行方知れずのブロガーを、ずっと探している
宝物のようにひっそりと大事に見ていたブログにアクセスすると、すべての記事が跡形もなく消去されていた。
わたしには推しのブロガーが何人かいる。そのうちのひとりがKさんだ。
出会ったのはもう8年前になる。出会ったというか、一方的に見つけただけだけれど。たまたま読んだブログの文章に心を撃ちぬかれ、一晩で過去記事をすべて読み漁った。
詳細なきっかけはもう覚えていないけれど、有名な大手メディアで連載を持っていたとか、SNSでバズっていたとか、そういったものではなくて。見つけたのは、何年も前から不定期で更新しているらしい日常ブログ。
会社員になったりアルバイターになったり。ライターやブロガーとしての苦悩とか。日本の北から南まで、思いつきで旅立っては暮らしてみたりして。
そんな目まぐるしい人生がすごく刺激的に見えて、そんな激しい人生を淡々と綴る温度感が好きで、いつもワクワクしてブログを読んでいた。
とある日にKさんが訪れて、つい延泊をしてしまったという小さな宿。Kさんの言葉で語られる宿での日常は、静かだけど優しくて、すごく魅力的だった。
豪華な設備や食事があるわけじゃない。でも清潔で日当たりがよくて、ひとりでのびのびと自由に過ごせるような、そんな風景が文章から見えた。
何度も読んで憧れが育ちきった結果、その宿へ泊まりに行くことにした。
文章に惹かれて泊まる宿を決めるなんて、Kさんのブログには『るるぶ』と同じ効果があるということだ。人を動かしてしまう文章って、すごい。
わたしにとっては聖地巡礼でもあって、「ああ、Kさんもこの窓からの景色を見たのかなあ」なんて思いにふけったりしていた。
それくらい、Kさんのブログは大きな存在だった。
それなのに。
かれこれ6年ほど、そのブログの更新は止まっていた。Kさんは、TwitterもInstagramもFacebookもやっていない。近況を知るすべが何もなかった。
わたしは更新されることのないブログに毎月訪れて、新着記事がないことに落ちこんだ。それでも過去記事を読むと、また少しだけ元気になれた。
わたしにとって、このブログはお守りみたいなものだった。出会ってからこれまで、約8年間も。
けれど先ほどブログにアクセスしたら、何度も読んだ記事たちがどこにもなかった。
心境の変化があったのだろうか。過去を整理して、新しい道に進もうとしているのだろうか。わたしには想像することしかできない。ただの読者でしかないから。すべてのコメント欄に感想を書いていたら、何かが変わっただろうか。
そりゃあもちろん、ものすごくさみしい!!ずっとずっと、心の支えにしてきたから。
わたしの土台にある「どうにかなる!未知を楽しもう!」という価値観は、Kさんの影響を大きく受けているから。
でも推しだからこそ、どこかで元気でいてくれたらそれでいいや、とも思っている。
Kさん。
あの宿で過ごした時間が忘れられなくて、2回も泊まりに行きました。大好きな街がひとつ増えて嬉しいです。
実はKさんに憧れて、ライターにもブロガーにもなりました。毎日文章を書いています。かつてのわたしのように、時を越えてもだれかに宝物みたいに思ってもらえるような、そんな文章が書けるようになりたいです。
またKさんの文章が読めたらもちろん嬉しいけれど。もしそうじゃなくても全然よくて。
あのころKさんの文章に救われた、熱烈なファンがここにいます。それを伝えたかったです。たくさん書いてくれてありがとう。
Kさんにとって居心地のいい街で、元気に過ごせていますように。わたしもこの街で文章を書きながら、未知を楽しみながら、クレイジーな人生を送ろうと思います。
Kさんの熱烈なファンより。
