「初心者が一から本を作っていくこと」を前提としているので、数多くある機能の中からよく使うものや最低限必要なものをメインに教えてくれます。本当に助かる!!

おすすめの設定、文字組みの考え方、必要な処理などを学びながら実際に文字を流し込んだり画像を配置していくと形になっていき「本物の本だ!」とテンションが上がりました。

こうしてひとつひとつ触っていると、縦書きか横書きかというようなわかりやすいものだけでなく、1行あたりの文字数や行間隔、文字の大きさやフォント、選んで決めることすべてがデザインなのだなと改めて実感します。

少し調整するだけでどんどん見栄えが変わっていって、自分の中で「これがしっくりくるな」という感覚に出会えると嬉しくて。奥深いし、ハマればハマるほど沼かも。


自分で作り自分で編集する

講座の最終回で山本さんが仰っていたことが印象的でした。

どんな企画でどれくらいの予算なのか、紙やインクなど既存のアイテムや製本方法をどう組み合わせるのか、どう発注してどう流通していくのか。「ただデータを作る」だけでなく、さまざまな条件の中でベストな形を見つけていくプロセス設計すらもブックデザインの範疇だと考えているとのこと。

個人で本をデザインする場合、このプロセスをひとりで悩んで決めることができる。それってすごく自由でワクワクするなと。そして最終決定権が自分にあることは、わたしにとっては何より嬉しい。どこにお金をかけて何にこだわるのか、自分で決めた条件の中で遊ぶことができるわけです。

印刷所のホームページを見ていると、オプションで特別な紙やインクを選べたり、凝った加工ができたり、季節のスペシャル印刷パックみたいなキャンペーンがあったりします。印刷事例を見ていると「もし自分がやるなら⋯」とアイデアが湧いてきて、その時間がすごく好きで。こういった考える時間すらもデザインなんだなと。できることが無限大すぎる。


ひとりでもできたブックデザイン

全6回の講座を受けてみて、実際に手を動かすことでInDesignの操作感が馴染みデータの型も作成できたし、なんといっても「ひとりでも本のデザインはここまでできる!」という可能性を知りました。

一方で「作業」自体はひとりでやるものだけれど、印刷したり流通したりするのはひとりの力じゃできなくて。デザインを通して第三者と関わりながらひとつの本を作っていく、その前提や考え方を知れたのも面白かったです。

そもそもわたしの独学ではきっとInDesignとのいい関わり方を見つけられなかったので、この時点でひとりの力ではないわけで。ひとりで選択し集中してやること、誰かの力を借りてよりいい物を作ること、両方とも大事にしていきたいなと改めて思いました。


ここ数年「新しいことを学ぶ」という時間をなかなかとれていなかったけれど、できることが増えるとか、知らないことを知るのってやっぱり楽しいですね。すごくいい機会でした。

そして「次の本作りに向けて学びたい」という明確な目標と締切があるからこそ、集中して取り組めたなと。得た知識は新鮮な内にできるだけ早く出力することで、自分の脳と身体に馴染んでいくものだと思っているので、今回学んだことのすべてをさっそく実践していきます。

5月4日の文学フリマ出店に向けて、新しい相棒であるInDesignと共に新刊制作に挑戦します。楽しむぞー!

これからよろしく、相棒




追記:講座のアーカイブが残っているとのことなので載せておきます!


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