主体性はどこから生まれるのか――「任せられること」の力について考える
突然ですが、私は漫画『弱虫ペダル』が好きです。
これまで94巻まで読んでいて、最近ようやく95巻を購入しました。
でも、公私ともにいろいろと忙しく、まだ読むことができていないのですが、早く読みたくてソワソワしています。
弱虫ペダル (渡辺航)
ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90km!! アニメにゲーム、ガシャポンフィギュアを愛する高校生・小野田坂道、驚異の激コギ!!
ワクワクの本格高校自転車ロードレース巨編!!
https://www.akitashoten.co.jp/series/2292
この物語の中で、特に主人公・小野田坂道が「任せられた瞬間」に見せる集中力、粘り強さ、そして静かな闘志に、いつも心を動かされ、ハッとさせられます。
そして、ふと思うのです。
「任せられる」とは、いったいどういうことなのか。
そのとき、人の中にはどんな力が生まれるのか。
今回は、そんな「任せられること」が引き出す主体性について、私のこれまでの経験や、コーチング、そして大好きなこの漫画と重ねながら綴ってみたいと思います。
「任せられた」坂道が走り出すとき
『弱虫ペダル』の坂道は、まさに今回の問いへのひとつの答えを見せてくれます。
「山はお前に任せる」「ラストはお前に任せる」と仲間から言われたとき、普段はおとなしく控えめな彼が、まるで別人のような集中力と持久力を発揮します。
それは、「やらなきゃいけない」という義務感ではなく、
「任せられたから応えたい」という想いから生まれているように見えます。
そして坂道の姿に刺激を受けた仲間たちも、それぞれが「自分に任せられたことを全力でやろう」と走り出す。
その連鎖が生まれていく様子を見るのがたまらなく好きで、漫画を読み始めると、私はページをめくる手が止まらなくなります。
この坂道の姿に、私自身のこれまでの経験や、コーチングの現場で出会ったクライアントの変化と、重なって見えることがあります。
やらされ感ではなく、自分ごととして動ける瞬間
私も、何かを「任せられた」と実感したとき、不思議と力が湧いてきます。
誰かに信用されている。期待されている。
そして――他の誰でもなく、「あなたに任せたい」と言われたとき。
学生時代の部活動や、社会人になってからのプロジェクト推進の経験でも、そうした感覚を何度か経験しました。
そのとき私は、「やれと言われたからやる」のではなく、「自分が成し遂げたいからやる」とスイッチが入ります。
そうなると、目の前のことが、単なるタスクではなく、自分にとって大切な意味を持ち始めるのです。
任せてくれる存在が、内なる力・個の主体性を引き出す
この感覚の背景には、部活動の先輩や先生、会社での上司など周囲の方々の関わり方がありました。
私自身が強く成し遂げたいと思いやっていることに、普段は、周囲は細かく口出しすることなく、暖かく見守ってもらい、相談すれば、途中で遮られることなく最後まで話を聴いてもらえる。
「あなたに任せた」と、言葉ではなく態度で示してくれる。
今振り返れば、まさにコーチングでいう「傾聴」と「承認」によって支えられていたのだと思います。
だからこそ、私もその信頼に応えたくなり、結果として自分でも驚くような成果につながったことが、何度もありました。
個の主体性が、仲間の行動にも火を灯す
学生時代に部活動のクラブでレースに挑んだとき、あるいは社会人となってプロジェクトチームを率いたとき、
私自身が「任せられた」という実感を受けて、自分の意志で主体的に動いていると、その姿勢や言葉が自然と仲間にも伝わっていく感覚がありました。
お互いに声をかけ合いながら、それぞれが自分の役割や課題に向き合い、必要なときには補い合う。
そんな状態になると、チーム全体の勢いがぐんと加速していきます。
そして、その加速を体感した仲間が自ら動き出すことで、加速はさらに強く、速くなる。
こうしたチームは、自分ひとりでは生まれないもの。
仲間の存在があってこそです。
この心地よい空気を一度でも感じると、新たなチームでもまた、同じ空気を生み出せたらと思うようになります。
コーチングも、コーチの任せる姿勢から始まる
コーチングのセッションでは、コーチはクライアントに答えを与えません。
代わりに問いを投げ、耳を澄まし、
「あなたなら大丈夫」と、その人の中にある可能性を信じて、任せて、待ちます。
クライアントが安心安全の場で、「信頼されている」「任せられている」と感じたとき、「答えさせられている」のではなく、「自分から話してみたい」と思えるようになる。
その想いが少しずつ言葉になり、形になっていく瞬間に、私はそっと立ち会います。
そして、その瞬間が訪れるたび、私は心の中で小さくガッツポーズをしています。
信頼され、任せられたとき、人は自然と前に進む
人は任せられたことで、思いがけない力が引き出されることがあります。
それは、「信頼されている自分」に応えたいという気持ちに、自然と自分から向き合えたとき。
だからこそ、自分らしいやり方で、無理なく、力強く前に進んでいける。
そんな力が、このNoteの投稿を読んでいただいている あなたの中にはある、私はそう信じています。
私はコーチとしてそばに寄り添い、その可能性を一緒に見つめていきたいと思います。
