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#37🎬️『手に魂を込め、歩いてみれば』|心が麻痺しても残る痛みと「響きわたる死」

「もし死ぬのなら、響きわたる死を望む。」25歳のファトマの笑顔が頭から離れない。
手に魂を込め、歩いてみれば』を観た。

廃墟のガザで撮影を続けるフォトジャーナリストと彼女を見守るイラン人監督──
1年にわたるビデオ通話で紡がれた比類なきドキュメンタリ

公式サイト https://unitedpeople.jp/put/

手に魂を込め

「今こそ、この戦争を撮って世界に見てもらわなければならない。苦しみをすべて記録するの。他に誰がやるの?」
「撮り続けなきゃいけないの。そうしてこそ、私自身でいられるし、子どもたちに伝えられるから。」 
フォトジャーナリストの彼女は、
恐怖とたたかいながら、カメラを持って街を歩く。
手に魂を込めて。

残酷すぎる現実を描写する言葉

「昨日すぐ近くで2人なくなった。それが普通。慣れたけど、慣れない」
「ヘリコプターが飛んでるのは人を殺すため」
「ガザには安全な場所なんてない」
「子供に何がしたい?って聞いたら、『死にたい』って答えた」
「弟が母に、『今日何食べる?』って聞いたら、『何も』って」
「何もかも全てを奪われる。質素な生活さえ」
「大丈夫だよ。あ、15分前にミサイルが近くに落ちた」

笑顔の裏側

彼女の笑いながら発する一言一言から、
残酷な現実を生き抜く辛さと、
壊れそうになりながらも、自分や周り、平和のために振り絞る危うい強さが伝わってきた。
彼女が涙を流した時に発した、「ごめんね」という言葉に胸をえぐられた。

周囲を思いやるからこそ、
本当は笑えないけど、笑うのだろう。
本当は怖いけど、「大丈夫だよ」と言ってしまうのだろう。
話しながら溢れた涙と「ごめんね」に、
彼女が“慣れたけど慣れない”ことが表れているようだった。
心が麻痺するほどの強く長い痛みにさらされ、過去の痛みが癒える間もなく、新しい痛みが上書きされ続ける。

絶望の中の希望

それでも彼女は、
「起きること全てに目的と意味がある」
「ガザにいたい。いつかは復興できるから」と言った。
恐怖と絶望の中で必死に希望を紡ごうとする強さと脆さが、痛いほどに伝わる。

彼女の心の疲弊が限界を超えている様子は見て取れた。
それでも、記録するという行為が彼女の尊厳を守り、
伝えようとする意志が彼女を突き動かしていたのだろう。

ファトマのメッセージ

ファトマは、カンヌ映画祭2025での上映決定の知らせを受けた翌日、
イスラエル軍の空爆で殺害されてしまった。
調査によって、彼女の家が計画的に標的とされた可能性が高いことが示されている。

彼女の伝えようとしたメッセージがいかに重要だったかを改めて思い知らされる。

彼女が命をかけて伝えようとしたことを、私は忘れない。
犠牲者の冥福と未来の平和を心から祈りながら、
多くの人に彼女のメッセージが届くことを願います。


⬇️この戦争に感じる怒りや疑問についてはこちらにまとめています。



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