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元会社員は、劣等感もコンプレックスもふっとばしたい


「会社員」という肩書きがなくなることは、なによりもこわかった。



圧倒的な才能も、優秀な頭脳も、魅力的な人間性も、なにもない。太い実家も、最強のビジュアルもない。

昔からそう。人より優れていること、自分だけの特別なもの、探したけど見つからなかった。

持ってないもんは見つかるわけがないんだけど。それが虚しくて、劣等感みたいなものと一緒に生きてきた。



その気持ちが薄くなったのが、会社員になってからだったんだよね。

会社も人間関係も好きではなかったけど、「大勢の中のひとり」で居られることがすごく気楽で。

入社するときにはこれまでの経験を根掘り葉掘り聞かれるけど、入社してからは「いまの自分」だけを見られる。


会社員としての年月を重ねていくだけで、クレジットカードの契約も賃貸の契約もすんなり通る。会社員でいるだけで、社会から信頼される。

毎日いやなことだってあるけど、毎月の給料日に決まった額の給与が入金されるのは最高に嬉しい。



「仕事ができる会社員」になるだけで、これからの人生は安泰じゃん!って思った。だってあと何十年も働くわけだけど、どんなにいいものを持っている人だって、仕事ができなければ必要とされないわけで。

「持ってない人」が逆転できるのは、仕事しかないんだって確信した。だから、毎日の残業も土日出勤も、「いまは頑張りどきだから!」って受け入れていった。



そしてその後、たった半年でゲームオーバーになる。メンタルと身体をこわして、働くことができなくなってしまった。

わたしは「仕事の経験値をためること」がなによりも大切だと思っていたんだけど。じつは「長く働き続けられること」を一番に優先すべきだった、といまは思う。


20〜30代ならちょっとムリしても大丈夫!
いまサボると、これからの人生後悔するよ?


よく聞く言葉。わたしだって本気でそう思っていたんだけど、あのときに自分のキャパを超えた働き方をしたことを一番後悔している。

ダメになったメンタルと身体を回復するほうが、よっぽど大変だし時間がかかった。大事な時期に、人生をムダにしてしまったような気持ちがまだ消えない。



あれだけ大事にしたかった「会社員」という肩書きを、自分から手放すしかなくなってしまった。

クレジットカードにはじめて落ちた。物件の審査に通る気がしないから、賃貸契約を更新した。

フリーランスとして仕事を少しずつ開始するようになって、まだ半年。先がわからないこわさは全然ある。


でもいまは、ちょっと吹っ切れたような清々しさがある。「先のことはわからんが、いったんフリーランスとして生きてみる」と決めた瞬間に、会社員になれなかった自分とお別れできたのかもしれない。

いま一番に優先したいのは「長く働き続けられること」で、それにはわたしが選んだ「複業フリーランス」という働き方がぴったりなのではと思っているからだ。

昔から抱えてきた劣等感、肩書きに対するコンプレックス、ぜんぶふっとばしたい。未来のわたし、よろしくね。


またね。



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