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年末公演レポートについての苦手意識

昨年12月28日に観たlynch.の東京ガーデンシアター公演のライヴレポートを書いた。かつて音楽誌がたくさんあった頃、1月の今頃は、年末に行なわれたさまざまなライヴの原稿執筆に頭を悩まされたものだ。何が大変かというと、この時期のライヴについては「1年の締め括りとなる~」とか「新たな年に向けての~」とか、書くべきことにかなり共通するものがあって、しかもアーティスト側のステージ上での発言にも同じようなものが多いので、当然のように原稿がどこか似通ってしまい、「あれ、さっきどこかで同じことを書いた気が……」みたいなことになるケースが多々あるからだ。
もちろんライヴ自体はそれぞれ違うのだから、同じ記事になることはないのだが、書き手としては同じような原稿をいくつも書いているかのようなモヤモヤが伴いがちだ。しかも雑誌の場合、締切りの都合で年末公演のレポートは1月末以降の掲載になるため、時期的にはとうに年末感みたいなものが薄れてしまっているし、年末年始の記憶が薄れていくスピードというのは、どういうわけか他の時期についてよりも早く感じられるもの。そのあたりも意識しながら書かねばならないのだ。それもあって、一時は年末公演のライヴレポート依頼をいくつかお断りすることもあった。
そして今や音楽雑誌も減り、WEBで記事を書く割合が高くなっている。WEBでは素材が揃えばすぐにアップされるだけに、新鮮味やスピード感が損なわれないうちに記事を届けることができるのだが、年末のバタバタした状況のなかで速報記事を連日書くのはさすがに厳しいものがあるし、また、こちらが即日対応したところで、年末年始には世の中が止まっていることもあって原稿や写真のチェックが遅れ、実際に記事が出るまで普段以上に日数がかかるケースもある。
今回のlynch.の記事については、依頼をいただいた際「年末のうちに原稿を渡しても記事露出が1月に入ってからで構わないのであれば、締切りは年が明けてからにして欲しい」という条件付きでお引き受けしたのだった。もちろん年が明けたからといってライヴの記憶が薄れていたりはしなかったし、当日の殴り書きのようなメモもどうにか解読することができた。そして何よりも、当日のライヴが素晴らしかったし、その記憶は鮮明に残っていた。
今でも同時期にたくさんライヴレポートを書くことは極力避たいと思っているのだが、なんだか僕のなかではいまだに年末公演の記事について苦手意識みたいなものが残っているようで、この記事を書き終えた際には、ようやく年が明けたという安堵感に包まれたのだった。というわけで、今日はこのあと、他のライヴ・レポートを書く予定だ。

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